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広島スキッベ監督の初陣、主将DF佐々木翔が同点弾「チーム救えて良かった」

2022.03.07

神戸戦で同点ゴールを決めた佐々木(左)とアシストの野津田(右) [写真]=J.LEAGUE

 新指揮官の“初陣”で、キャプテンがチームを救った。サンフレッチェ広島は6日、明治安田生命J1リーグ第3節でヴィッセル神戸と対戦。前半に先制を許したが、試合終盤にDF佐々木翔が同点ゴールを挙げ、ドローに持ち込んだ。

 ミヒャエル・スキッベ新監督が待望の初戦を迎えた。今季から広島を率いるドイツ人指揮官は、新型コロナウイルスの水際対策の影響で来日が遅れていたが、試合前日の5日にチーム合流を果たし、ホームでの神戸戦で初采配を振るった。「今ここにいられることがすごく嬉しい。選手やスタッフと一緒に働けること、今までオンラインで『待ち遠しい、待ち遠しい』と言っていたことがついに実現して、すごく嬉しいです」と試合後には笑みをこぼしていた。


 試合の立ち上がりは「私たちがイメージしたようなサッカー」と指揮官が言うように、チームは前からアグレッシブな戦いを見せた。だが、徐々に神戸に対応されて主導権を譲ると、広島はGK林卓人の好セーブなどでピンチをしのいでいたが、28分についに失点。前線からのプレスをロングボールでかわされ、そのまま守備を崩されて最後はMFアンドレス・イニエスタに先制点を許した。

 1点ビハインドで迎えた後半は、「後方からしっかりパスをつなげていこう」という監督の指示を受け、チームが巻き返しを図る。65分にはMF柴﨑晃誠やFW満田誠を投入して攻勢を強めるが、最後の精度を欠き、決定的なシーンを作れないまま時間が進む。それでも、試合終盤にセットプレーから待望の同点ゴールが生まれた。

 82分、右サイドでのFKでMF野津田岳人が左足でゴール前にボールを送る。「セットプレーのチャンスがあった中で決められてなかったので、必ずセットプレーからゴールを演出したいと思っていました。気持ちを込めて蹴って、感触的にいいボールがいきました」

 その正確なクロスを、キャプテンの佐々木が豪快なヘディングで叩き込んだ。「本当にいいボールが来たので、まずはキッカーに感謝しています。自分の狙い通りのポジションでボールに触れている時点で決めないといけない」

 キッカーの野津田は「翔くんがしっかり合わせて決めてくれたので、本当にありがたかったです。翔くんのヘディングの強さが本当にすごかった」とキャプテンの一撃を称え、得点した佐々木は、「あそこで(ゴールを)取れないと僕の魅力がないと思う。チームを救えて良かった」と話した。

 このゴールをきっかけに、広島が逆転を目指して猛攻を仕掛けた。一気にムードが高まり、観客の拍手にも力が込められたがゴールは遠く、試合は1-1のまま終了し、広島はリーグ戦開幕3試合連続のドローとなった。

 佐々木は試合後、「リーグ戦でまだ勝ち点3を奪えてないので、勝ちたかったし、非常に残念」と振り返り、「負けてないことはいいことだけど、3試合で勝ち点3しか取れていないので、それは真摯に受け止めたい。まずはチームとして勝ち点3を奪えるように、1週間いい準備ができたらいいなと思います」と次節に切り替えた。

 初采配を終えたスキッベ監督は、「1-1という結果には満足しています。神戸が得点を追加していたら大差で負けていた可能性もあった試合展開だった。得点をとった後に下がることなく、前に得点を奪いに行き、勝ちにいこうとした我々のチームを褒めたい」とチームを評価。「プレッシングやパスの精度を上げないといけない。FKに対する守備、特にCKでは神戸に苦しめられるシーンがたくさんあった。(攻撃面は)ウイングのところまではいけるけど、(ゴール前の)最後の仕留めるところをもっと改善しないといけない」と課題を挙げた。

 広島は今季開幕から2週間で5試合の連戦を終え、次節は12日にアウェイでFC東京と対戦する。野津田は「監督が来て新しい1週間がはじまるので、すごく楽しみ。強いチームを見せられるようにやっていきたい」と意気込み、佐々木は「次は是が非でも勝ち点3を持って帰りたい」と今季リーグ戦初勝利を誓った。

取材・文=湊昂大

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