FOLLOW US

「計り知れない大きな差の勝ち点1」をつかむ劇的同点弾 神戸FW武藤嘉紀が体現した勝利への執念とJ1王者の意地

2024.12.01
武藤嘉紀

柏戦で後半ATに同点弾を決めた武藤 [写真]=柳澤健太

 23日の天皇杯決勝でガンバ大阪を1-0で下し、今季最初のタイトルをつかんでから1週間。ヴィッセル神戸はJ1連覇、今季2冠を懸けてアウェーでの柏レイソル戦に挑んだ。

 週中の26日にはAFCチャンピオンズリーグエリートのセントラルコースト・マリナーズ戦も消化。大迫勇也、武藤嘉紀ら主力級の大半は欠場し、しっかりとリフレッシュして大一番に挑んだはずだった。が、この日は序盤から柏の迫力に押されてしまう。開始早々の5分に相手左CKから木下康介に打点の高いヘッドで先制点を奪われ、一方的な劣勢に。前半20分過ぎまでシュートを1本も打てないという厳しい内容を強いられた。

「立ち上がりからの失点、かつ球際で勝てない、反応が遅い…。相手は勝てばJ1残留が決まることが分かっていたのに、どこか気の緩みがあった。難しい試合になると分かっていたのに、ああいう入りをしてしまった。試合に入り切れていない選手もいたし、本当に甘さが出たと思います」と武藤はあえて苦言を呈したのだ。

 0-1で迎えた後半。吉田孝行監督は佐々木大樹や汰木康也ら持ち駒を次々と投入。強引に流れを変えようと試みたが、どうしても1点が遠い。そのまま試合終了かと思われたタイミングで、武藤と競り合った柏DFジエゴのペナルティエリア内でのファウルがあったとしてVAR、OFRを経てPKの判定。神戸には希望の光が差し込んだが、大迫がまさかの失敗。再び敗色濃厚の危機に追い込まれた。

 VAR判定などで13分のアディショナルタイムが与えられたこともあり、そこから王者は凄まじい気迫で攻め続けた。そして試合時間が100分を経過した時、右CKから待望のシーンが訪れる。

 扇原貴宏の蹴ったキックを相手がクリアし、酒井高徳が前線の大迫目掛けて浮き球のボールを上げた。次の瞬間、大迫からパスを受けた広瀬陸斗がシュート。GK松本健太が弾き、立田悠悟が大きく蹴り出そうとしたボールが奇しくもマテウス・トゥーレルに当たり、最終的に武藤の前にこぼれた。百戦錬磨の32歳の点取屋は冷静に左足を一閃。勝ち点1につながる大きな一撃をお見舞いしたのだ。

 一度はオフサイドと判定され、本人も諦めかけたという。しかし、長いVARチェックの結果、得点と認められ、武藤はユニフォームを脱いでゴール裏へ駆け寄り、歓喜を爆発させた。これほどまでに感情を強く押し出すのは滅多にないこと。それだけこの1点の意味が大きかった。

「町田(ゼルビア)もいますし、(サンフレッチェ)広島もいて、勝ち点0という結果が僕らにとってどれだけ不利になるかは自分も分かっていた。勝ち点1を取ることで自力で優勝を決められる形に持っていける。そういう意味で、この1の大きさは計り知れないものでしたね」と武藤はしみじみとゴールを噛み締めていた。

 確かに、ライバルの動向に関係なく、12月8日の最終節、湘南ベルマーレ戦を勝ち切ればいいというのは極めてシンプル。神戸にとっては間違いなくアドバンテージだ。そのうえで連覇を果たせれば、背番号11の柏戦での大仕事がひと際、大きな意味を持つことになる。

“今季MVPの有力候補”という見方も強まっているが、本当にそうなる可能性も少なくない。2021年夏の神戸入り後、つねに重要な役割を果たしながら、大迫、山口蛍、酒井のやや後ろからチームを支える選手というイメージの強かった武藤。その彼が“真のエース”と認められるのは理想的だ。

 数字を見ても、今季35試合出場11ゴールの大迫に対し、武藤は36試合出場12ゴールと上回っている。天皇杯決勝の宮代大聖の決勝弾のアシストもそうだが、今の彼が“重要局面でチームを勝たせられる男”になっているのは紛れもない事実。「ダメなものはダメ」と容赦なく苦言を呈することができる強靭なメンタルや飽くなき闘争心を含め、その存在感は頭抜けたものがあるのだ。

 武藤が作ったいい流れを持続し、1週間後の湘南との最終決戦で彼自身がゴールを奪って今季2冠を決められれば、まさに最高のシナリオだ。本人もFC東京時代の2014年に挙げたシーズン14得点を超えたいという気持ちも少なからずあるだろう。そのためにはあと3点が必要になる。それは高いハードルに他ならないが、決して不可能とは言い切れない。ここまで来たら、キャリアハイの得点数を貪欲に追い求めるべき。

「勝てば優勝ということでワクワクしていますし、自力でつかみ取りたい。僕自身もこの1シーズンをフルに戦ってきて、最後の目の前でトロフィーを逃すわけにはいかない。どれだけ疲労があっても、どれだけ痛みがあっても、チームの勝利のために全てを捧げたい」と本人も語気を強めた。

 1週間後、果たして武藤はどんなラストを迎えるのか…。いずれにしても、彼の持てる全ての力を出し切ってもらいたい。

取材・文=元川悦子

武藤嘉紀の関連記事

【PR】初心者も上級者も
「BIG」なら等しくチャンスあり

ドコモスポーツくじ

「BIG」とはサッカーを対象としたスポーツくじ。サッカー知識が必要ない、完全運まかせで、口数を決めて購入したら当選結果を待つだけの、初心者も詳しい人も誰でも気軽に楽しめるスポーツくじです。

選べるくじは全部で5種類。1等最高6億円の「BIG」、当せん確率は下がるが1等最高12億円の「MEGA BIG」、1口100円で手軽に楽しめる「100円BIG」、当せん確率重視の「BIG1000」、「mini BIG」となっているので、スタイルに合わせて購入可能!

さらに「ドコモスポーツくじ」なら、くじの購入でdポイントがたまり、たまったdポイントを購入に使うことも可能です。dアカウントがあれば、ドコモユーザー以外でも利用できます。

くじを購入することでスポーツ貢献にもつながります。日本スポーツ振興センターを通じ、スポーツくじの収益がスポーツ施設の整備、選手や指導者の育成などに役立っています。「BIG」で楽しみつつ、日本のスポーツに未来を支えることにもつながります。

※スポーツくじは19歳未満の方は購入できません。
※「BIG」の1等最高6億円、「MEGA BIG」の1等最高12億円、「100円BIG」の1等最高2億円はキャリーオーバー発生時。通常は「BIG」1等最高3億円、「MEGA BIG」最高7億円、「100円BIG」最高1億円。当せん金は売上金額や当せん口数によって変動します。

  1. ① 試合予想は不要! サッカーの知識がなくても楽しめる
  2. ② dポイントがたまる・つかえる!ドコモユーザー以外もOK
  3. ③ 「MEGA BIG」は1等最高12億円のチャンス!

【PR】明治安田Jリーグを楽しむなら
「ABEMA de DAZN」!

ABEMA de DAZN

「ABEMA de DAZN」は、ABEMAでDAZNスタンダードのコンテンツ(※)が視聴できるプラン。 明治安田Jリーグはもちろん、ラ・リーガやブンデスリーガ、セリエAなどすべてのDAZNスタンダードコンテンツがABEMAで楽しめる。

月額プランは3,800円(税込)、年間プランなら30,000円(税込)で月あたり2,500円(税込)とお得! アニメ・映画・バラエティーなど、ABEMA無料コンテンツも堪能できるのでお見逃しなく。

また、学生限定の学割プランは、最低12カ月の利用で月額払いは1,600円(税込)、12カ月の一括払いなら16,000円(税込)で月あたり1,333円と、さらにお得に!

※プロ野球、Bリーグ、DAZN LINEAR、追加有料コンテンツ(ペイ・パー・ビュー)は対象外。

  1. ① 「ABEMA de DAZN」の年間プランなら月あたり2,500円(税込)でお得!
  2. ② 明治安田JリーグをABEMA上で見られる!
  3. ③ コメントしながらのライブ観戦、追っかけ再生、見逃し配信など楽しみ方も充実!

By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

SHARE

RANKING武藤嘉紀のニュースアクセスランキング

SOCCERKING VIDEO