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レオ・セアラ、古巣相手に「待ちわびた」C大阪での初ゴール…“夏男”が得点量産体制へ

2023.04.02

古巣の横浜FM戦で待望のC大阪初ゴールを決めたレオ・セアラ [写真]=J.LEAGUE via Getty Images

 明治安田生命J1リーグ第6節が4月1日に行われ、セレッソ大阪横浜F・マリノスを2-1で下した。

 この試合では、今季よりC大阪に加わった頼れるストライカーに待望の加入後初ゴールが生まれた。偶然か、それとも必然か、古巣の横浜FM相手にだ。「2年間を過ごしたので、マリノスが素晴らしいサッカーをすることは知っています。難しい試合になるとは思っていました」という言葉通り、序盤から横浜FMにボールを握られる展開に。それでも、ここで大仕事をやってのけたのが背番号9を着用するストライカーだった。16分、山中亮輔の蹴った左コーナーキックからヘディングシュートを放つと、これが相手DFに当たってゴールイン。さらに35分には敵陣でのボールキープから右の奥埜博亮へ繋ぐと、そのままペナルティエリア内に走り込み、奥埜からの折り返しを頭で押し込んだ。「セレッソにも素晴らしい選手が揃っています。僕らが強いチームであることを示すことができました」と勝利を喜んだレオ・セアラは、2得点の活躍でC大阪に今季J1での2勝目をもたらしたが、ここまでの道は決して平坦ではなかった。


 2021シーズン、22シーズンは横浜FMで過ごし、2シーズン連続の2桁得点を記録していたレオ・セアラ。昨シーズンは横浜FMでJ1制覇を経験していたものの、アンデルソン・ロペスに代わって途中出場する試合も少なくはなく、オフには新天地を求める決断を下す。ゴール前で決定的な仕事を果たせるストライカーを探していたC大阪にとって、レオ・セアラは打って付けの存在だ。大きな期待とともに、“桜の戦士”に仲間入りを果たした。

 だが、即戦力として迎え入れられながらも、開幕から無得点の日々が続いた。第3節の浦和レッズ戦では65分にゴールネットを揺らしたものの、オフサイドの判定で得点は取り消しに。浦和戦では終盤の失点で1-2と黒星を喫し、開幕3戦を終えた段階でチームは未勝利となっていた。自身も悩んでいたのだろう。「得点できなかった時は、どのように練習に取り組むべきなのか、自分に問いかけていました」と当時を振り返っている。

 それでも、小菊昭雄監督は真摯にトレーニングに取り組むレオ・セアラの姿をしっかりと見ていた。前述の浦和戦後は途中出場が続く中、3月26日に行われたJリーグYBCルヴァンカップのガンバ大阪戦で公式戦4試合ぶりのスタメン起用。およそ1週間後のリーグ戦でも先発の11名にチョイスした。「私は準備がすべてだと思っています」。横浜FM戦後の会見でそう話した小菊監督は「レオは少し先発から外れた時期もありましたが、どんな時も良い準備をして、日々取り組んでくれています。この間のダービーもそうですし、練習の中でも常に良いパフォーマンスを発揮してくれていました」と練習に臨む姿勢を評価。「あとはタイミングだけだと思っていました」という言葉の通り、“確信”を持ってレオ・セアラを11名に選んでいた。

 こうして迎えた今節、レオ・セアラは小菊監督の期待に結果で応えて見せた。「自分も得点したくてたまらなかったので、こうして得点できて嬉しいです。そのためにずっと準備をしており、この時が来るのを待っていました」。喜びを露わにしたストライカーは1点目のシーンについて「運が良かったのかなと思っています」と語ったが、2点目に話が及ぶと、「1人かわした時にオク(奥埜)がフリーでした。パスを出して中に走ったら、オクが素晴らしいクロスをくれました」とチームメイトへの感謝を口にしている。

 試合後に感謝を伝えたのはチームメイトだけではない。なかなかゴールを挙げられず苦しい時期を過ごしていた時、支えてくれた家族は今日もスタジアムに駆け付けていた。「今日は妻と娘が来たのですが、ブラジルで応援してくれている家族もいます。みんなが応援してくれている中でゴールを決め、何よりもチームの勝利に貢献できたことが嬉しいです」と漏らし、勝利を喜んだ。

 小菊監督が「彼がゴールを決めてくれたこと、勝利に導いてくれたことは私自身も嬉しく思いますし、チームにとっても大きなゴールでした」と語ったように、レオ・セアラ本人だけでなく、C大阪の選手やスタッフ、そしてファン・サポーターにとっても待望の初ゴールだ。「ゴールを決めることは自分の強みです。初得点がいつになるのか。自分も待ちわびていました。こうして得点を決められて自信になります」と心境を明かした背番号9は「これからもたくさんのゴールを決めたい」と力強く語った。

 横浜FM時代は暖かい時期のゴールが多く、“夏男”としても知られていた。「常にゴールを決めるための準備はしていますが」と前置きしつつ、「確かにこの2年間は季節の変わり目で、夏になった時にゴールを決めている印象はあると思います。今日も暖かかったです。自分はいつゴールを決めてもおかしくないと思っていますが、みなさんがそう思ってくれるのであれば、『夏に強い男』という形でもありがたいです」と笑顔を見せる。C大阪での本領発揮へ。大阪では徐々に気温も上がり、頼れるストライカーが得点量産体制に突入する。

取材・文=榊原拓海

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