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“未来”に繋がる一戦となるか…横浜FMのマスカット監督、マンC戦に期待すること

2023.07.22

横浜F・マリノスを率いるケヴィン・マスカット監督 [写真]=金田慎平

 横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督が、23日に控えた『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023』のマンチェスター・C戦の前日会見に出席した。

 現在、明治安田生命J1リーグは3週間近い中断期間に突入しているが、横浜FMは海外クラブとの2連戦が予定されている。既に既にセルティックとの一戦は終了しており、撃ち合いの末に横浜FMが6-4で勝利。2戦目ではマンチェスター・Cと対戦するが、マスカット監督は「まず最初に、セルティックとの試合の際と同様に『ようこそ、日本へ』とお伝えしたいです」と相手チームに歓迎の言葉を送った。


 マンチェスター・Cとは置かれた状況が異なることを、横浜FMの指揮官は理解している。Jリーグでは“春秋制”が採用されているのに対し、欧州の暦は“秋春制”。マンチェスター・Cは2023-24シーズンのプレミアリーグ開幕に向けてチームが始動したばかりというタイミングだ。マスカット監督は「我々と相手とではフォーカスする部分が異なるはずです」と話したが、ここで言う「フォーカスする部分」は、シーズン後半戦の優勝争いに向けてチームの“成熟”を目指すということだろう。この時期の海外クラブとの試合は、悪い意味で“親善試合”としての色が濃く出てしまうことも危惧されるが、マスカット監督率いるチームにそのような気配は見られない。マンチェスター・Cとの一戦を“成長”に繋げる1試合と捉えている。

「セルティックとの試合では、チーム全員でハードワークすることができました。そして明日の試合、我々が最重要視している部分は、中断期間が明けたJリーグ残りの13試合にどのように繋げていくのかということ、そして中断明け1試合目の浦和レッズ戦に向けて良い準備をすることです」

 2022-23シーズンにプレミアリーグ、FAカップ、そしてチャンピオンズリーグと、史上8クラブ目の“トレブル”を達成したマンチェスター・Cは、コンディションが整っていなくても世界トップクラスの実力を誇るチームだ。そして、マンチェスター・Cを率いるジョセップ・グアルディオラ監督は、2008-09シーズンのバルセロナと昨季のマンチェスター・Cで、指揮官として2度の“トレブル”を経験している。そんな“敵将”について「自分も若かった頃、グアルディオラ監督のサッカーを見続けていました」と明かしたマスカット監督は「直近10年間、常にフットボール界の先頭を走り続けてきた人物」と賛辞を惜しまなかった。だが、例え相手チームの監督が世界屈指の名将だったとしても、チームに真っ向勝負を挑ませるのがマスカット監督の“らしさ”でもある。「世界でトップの監督が率いるマンチェスター・Cを相手に、マリノスのサッカーをどれだけ見せられるかが楽しみです」と意気込んだ。

 なお、前述のセルティック戦に出場しなかったDF松原健とFWヤン・マテウスは「準備が整っています」と起用可能であることを明かした。セルティック戦のように数多くの選手がピッチに立つことが予想される中、選手の起用方針については「現時点で誰が何分間プレーするかは決めていません。我々は浦和戦から逆算して、どのような戦い方をすべきかにフォーカスしています」と話している。

 また、マスカット監督の指した「残り13試合」を見据えると、AFCチャンピオンズリーグに参戦する関係で過密日程となる9月以降の戦いに向けて、チーム全体の底上げは必要不可欠だ。Jリーグで出場機会の少ない選手たちにとって、マンチェスター・Cとの一戦はある種“チャンス”の試合でもあるだろう。当然、マスカット監督も選手たち1人1人に期待を寄せている。「確かに全員にとって良い経験になるとは思いますが」と前置きしつつも「良い経験をするだけでなく、自分たちが今までやってきたものを発揮することが大事です」と断言。たとえ“欧州王者”が相手であろうと、「誰が出てもマリノス」という言葉をピッチ上で体現することを求めた。

『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023』、横浜FMとマンチェスター・Cの一戦は、23日の19:00に『国立競技場』にてキックオフ予定。試合の模様は「Lemino」にて独占無料生配信される。

取材・文=榊原拓海

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