[写真]=兼子愼一郎、宮地輝
■柏レイソル
【プラス材料】
開幕3試合を終えて2勝1敗という成績は悪い結果ではない。敗れた前節の鹿島アントラーズ戦も、前半終了間際と後半立ち上がりの決定機を決めていれば違う結果になった可能性も高い。
また、ビハインドを背負った後も、単調な攻撃に終始してなす術なく敗れた昨季とは異なり、新戦力のMF中村慶太とMF小屋松知哉にボールを引き出すアクションが見られた。チームとして彼らの動きを有効活用するという課題はあるが、少なくとも昨季との比較では改善の兆しが見えている。
【マイナス材料】
開幕2連勝中もネルシーニョ監督は攻撃面の課題を指摘しており、前節の敗戦は昨季から抱える決定力不足という課題が再燃した結果だった。さらにFW細谷真大が鹿島戦の負傷で今週のU-21日本代表候補合宿を辞退しており、今節の出場も五分五分だ。
昨季は連勝しても、ひとつ負けると一気に崩れる傾向にあった。開幕からの連勝が止まった前節の敗戦は、今季のチームにどのような影響を与えるのか。はい上がるか、下位に沈むか。早くもその岐路に立たされている。
文:鈴木潤
■アビスパ福岡
【プラス材料】
前節は北海道コンサドーレ札幌に合わせて「3-4-3」を採用。スコアレスドローに終わったものの、「相手の良さは消すことができた」と長谷部茂利監督。対戦相手や時間帯によって「4-4-2」や「3-4-3」を使い分ける戦術は昨季も実践しており、その守備のオーガナイズには自信を持っているだろう。
柏レイソルでキャリアをスタートしたDF湯澤聖人は「特別な思いがあるチーム。試合に出て成長したところを見せたい」と意気込む。流通経済大学時代の同期、MF中村慶太との対戦を楽しみにしている。
【マイナス材料】
リーグ戦3試合ドローで、無得点が2試合続く。今季はビルドアップにチームとしてのチャレンジが見られ、決定機は作っているが、ゴールに結びついていない状況だ。
昨季J2得点王のFWルキアンもここまで無得点。しかし「3~4点取れていたと思うが、運が足りなかった。自信を失わずに良いプレーを続けていれば、ゴールは近いと思う」とルキアン。長谷部監督も「まず1点決めてほしい」と期待を込めており、ルキアンの得点でチーム状況が好転する気配はある。
文:新甫條利子