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【BEYOND カタールW杯】ベスト8の夢へ再スタート! 2023年のJリーグに臨む代表戦士たち

2023.02.17

[写真]=Getty Images

 Jリーグ開幕から30周年の節目となる2023年シーズンがいよいよ幕を開ける。香川真司(セレッソ大阪)や井手口陽介(アビスパ福岡)など元日本代表の国内復帰、パリ五輪世代の台頭など注目すべき点は少なくないが、やはり気になるのははFIFAワールドカップに参戦した国内組の面々だろう。3月24日・28日には第2次森保ジャパンの初陣となる2連戦も控えるだけに、彼らは鼻息が荒いはず。その5人に改めてフォーカスしてみた。

文=元川悦子
写真=Getty Images

GK 権田修一

[写真]=Getty Images


生年月日:1989年3月3日(33歳)
身長・体重:187cm・84kg
出身地:東京都
所属クラブ:清水エスパルス

「2026年北中米W杯までに個人としてやるべきなのは、もっと止められるGKになること。カタールW杯ではドイツには勝ったかもしれないけど、ノイヤーの方が自分より落ち着いていた。最初から最後まで安定したプレーができるように、日常から高いレベルでプレーすることがより重要」と昨年末に語気を強めていた権田修一。今シーズンは2011年以来のJ2参戦で本人にとっては難しい環境と言えるが、圧倒的な存在感を示し、清水を1年でのJ1復帰へと導くことが何よりも重要だ。森保一監督も「J2所属選手は代表招集が難しい」と顔を曇らせており、彼が逆境を打破するには、見る者の全てを納得させるパフォーマンを発揮するしかない。常に高みを目指す続けてきた権田なら、自身が何をすべきかよく分かっているはず。3年半後に再び世界舞台に立つためにも、「2部でも劇的な進化を遂げられる」という確固たる事実を証明してほしい。

開幕戦情報
2月18日(土)14時キックオフ
vs水戸ホーリーホック @IAIスタジアム日本平
DAZNでライブ配信

DF 長友佑都

[写真]=Getty Images

生年月日:1986年9月12日(36歳)
身長・体重:170cm・68kg
出身地:愛媛県
所属クラブ:FC東京

カタールW杯では金髪から赤髪へのチェンジで見る者を驚かせ、常に大声を出してチームを盛り上げ続けた36歳の左サイドバック。彼の言う「ブラボー!」は流行語にもなった。「人生の全てを注いできた」という4度目W杯が終わり、一時は現役引退も考えたが、「まだまだ体が動くし、プレーしたい」とFC東京と契約を延長。37歳になる今シーズンこそ悲願のJ1タイトル獲得の原動力になる構えだ。とはいえ、今シーズンのFC東京のサイドバックには中村帆高やバングナーガンデ佳史扶、徳元悠平などがひしめくだけに、大ベテランと言えども定位置が保証されているわけではない。だが、そういった逆境こそが長友の真価の見せどころ。代表でも「批判されればされるほどエネルギーが湧いてくるし、成長できる」と言い続け、実際に結果を出してきた。類まれなメンタルモンスターが若手にもたらす影響は非常に大きい。今年生まれる予定の第4子のためにもパパは結果を出すしかない。

開幕戦情報
2月18日(土)14時キックオフ
vs浦和レッズ @味の素スタジアム
DAZNでライブ配信

DF 酒井宏樹

[写真]=Getty Images

生年月日:1990年4月12日(32歳)
身長・体重:185cm・78kg
出身地:長野県
所属クラブ:浦和レッズ

自身3度目のW杯となったカタール大会はドイツ戦の負傷が響き、ラストのクロアチア戦で後半途中に復帰するにとどまった。本人も「出場時間を伸ばすことで貢献できなかった申し訳なさがある」と残念そうに語っていた。しかも敗退の瞬間をピッチ上で味わうことになり、「4年前のベルギー戦は2−0から逆転されて、ただただ強い相手にひっくり返されるのを見ていただけ。でも今回は内容も違った。掴み取れなかった分、悔しいですね」と複雑な胸中を吐露した。次はこの経験をJリーグの舞台で還元するしかない。「浦和にいて4年後を目指すのなら、かなりの覚悟と要求が必要になってくる。常にタイトル争いをしないとダメだし、責任を持って取り組まないといけない」と目をギラつかせる。酒井が体感してきた世界基準を植え付けられれば、スコルジャ新監督体制1年目の浦和は確実に変化する。今シーズンは彼自身にとって勝負のシーズンになるはずだ。

開幕戦情報
2月18日(土)14時キックオフ
vsFC東京 @味の素スタジアム
DAZNでライブ配信

DF 山根視来

[写真]=Getty Images

生年月日:1993年12月22日(29歳)
身長・体重:178cm・72kg
出身地:神奈川県
所属クラブ:川崎フロンターレ

カタールW杯ではコスタリカ戦1試合のみの出場にとどまり、「悔しいです」と率直な感想を口にした山根視来。2021年3月の韓国戦で初キャップを飾って以来、「自分はまだ足りない。このままでは大舞台でいいプレーが出せない」という焦燥感を抱き続け、満足したことはほとんどなかったという。カタールを経験してそういった感情はより高まったはず。「相手が日本人じゃないので、スピードもパワーも全て異なる中でのプレーが求められる。代表の最初の頃に比べると少しは慣れてきたけど、ワンプレーの重みは全然違う。Jリーグでもそれを極限まで意識してやらないといけない」と強調。新たな意気込みを持って今シーズンに挑むつもりだ。同じW杯戦士の谷口彰悟が移籍した今、川崎をリードすべき存在になるのは間違いない。過去2シーズンよりも統率力や発信力を高め、タイトル奪還の急先鋒になること。それが山根に託された命題である。

開幕戦情報
2月17日(金)19時キックオフ
vs横浜F・マリノス @等々力陸上競技場
DAZNでライブ配信

FW 町野修斗

[写真]=Getty Images

生年月日:1999年9月30日(23歳)
身長・体重:185cm・80kg
出身地:三重県
所属クラブ:湘南ベルマーレ

追加招集されたカタールW杯では残念ながら出番なし。それでも「対人も相当すごかったし、スピード感も全然違った。攻守の切り替えも縦の速さもありましたし、隙があればどんどんゴールに迫っていくスピード感というのはJリーグと全く違う」と世界基準を目の当たりにして、大いなる飛躍を誓った。そして今シーズンは「チームの5位以内」と「J1得点王」の2つを目標に掲げ、開幕から一気にスパートをかけていく覚悟だ。「Jリーグでは簡単にボールを失ってはいけない。国内でやる時はポストプレーで失う回数をゼロに近づけたい。以前はペナルティエリアで多少止まってしまうシーンもあったので、動き出しや中に入るスピードも改善できると思います」と本人はFWとしての存在感を高めようとトライを続けている。それが奏功し、結果が出れば、代表定着はもちろんのこと、エースFWにも手が届くかもしれない。今シーズンはこの男から目が離せない。

開幕戦情報
2月18日(土)15時キックオフ
vsサガン鳥栖 @駅前不動産スタジアム
DAZNでライブ配信

By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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