白熱の“ACL出場クラブ対決”は劇的ドロー！　神戸は試合終了間際に槙野が“凱旋弾”

　23日、明治安田生命J1リーグ第9節が行われ、浦和レッズとヴィッセル神戸が対戦した。

　AFCチャンピオンズリーグ（ACL）との兼ね合いで、開幕節直後の23日に組まれたJ1第9節。開幕節で昇格組の京都サンガF.C.に0－1と完封負けを喫した浦和と、名古屋グランパスに0－2で敗れた神戸という、互いに何としても今シーズン初白星を挙げたいチーム同士の対戦となった。仮に開幕2連敗となった場合、浦和は14年ぶり、神戸は20年ぶりの出来事となる。

　浦和は、開幕節に続いてFWキャスパー・ユンカーが欠場。MF明本考浩をワントップに据えた4－2－3－1の布陣で試合に臨む。対する神戸は、コンディションの問題で開幕節を欠場したMFアンドレス・イニエスタがベンチ入り。また、浦和から加入したDF槙野智章がスターティングメンバーに名を連ね、同じく浦和から加わったMF汰木康也がベンチに入った。両選手は、昨シーズンまで本拠地としていた『埼玉スタジアム2002』に早速凱旋したことになる。神戸の基本布陣は4－4－2。

　前半6分、神戸FW大迫勇也がペナルティエリア内でMF松崎快と接触。一度はノーファウルの判定となったものの、オンフィールドレビューの結果から一転してファウルの判定となり、神戸にPKが与えられる。だが、PKのキッカーを務めたFW武藤嘉紀のキックは、浦和GK西川周作が好セーブで防いだ。しかし、直後の10分には、PKを外した武藤がペナルティエリア内でパスを受けると、角度のないところからループ気味のシュートを放ってゴールネットを揺らす。ホームで神戸に先制を許した浦和だったが、くじけずにすぐさま反撃。12分には、カウンター攻撃からMF松崎快が相手DFに寄せられながらもシュートを決めて、すぐさま同点に追いついた。

　試合はさらに動く。19分、左CKをDF馬渡和彰が蹴ると明本がそらし、MF柴戸海が頭で合わせて浦和が逆転に成功した。

　後半に入ると、試合の流れを変えるプレーが発生。58分、神戸DF小林友希との競り合いでエキサイトした明本が、小林を突き飛ばしたことでレッドカードを受け、一発退場となる。好プレーを披露していた明本を欠いた浦和に対し、神戸は数的有利な状況を活かして攻勢をかける。63分には“切り札”イニエスタを投入し、浦和を自陣に釘付けにした。そして、87分にはそのイニエスタが魅せる。ペナルティエリア手前左からファーサイドへ絶妙な浮き球パスを送ると、フリーになった槙野が頭で合わせる。元浦和戦士の槙野が決めた値千金弾によって、神戸が同点に追いついた。

　試合は2－2で終了。熱戦となった“ACL出場クラブ対決”は、両者勝ち点1ずつを分け合った。

【スコア】
浦和レッズ　2－2　ヴィッセル神戸

【得点者】
0－1　10分　武藤嘉紀（神戸）
1－1　12分　松崎快（浦和）
2－1　19分　柴戸海（浦和）
2－2　87分　槙野智章（神戸）