バンディエラ――。イタリア語で「旗頭」を意味するこの言葉は、フットボールの世界では長く一つのクラブに在籍する選手を指す。クラブ愛を貫く、“象徴”とも言うべき存在だ。中村憲剛は、まごうことなき川崎フロンターレのバンディエラである。
2003年3月15日、当時J2に所属していた川崎フロンターレで、中村はプロとしての第一歩を踏み出した。それから17年9カ月。Jリーグ通算546試合に出場した中村のフットボーラーとしての記憶は、常に川崎フロンターレとともにあった。
あと一歩のところでタイトルに届かない日々。悲願の初タイトルに手が届いた瞬間。日本代表への思い。恩師との出会い。ケガとの戦い。そして、スパイクを脱ぐという決意。川崎フロンターレを愛し、川崎フロンターレに関わるすべての人に愛されたバンディエラ中村憲剛のキャリアを、本人への取材をもとに漫画化。「めちゃコミック」が独占配信している。
「めちゃコミック」で『バンディエラ ~中村憲剛物語~』を読む
<各話のあらすじ>
■第1話 川崎のバンディエラ
時は2017年、川崎フロンターレはルヴァンカップ決勝でセレッソ大阪に敗れ、中村憲剛は失意の中にいた。リーグ戦は残すところ3戦。川崎は首位鹿島アントラーズと勝ち点2差の状況で最終節を迎える。
■第2話 勝負の行方
J1最終節、川崎は大宮アルディージャを圧倒する。試合終了のホイッスルが吹かれ、鹿島の結果によって川崎はJ1初優勝を果たす。中村は、長年待ち焦がれた景色を目にする。
■第3話 海外か日本か
時はさかのぼり、2010年。南アフリカ・ワールドカップを不完全燃焼で終えた中村は、次なるブラジル大会に照準を定めていた。自身の成長を求め、海外に活躍の舞台を移すか、川崎に残るか。中村の心は揺れていた。
■第4話 予兆
「川崎にタイトルを」との思いで残留を決意した中村。その一方でチームは長く暗いトンネルに入っていく。しかし、思い悩む中村にとって、そしてチームにとって転機となる新監督がチームに加わる。
■第5話 新時代
2013年、新監督の体制2年目を迎えた川崎には日本代表ストライカー、大久保嘉人が加わる。新たなホットラインの形成もあり、チームは躍進。そしてブラジルW杯本大会メンバーの発表を迎える。
■第6話 道
W杯を画面越しに見守った中村は、気持ちを切り替え川崎に意識を集中する。現役を退いた盟友と過ごす時間の中で、自身のキャリア終着点について思いを馳せる。その後、悲願のタイトルを手にし、39歳を迎えた中村を悲劇が襲う。
■第7話 俺の家
前十字靭帯損傷により手術を受けた中村は、家族に支えられながら復帰に向けてリハビリに励む。そして、301日ぶりにピッチに戻ると、復帰戦で結果を残す。復活を印象づけた中村はしかし、“その時”に向かって歩みを進み始める。
■第8話 川崎を愛した男
監督に“決意”を告げた中村の胸中には、様々な思いが去来する。迎えた現役ラストマッチ。試合終了後、中村は天を仰ぎ、その時間を噛みしめる。
By サッカーキング編集部
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