2018.12.02

猶本光、ドイツ挑戦の現在地とその先の成長「もっとやれることを増やしたい」

猶本光
猶本光はケガから復帰後、7試合連続で出場中。「毎試合良くなっている」[写真]=湊昂大
Kota Minato

 ドイツでの挑戦が始まって約4カ月。なでしこジャパンMF猶本光は新天地のフライブルクで存在感を高めている。移籍直後は右足首のケガで出遅れたが、復帰してからはレギュラーに定着し、11月24日の女子ブンデスリーガ第9節エッセン戦は直前に発熱で3日間寝込んだにもかかわらず、公式戦6試合連続でスタメン入りを果たした。指揮官やチームの期待を背負いつつ、挑戦の日々を送っている。

 猶本は11月18日のDFBポカール2回戦にフル出場し、2アシストの活躍で勝利に貢献したが、直前になでしこジャパンの鳥取合宿に参加していたこともあり、疲れが溜まって試合後にダウン。「いつも時差ボケはないけど、(機内で)全然寝れなかったら1週間時差ボケでした。疲れが取れないなと思っていたら、ついに熱が出てしまいました」。欧州移籍後初めての長距離移動に苦しんだものの、それもまた貴重な経験のひとつ。「海外に行ったらコンディションの管理も重要なので勉強になりました」。

 この発熱により第9節エッセン戦までに「1日しか練習していない」というが、それでもボランチで先発メンバーに名を連ね84分までプレーし、小雨が降り続けたピッチで病み上がりとは思えない運動量を披露。ドイツではプレスの速さや球際の激しさが格段にアップしたが、大柄な選手たちに囲まれながらも、シンプルなボールさばきでプレッシャーをかわしつつ攻守に奮闘した。

「日本人からしたら客観的にフリーに見えると思うけど、実際にピッチの中にいると、そんなにフリーじゃない。だから早いプレーやポジション取りとか、あとはファーストタッチを大きく動かして捕まらないようにすることは意識しています」

 言葉の壁にも懸命に立ち向かっている。試合中やハーフタイムには猶本からだけではなく、チームメイトからも積極的にコミュニケーションをかわしていた。「いつもドイツ語なので、まずは頭が疲れます。『自分たちがもっと前に行こう』とかはドイツ語でコミュニケーションをとれるようになりました。日常会話はまだ難しいけど、話せるようになったらもっと楽しいですね」と充実した日々を伺わせた。

猶本光

前半終了後すぐに味方とコミュニケーションを図る [写真]=湊昂大

 ただ、この試合は2度のリードを追いつかれて2-2で引き分け、リーグ戦は3試合未勝利となった。猶本は得点やチャンスに絡めず、「今日はスリッピーだったので、フィジカルやパワーの差が明らかに出てしまうピッチコンディションで、自分の良さはあまり出せなかった。そういう状況でも自分を表現できるように工夫しなければいけない」と振り返った。現在はドイツでの戦いに適応しつつあるが、「フィジカルやパワーの差」がある相手にどう戦っていくか、それが今後のポイントになるだろう。猶本はしっかりとその先を見据えている。

「もっとやりたいプレーはある。自分の良さはシンプルにボールをはたきながら、もっと前に運んだり、(マークを)外してスルーパスを出すという形。それをもっと出したい。味方を使うのもそうだけど、もっと(マークを)外しつつ、一個自分が運べたら良い展開になると思うし、もっと守備範囲を広げて自分が奪い切るっていう力強さもつけていきたい」

 この“猶本らしさ”をイェンス・シャウアー監督からも期待されている。「日本人の良さを出せってよく言ってくれるので、やりやすい環境にしてくれているのはありがたいです。いっぱいパスを貰ってアジリティを生かして展開して、外しながらパスを供給すること、守備ではアジリティで(相手に)ついていくことを求められています」。シャウアー監督は試合後に取材を受ける猶本を見つけると、「サヨナラ!」と笑顔で絡んできた。そんな気さくな指揮官は今季限りでの退任が決まったものの、猶本の良さを理解している存在として異国の地での飛躍を支えてくれるだろう。

 今後も試合での経験を重ね、ドイツでも存分に自分らしさを発揮してチームに貢献できれば、成長はより加速するはずだ。「まずはスタメンで試合に出続けて、もっとやれることを増やして、シュートも狙えるような中盤になりたい」。そう語る猶本のまっすぐな視線は、確実に自身の成長をとらえている。

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