試合後にユニフォームを交換したチョン・ソンリョン(左)とキム・ミンジェ(右) [写真]=金田慎平、兼子愼一郎
川崎フロンターレは29日、『スカパー! ブンデスリーガジャパンツアー2023 Audi Football Summit』でバイエルンと対戦し、0-1で敗れた。試合後、川崎FのGKチョン・ソンリョンが取材に応じた。
川崎Fでの8シーズン目を過ごしているチョン・ソンリョンにとって、夏の時期の海外クラブとのプレシーズンマッチはこれが初めてではない。「過去にPSG(※昨年)やチェルシー(※2019年)と試合をしたこともあるので、その経験を活かして自信を持って行こうという話をしていました」。試合前の心境も告白し、「Jリーグ代表として試合に出るという心の準備をしていました」と語っている。
スターティングメンバーの1人としてピッチに立ったチョン・ソンリョンは、ブンデスリーガ11連覇中のバイエルンを相手にゴールを許さず。ベンチに下がった後半にはDFヨシプ・スタニシッチにゴールを許したものの、川崎Fのチャンス数も決して少なかったわけではない。それでも、チョン・ソンリョンは「本当に選手1人1人のクオリティが高いと思います」と発言。実際にピッチ上で対峙したからこその感想を口にした。
バイエルンにとって、この試合は今夏のマーケットでナポリから新加入したDFキム・ミンジェのデビュー戦でもあった。同じ韓国国籍のDFではあるものの、チョン・ソンリョンは代表チームで共にプレーした経験などはないという。「僕もテレビで見たことがあるだけです」と周囲の笑いを誘った後、「センターバックの選手ですが、攻撃的な部分でも持ち味を発揮していました。コンディションが悪い中でも、その中で良いプレーを見せてくれたのではないかと思います」と“同胞”のプレーを称えている。
試合後にはキム・ミンジェとユニフォーム交換をする姿も見られた。その経緯について「試合前に話をして、約束をしていました」と明かしたチョン・ソンリョンは、世界のトップクラブへ羽ばたいたキム・ミンジェと交わした言葉の一部も教えてくれた。
「まずは良いチームに加入できておめでとうということと、頑張って欲しいということと伝えました。素晴らしいチームの一員となったので、優勝を勝ち獲って欲しいなと思っています」
チームは8月2日に天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会・ラウンド16(4回戦)の高知ユナイテッドSC戦を控えており、その後6日には明治安田生命J1リーグ第22節でガンバ大阪をホームに迎える。ここからの過密日程を見据えて「厳しい日程ではありますが、それはポジティブに捉えています」と話したチョン・ソンリョンは、その理由について「今日の試合はウチの良い選手がさらにレベルアップするためのチャンスだったので」と説明。試合前に鬼木達監督から「このような世界トップレベルの相手にトライをしよう」と声をかけられたことを明かすと、「そのような姿勢がリーグ戦や天皇杯に繋がっていくと信じています」と前を向いた。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト