2017.09.25

日テレ、黄金期到来示すリーグ3連覇 INAC神戸との決戦で示した“女王のプライド”

リーグ戦3連覇を達成した日テレ・ベレーザ ©J.LEAGUE
10年以上にわたり女子サッカーを追いかける気鋭のライター

 23日に行われた、2017プレナスなでしこリーグ1部第16節、日テレ・ベレーザ(1位)vs INAC神戸レオネッサ(2位)で、2-0の勝利を収めた日テレが、2試合を残してなでしこリーグ優勝を決めた。

 日テレはこれでリーグ3連覇を達成。過去に3連覇を1度、4連覇を2度達成している日テレだが、現在の主力選手は若く伸びしろがあるため、まさしく4度目の黄金期到来と書いてもいいだろう。

 今季のリーグ戦を牽引してきた日テレとINAC神戸の一戦は、今季最も見応えのある、90分間を通して緊張感のある一戦だった。両者がボールへの執着心をむき出しにして、ミスをしても目線を落とすことなく、すぐにそれを挽回しようとする気迫に満ちたプレーが、各所で見られた。

 しかも日テレにとっては、今季のリーグ戦で唯一負けているINAC神戸との再戦だった。

 39分に、パスカットしたFW田中美南からMF籾木結花がロングシュートを決めて1-0。54分には田中美が強引にドリブルシュートを決めて2-0に。今季、日テレの得点源となったふたりの活躍で、15回目のリーグ優勝を決めた。

岩清水梓

手荒い祝福を受ける岩清水(左) ©J.LEAGUE

「一度負けた相手に勝てないままの優勝では意味がない。借りは返すっていうのが勝負の鉄則だから」と、試合後に日テレのDF岩清水梓が軽やかに話した言葉の節々に、女王のプライドが垣間見えた。

 日テレは今季開幕前にDF有吉佐織がケガで戦線離脱。シーズン途中にもDF村松智子がケガによって離脱し、守備陣の主力ふたりを欠いて今節の首位攻防までも制した。16試合での失点はわずかに「6」。GK山下杏也加の安定感が増したことと、前線や中盤での猛烈な守備が、昨季を上回る数字に表れた。

 しかし日テレの森栄次監督は、今回のリーグ優勝はそう簡単ではなかったと話す。

「毎週の対戦相手は、例えば完全に守りに入ったり、我々に対して『まとも』に戦ってこない。しかし相手のどんな戦い方にも対応できる力がついてきた。練習では雰囲気も試合を想定しているくらいで、選手同士でバチバチに戦っている。『ケガしないでくれよ』ってくらいに」

胴上げされる日テレの森監督 ©J.LEAGUE

 なでしこジャパンで上積みした経験を、代表選手が日テレの練習場に持ち帰り、さらにチーム力向上に活かしたことで、今季の日テレ独走状態が作られた。

 リーグ全体を見渡すと、独走を続ける日テレを追随できないライバルチームの脆さも今季は目立った。

 マイナビベガルタ仙台レディース、AC長野パルセイロ・レディースは、リーグ後期で失速し、反対にINAC神戸はリーグ前期で白星をつなげることができなかった。

 日テレに優勝を決められたINAC神戸・松田岳夫監督は「見ての通り、何もできなかった。勇気を持ってプレーすることができるか、プレッシャーに押しつぶされるか、そこの差だったと思う」と話したが、選手同士の1対1では互角に近かった。「でもこう言っては負け惜しみになるが、次に対戦する時には、負ける気はしていない」と指揮官が続けたのは、FW岩渕真奈の加入がINAC神戸にとって追い風となっているからだろう。

 ケガから復帰したばかりの岩渕は、古巣・日テレ戦で途中出場するも、今回は無得点に終わった。しかし目はまったく死んでいない。

「確かに日テレのプライドは感じたが、(INAC神戸は)日テレをリスペクトしすぎてしまっている部分がある。個人的にはそういうところをなくしていきたいと思う。私もINAC神戸では上から数えたほうが早い年齢になってきているから」

 ライバル関係の2チームが次に対戦するのは、年末の第39回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会か。もしこの皇后杯も日テレが制することになれば、日テレの黄金期は確固たるものになる。

取材・文=馬見新拓郎

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