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2021年の世界最強クラブは?…Jクラブ最上位の川崎フロンターレは101位

2022.02.22

クラブチームの成績を元にした2021年の「世界クラブランキング」が発表された [写真]=金田慎平

 先月、『IFFHS(国際サッカー歴史統計連盟)』はクラブチームの成績を元に2021年の「世界クラブランキング」を発表した。

『IFFHS』は1991年から毎年のように世界中のクラブチームの成績を数値化して年間クラブランキングを作成している。例えばUEFAチャンピオンズリーグやコパ・リベルタドーレスは「1勝=14ポイント、1分け=7ポイント」、アジアチャンピオンズリーグは「1勝=9ポイント、1分け=4.5ポイント」といったように大会のレベルに合わせて獲得できるポイントが定められており、タイトル獲得によるボーナスポイントはなく、純粋に「勝敗」だけにポイントが付与される。


[写真]=Getty Images


 その2021年度版の世界ランクが発表になり、ブラジルの強豪パルメイラスが見事1位に輝いた。2021年のパルメイラスは、主軸のFWハファエウ・ヴェイガやFWホニの活躍もあって国内リーグのセリエAでは3位に留まるも、南米No.1を決めるコパ・リベルタドーレスの決勝でフラメンゴを退けてクラブ史上初の南米2連覇を達成。こうして、2020年度はバイエルンに次いで2位だったパルメイラスが、初めて“世界一”の称号を手にすることになったのだ。ブラジルのクラブが「IFFHS世界クラブランク」で1位になるのは初めてのことだという。

[写真]=Getty Images


 今回は2位にもブラジル勢のアトレチコ・ミネイロが入った。州選手権と全国選手権(国内リーグ)を制し、国内カップ戦のコパ・ド・ブラジルでも優勝。ただし、コパ・リベルタドーレスでは、優勝したパルメイラスに準決勝で敗れてベスト4で敗退。世界ランク1位のパルメイラス(322ポイント)と9ポイント差だったため、コパ・リベルタドーレスの準決勝で勝っていれば、恐らく1位に立ったのはアトレチコ・ミネイロだったはず。それでも2020年度の世界ランク「147位」から一気に「2位」まで浮上したのだから立派なものだ。

[写真]=Getty Images


 3位はイングランドのマンチェスター・シティ。2021年はプレミアリーグ優勝とEFLカップ制覇(4連覇)があったほか、チャンピオンズリーグでもクラブ史上初の決勝進出を果たした。ファイナルではチェルシーに敗れて“ビッグイアー”の獲得はならなかったが、全ての大会で極めて高い勝利数を誇り、300ポイントを稼いで3位となった。

 4位は、シティを退けて欧州No.1に輝いたチェルシーだ。2021年1月にフランク・ランパードからトーマス・トゥヘル体制に移行して以降、抜群の強さを発揮してチャンピオンズリーグを制覇。FA杯でも準優勝となったほか、今季のプレミアリーグでも前半戦は好成績を残していた。

 チェルシーと並んで同率4位は、ブラジルのフラメンゴ。彼らは国内リーグで2位になったほか、コパ・リベルタドーレスでは決勝でパルメイラスに敗れるも準優勝。そういった高いレベルの大会での好成績で4位に入った。

 こうしてランキングの上位には、UEFAチャンピオンズリーグやコパ・リベルタドーレスといった“高ポイント大会”で結果を残した世界的クラブが名を連ねたわけだが、6位には意外なクラブがランクインした。それがクロアチアの雄、ディナモ・ザグレブである!

[写真]=Getty Images


 ディナモ・ザグレブは、2021年に国内リーグと国内カップの二冠を達成。国内リーグの獲得ポイントは、プレミアリーグやブラジルリーグの「1勝=4ポイント」に対し、クロアチアリーグは「1勝=3ポイント」と少し低め。それでも彼らは、2021年に国内リーグで「28勝8分け5敗」という高い勝率を残してポイントを稼いだ。加えてヨーロッパリーグでも、16強でジョゼ・モウリーニョ率いるトッテナムを下してベスト8に入る快進撃を見せ、クロアチア勢として初めて世界ランクのトップ10に入った!

 7位は2020年の年間1位だったバイエルン。そして8位はレアル・マドリード、9位はアヤックス、10位はアトレチコ・パラナエンセとなった。

 アジア勢に目を向けると、アジア最高位は韓国の蔚山現代。Kリーグで2位になったほか、ACLではベスト4に入ってポイントを稼ぎ、イングランドのトッテナムやアルゼンチンのボカ・ジュニアーズと同じ159.5ポイントで「同率61位」となった。

[写真]=金田慎平


 アジア勢で2番目のハイスコアを誇ったのは、J1王者の川崎フロンターレだ。昨年のJ1では、38試合で勝率74%(28勝8分け2敗)という圧倒的な強さを見せつけた。ACLでも、ラウンド16で蔚山現代にPK戦の末に敗れたとはいえ、グループステージでは無傷の6戦全勝だった。国内外の大会で「計135ポイント」を稼ぎ、アジア勢としては全北現代モータースと並んで2番目に高い順位を記録。ただし、世界で見ると「同率101位」。それでも、2020年の「242位」から飛躍的なジャンプアップと言えるだろう。

 川崎以外に日本勢で世界トップ400に入ったのは、名古屋グランパス(161位)、セレッソ大阪(232位)、ガンバ大阪(389位)の3チーム。いずれも2021年のACLに参加したチームで、やはり付与ポイントの高い国際大会に出場しないと上位には入れないようだ。

 世界ランクのトップ100には34カ国のクラブがランクインしたことになる。欧州23カ国、南米6カ国、アフリカ4カ国、そしてアジアが韓国(蔚山現代)の1カ国だった。国別で見ると、最も多くのクラブをトップ100に輩出したのはブラジルで13クラブ。続いてイングランド、イタリア、スペインが7クラブずつで並んだ。

 1991年から続く世界ランクで、これまで1位に輝いた回数が最も多いのはバルセロナで5回。続いてレアル・マドリード(4)、リヴァプール(3)となっている。

 2021年は初めてブラジル勢に1位に戴冠した『IFFHSクラブワールドランキング』。今年はどのクラブが1位になるのか? そして日本勢は上位に食い込めるのか? 各クラブの成績に注目していきたい。

■2021年度IFFHSクラブワールドランキング
1位 パルメイラス (BRA) 322pts
2位 アトレチコ・ミネイロ (BRA) 313pts
3位 マンチェスターC (ENG) 300pts
4位 チェルシー (ENG) 289pts
4位 フラメンゴ (BRA) 289pts
6位 ディナモ・ザグレブ (CRO) 282pts
7位 バイエルン (GER) 271pts
8位 レアル・マドリード (ESP) 262pts
9位 アヤックス (NED) 261pts
10位 アトレチコ・パラナエンセ (BRA) 252pts
11位 パリサンジェルマン (FRA) 249pts
12位 ユヴェントス (ITA) 242pts
12位 マンチェスターU (ENG) 242pts
14位 ベンフィカ (POR) 241pts
15位 オリンピアコス (GRE) 238pts
16位 ビジャレアル (ESP) 237pts
17位 レッドスター (SRB) 236pts
18位 ローマ (ITA) 230.5pts
19位 レッドブル・ブラガンチーノ (BRA) 230pts
20位 アル・アハリ (EGY) 225.5pts

(記事/Footmedia)

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