FOLLOW US

【インタビュー】「心技体全てが揃う」 宮市亮、“新たな相棒”とともに再びピッチへ!

2023.03.06

 2022年7月、宮市亮は優勝を懸けたE-1選手権の日韓戦で、またも悲運に見舞われた。キャリア通算3度目の前十字靱帯断裂。全治8カ月と発表された。

「ケガというのは、とにかく辛いです。本当に苦しいし、悔しい。でも、それを受け入れて前を向き、次に進めるかが非常に大事だと思っています」。当時は「引退も考えた」というが、懸命なリハビリを経て、再びピッチに立つ瞬間が迫ってきている。宮市が口にしたのは、ファン・サポーター、チームメイト、これまでのキャリアに携わった全て人々への感謝の思い。そして、ともにリハビリを歩んできた“新たな相棒”の存在を明かしてくれた。


取材・文=舩木渉

――宮市選手が右ひざ前十字靭帯を断裂したのは、日本代表として韓国代表戦に出場していた2022年7月27日でした。半年以上が経っても、あの瞬間の衝撃が忘れられません。
宮市 受傷した瞬間は、絶望感だったり悔しさだったり、ネガティブな感情がたくさんありました。ですが、それ以上にファン・サポーターの皆さん、チームメイト、そして僕に関わっているすべての方々が支えてくれたおかげで、今こうして復帰に向かって前に進めています。支えてくれた方々への恩返しを形で示すには、完全な状態でピッチに戻るのがベストだと思っているので、復帰が楽しみです。「絶対に強くなって戻りたい!」という強い気持ちでリハビリに取り組んでいます。

――今回のケガを受けて「引退も考えた」とおっしゃっていました。ただ、受傷直後の7月30日にホームで行われた鹿島アントラーズ戦(2対0で勝利)のことを思い出すと、「引退しなくて良かった」と感じたのではないでしょうか。
宮市 鹿島戦は、僕のキャリアの中で一生忘れることのない試合になりました。F・マリノスのみんながしてくれたこと、そしてファン・サポーターの皆さんが見せてくれたものによって、折れかけていた心がつながって前向きにリハビリに取り組めているので、本当に感謝しています。ケガというのは、とにかく辛いです。本当に苦しいし、悔しい。でも、それを受け入れて前を向き、次に進めるかが非常に大事だと思っています。僕は幸いにもたくさんの方々に支えられて、また前を向くことができました。鹿島戦では後押ししてくれる皆さんの力の大きさを肌で感じることができました。

――最終節のヴィッセル神戸戦でリーグ優勝が決まり、シャーレを掲げました。チームのタイトル獲得はリハビリの励みになったのではないでしょうか。
宮市 僕がリハビリしている間、チームメイトのみんなは練習から真剣に優勝に向かって頑張っていましたし、そういう姿を見て、自分も手を抜けないなと感じていました。ケガをしてしまい、ピッチ上で優勝に貢献することはできなくなってしまいましたけど、何とかチームの力になりたいという一心で、僕もいろいろなことに取り組んできたつもりです。なので、昨季は最後に優勝できて本当に良かったです。

――リハビリではザムストのヒザサポーターを使われていたそうですね。どのような形で出会い、使い始めることになったのか教えてください。
宮市 前十字靭帯を手術した後は、ちょっとしたことにも常に不安が付きまといます。例えば、歩くことさえもひざに不安定さを感じるので、「何かの拍子に再断裂してしまうのではないか……」と一歩を踏み出すだけでもすごく神経を使うんです。階段を降りる時や松葉杖が取れて歩き始める時も、ちょっとしたことがあると不安になります。そんな中、ザムストからケガをした後に「使ってみませんか?」とお話をいただきました。術後に『ZK-PROTECT』を着用してみると、ひざがしっかりと安定して、不安なく日常を過ごすことができるようになりました。「これを着けていれば大丈夫!」という安心感をもたらしてくれる、新たな相棒ができた感じがします。

――サポーターはひざの動きを制限するものだと思いますが、前十字靭帯を断裂してしまった場合、具体的にどのような動きを抑制しなければならないのでしょうか。
宮市 前十字靭帯を断裂する時は、下腿部が前に出てしまったり、ひざが内側に入ってしまったりすることが多いんです。韓国代表戦で僕がケガをした時は、右ひざが完全に内側に入ってしまって、前十字靭帯を断裂しました。『ZK-PROTECT』や『ZK-MOTION』は、そうした大ケガの原因になる下腿部の前方へのグラつきや左右のブレ、ねじれを抑制してくれる製品です。もちろんリハビリの過程でサポーターに頼らなくてもいいようにひざの可動域を広げたり、筋肉をつけたりといったトレーニングに取り組みますが、それでも再断裂の不安が全くなくなるわけではありません。ザムストのサポーターはその不安を補い、安心感に変えてくれて、ピッチに立つための最後のひと押しになってくれる製品だと思います。

――2015年に左ひざの前十字靭帯、2017年には右ひざの前十字靭帯を断裂しました。当時使っていたサポーターとの違いや、ザムストの製品だからこその良さを感じる部分はありますか?
宮市 過去2回のケガで着けていたのはひざをガチガチに固定するような医療用のサポーターで、リハビリやピッチ上でのプレーには使っていませんでした。正直、過去2回のケガから復帰したての頃は少し不安が残ったままでしたけど、ザムストのサポーターはプレー中も着けられるので、そうした不安を取り除いてくれると思います。これまで僕はそういったサポーターを知らなかったですし、プレーするにあたっての不安はリハビリでトレーニングを何十回、何百回、何千回と繰り返すことでどうにかしてきました。なので、このサポーターが復帰に向けたリハビリを加速させ、安心を与えてくれるとなると、プラスな要素しかなかったですね。「これを着用していれば絶対に再断裂の心配はないんだ」と思えるのはプレーするうえで非常に大事ですし、前向きなメンタリティによって防げるケガもあります。技術的な面でもメンタル的な面でもサポートしてくれる製品だと思うので、『ZK-PROTECT』や『ZK-MOTION』を着けることで“心技体”全てが揃う感覚があります。

――ひざの形状ににフィットするパテラパットや、左右のブレを抑制しながら曲げ伸ばしを支えてくれるひざ側面のファンクショナルステー、自分の足に合わせて細かく調整できるストラップの構造を拝見したら、ヒザサポーターのイメージが変わりました。
宮市 フィット感は抜群です。汗をかきやすいひざの裏はメッシュ素材になっていて、通気性が良くなっています。ひざに不安のある時期はサポート力の高い『ZK-PROTECT』を、もっと動きやすさを求める時は、より伸縮性の高い『ZK-MOTION』をオススメしたいです。僕も状況によって2種類を使い分けています。前十字靭帯のケガで苦しんでいて「どの製品を選んだらいいんだろう?」と困っている方は、どんな競技をやっているかに関わらず、ぜひザムストの製品を使ってみてほしいと思います。

――『ZK-MOTION』の使用感はいかがですか?
宮市 競技に復帰していく段階では『ZK-MOTION』の方が動きやすいと思います。その中でも安定感はすごく高いです。試合でも使えるのもありがたい。アスリートとして最高のパフォーマンスを発揮するにあたって、ピッチ上での不安を取り除いてくれる存在です。

――ケガをしてからのケアのみならず、ケガを予防するためのツールとしても活用できそうですね。
宮市 ケガをする前からサポーターを着けて、ひざに関してのストレスを取り除いてプレーすることは非常に大事です。ケガをしてしまった方でも、リハビリの段階で『ZK-PROTECT』や『ZK-MOTION』のようなサポーターがあることによって復帰しやすくなると思うので、ぜひ手に取ってみてほしいです。

――ケガをしてしまうのは決していいことではないですし、失うものや弊害、その後の影響は大きいのは間違いありません。一方で、もしかしたらケガをしても得られるもの、あるいは何度も大ケガを経験してきた宮市選手だからこそ見えているものもあるのではないかと思います。
宮市 深いですね(笑)。プロサッカー選手として万全な状態でプレーし、ピッチ上で結果を出すことが何より大事だと思いますが、その中で予期せぬケガはある。そして、もちろんケガによって失うものは本当に大きいです。ただ、ケガをしてピッチから離れることによって、気づきもありました。僕がプロアスリートとして今でも現役を続けられているのは、ファン・サポーターの方々の応援があって、自分を支えてくれる人が本当にたくさんいるおかげだということです。健康体で順調にいくと、そういうところは見逃しがちになってしまい「自分が健康でサッカーができるのは当たり前」と感じることもあると思うんです。けれど、やっぱり「当たり前」というのは存在しない。サッカー選手は無限ではなく有限なので、そのキャリアの中でいかに小さいことにも気づいて、感謝しながらプレーできるか。もちろんケガをする前のプレーから学んだことはありましたけど、様々な気づきを得ながらキャリアを築いてこられたのは、苦しい時に人の優しさに触れた経験があったからだと思います。もちろん「ケガをして良かった」ということはないですけど、これまでの経験を通して、プロサッカー選手としてたくさんの人の想いを背負ってプレーさせていただいているんだと心の底から感じています。

――宮市選手と同じようにひざのケガで苦しむプレーヤーに向けてエールをお願いします。
宮市 ケガというのは苦しいことでいっぱいだと思いますけど、努力が報われる時が絶対にきます。ケガをすると苦しいことがたくさんあって、自分一人で前を向くのはすごく難しいと思います。ネガティブになりそうな時は、周りの人に頼るのも大事です。僕も大きな苦しみや悲しさを感じましたけど、周りの人のおかげでまた立ち直ることができました。時間がかかってもいいので、日々を大事にして、人を頼って、力を借りて、前を向いて、一緒に頑張っていきましょう!

――復帰の時が近づいています。宮市選手の元気な姿を心待ちにしていたファン・サポーターの皆さんへのメッセージもいただければと思います。
宮市 正直、引退を考えた瞬間もありましたけど、こうして現役を続けることができているのは周りの支えがあったからです。F・マリノスのチームメイト、ファン・サポーターをはじめとしたたくさんの方々が支えてくれて、またピッチに立つことができます。心からの感謝を伝えたいと思います。新たな相棒もいますので、復帰するだけでなく最高のパフォーマンスをお見せできるように頑張っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします!

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

SOCCERKING VIDEO