[写真]=清原茂樹
■湘南ベルマーレ シーズン最多得点を奪った前節の流れを持続できるか
【プラス材料】
前節はセレッソ大阪とアウェイで対戦し、5-1で快勝した。熾烈な残留争いの中、7試合ぶりの勝利で15位に浮上し、J2降格圏内からも抜け出した。
先制点を奪ってもすぐに同点に追いつかれ、勝利に結びつけられない試合が多かった中、先制した後も着実に加点し、守ってはPKによる1失点に抑えて勝ちきった事実はポジティブだ。得点の内容も見逃せない。課題となっていたセットプレーのほか、ミドルシュートやカウンターなど多彩な形で今季最多得点をマークした。第25節の清水エスパルス戦から中3日、メンバーを入れ替えた中で勝ち点3を手にしたこともチーム力の底上げを感じさせる。
今節対戦する浦和レッズは通算対戦成績で黒星が先行しているものの、6月の前回対戦では3得点を挙げて勝利を収めた。
【マイナス材料】
ほぼ完勝と言えるC大阪戦にマイナス材料を探すことは難しい。ただ、シュート数は「9」対「18」と相手に圧倒された。倍のシュートを打たれながら流れの中で失点していないのは安定した守備力の証左でもあるが、決定機を増やす取り組みは変わらずに続けたい。
浦和との通算対戦成績は10勝6分24敗と大きく負け越し。ホームゲームでも5勝3分12敗と、地の利を生かせていない。また、両者の得失点の形を見比べた時、ショートパスからの得点が最も多い浦和に対して、湘南ベルマーレはショートパスからの失点が最も多く、留意すべきポイントと言えそうだ。
湘南は今季、一度も連勝を果たせていない。それもまた下位から抜け出せない要因のひとつだろう。C大阪戦の快勝を今節に生かせるか注目だ。
文:隈元大吾
■浦和レッズ 3バックへの対策は万全も、司令塔・江坂の負傷は気がかり
【プラス材料】
前節のサンフレッチェ広島戦は今季試合運びが安定しなかった対3バックの戦術として、4バックと5バックを状況に応じて切り替える守備が機能。ボール保持率こそ相手が高い展開になったものの、ゴール前への決定的な突破をほとんどさせなかった。
また、前半戦にキーマンと呼べる活躍をしていたMF小泉佳穂が途中出場で戦列復帰。左足にテーピングを巻く姿だったが、起用のメドがついたのは朗報だ。
湘南ベルマーレも3バックを基本にするチームであるため、広島戦の流れを踏襲すると予想される。運動量や判断力がかなり求められる左サイドハーフは広島戦ではMF関根貴大が務めたが、MF明本考浩にも同様の役割を期待できるだろう。他のポジションも含め、連戦のコンディションを見ながらの起用になりそうだ。
【マイナス材料】
天皇杯も含めて公式戦4連勝だが、そのすべてが1点差の際どいゲームで、相手チームのほうがボール保持率が高い展開を守りきった。夏場の連戦を加味すれば、先制点を生かした結果が出ていると前向きに捉えるべきだが、本来チームが目標としている「自分たちがボールを保持して主導権を握るサッカー」は実現できていない。
試合内容が伴わなければ、勝利の確率を高めることはできず、むしろ下がってしまうだろう。そうした意味で、真に連勝にふさわしいチームになっていけるか、内容どおりの不安定な成績に戻ってしまうか、の危ういラインにいると言える。
中断明けから好プレーを見せてきた新加入のMF江坂任が広島戦で負傷交代したのは不安材料のひとつ。同じく新加入のMF平野佑一やDF酒井宏樹も連続出場となっているだけに、コンディションがカギとなるだろう。
文:totoONE編集部