神戸、広島との上位対決を制して首位キープ！　武藤嘉紀がOG誘発＆終了間際にトドメの一撃

　明治安田生命J1リーグ第13節が13日に行われ、ヴィッセル神戸とサンフレッチェ広島が対戦した。

　現在神戸は勝ち点「26」を積み上げ、2位の横浜F・マリノスに勝ち点差「2」をつけて首位を走っている。一方の広島も1試合未消化ながら勝ち点は「23」を獲得。この試合に勝てば神戸と勝ち点で並ぶことができる。今季の優勝争いの行方を大きく左右する、注目の“上位対決”だ。

　神戸は今季ここまで9ゴールを挙げて得点ランキングのトップを走っている大迫勇也を筆頭に、山口蛍や齊藤未月らが先発に並んだ。前節の横浜FC戦で試合終盤に負傷した酒井高徳は欠場となり、代わって初瀬亮が右サイドバックを務める。初瀬が入っていた左サイドバックには本多勇喜が起用された。対する広島は佐々木翔、森島司、ナッシム・ベン・カリファらがスタメン入り。前節は出場停止だった“スーパーサブ”のドウグラス・ヴィエイラがベンチに戻ってきた一方、満田誠は負傷による長期離脱を強いられているため不在となる。

　試合はキックオフ直後の1分、広島に決定機が到来。最後尾でボールを受けたGK大迫敬介が前線へロングフィードを送ると、バウンドしたボールをベン・カリファが頭でスペースへ繋ぐ。飛び出してきた川村拓夢がこのボールを引き取ると、ペナルティエリア左に侵入して左足フィニッシュに持ち込んだが、ここはGK前川黛也が立ちはだかった。

　その後は両者拮抗しつつも、ホームチームがボールを握る時間が続く。神戸は20分にセットプレーから決定機を演出。左コーナーキックを初瀬が左足で放り込むと、ボックス中央でマークを剥がした佐々木大樹が頭で狙うが、ヘディングシュートはGKの正面へ。前半アディショナルタイムには前線で浮き球のボールを収めた大迫勇也がダイレクトでスペースへ繋ぐと、抜け出した汰木康也がマイナスへ折り返し、ペナルティエリア内で粘った武藤嘉紀がマイナス方向へ落とす。最後は佐々木大樹が左足で狙ったが、わずかに枠を外れた。前半はこのままスコアレスで終了している。

　後半に入ると立ち上がりに試合が動く。47分、自陣でのボール奪取から神戸がカウンターへ。汰木がスペースへ送ったボールを左サイドで収めた佐々木大樹が中央へ繋ぐと、引いた位置でパスを受けた大迫勇也が時間をかけずに右へ展開。待っていた武藤がダイレクトでグラウンダーのボールを通すと、これが相手のオウンゴールを誘発する。山口の懸命なランニングがゴールを呼び込み、広島神戸が先手を取った。

　広島は60分、D・ヴィエイラと中野就斗を投入。すると直後の62分にこの2名が絡んでチャンスを作る。敵陣でのボール奪取から中野が右サイドのスペースを前進。右足でのクロスボールはニアサイドで相手に触られたものの、ファーサイドへ流れたボールを東俊希が落とす。待っていたD・ヴィエイラが右足で狙ったが、シュートは神戸守備陣のブロックに阻まれた。

　直後のプレーでは神戸がゴールに迫る。敵陣で佐々木翔のボールを狙っていた武藤が奪うと、斜めの方向へ走った佐々木大樹へ預ける。時間をかけずにボールが汰木に渡ると、相手を剥がして右足フィニッシュを狙った。ここは惜しくも左ポストの横へと外れている。

　神戸の1点リードで後半アディショナルタイムに突入すると、ホームチームの勝利を決定付ける待望の瞬間が訪れる。自陣右サイドでのスローインから武藤がバックヘッドで逸らすと、大迫勇也がボールをキープ。巧みなポストプレーからスペースへ走った武藤にボールが渡ると、ペナルティエリア手前まで持ち運び、寄せてきた相手を切り返しでかわす。最後は右足で狙い澄ました一撃を叩き込み、土壇場で追加点を挙げた。

　試合はこのままタイムアップ。激闘となった“上位対決”を制した神戸が勝ち点「3」を積み上げ、2連勝で首位をキープした。一方の広島は3連勝とはならず、3試合ぶりの黒星となっている。

　次節は20日に行われ、神戸は敵地で柏レイソルと、広島も敵地で名古屋グランパスと対戦する。

【スコア】
ヴィッセル神戸　2－0　サンフレッチェ広島

【得点者】
1－0　47分　荒木隼人（OG／ヴィッセル神戸）
2－0　90＋5分　武藤嘉紀（ヴィッセル神戸）