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2019年以来の3連敗…低調な名古屋、巻き返しの起爆剤として期待される選手とは?

横浜FMに敗れ、リーグ戦3連敗となった名古屋 [写真]=J.LEAGUE

 横浜の名を冠する違う相手に、同じ会場で同じ2-0のスコアで、名古屋は連敗を喫した。黒星が三つ連なるのは2019年以来のことで、フィッカデンティ監督体制下では初の3連敗である。そもそも連敗をしない手堅いチームであり、今季は勝点3の奪い方を覚えた印象も強まって“3”という数字がやけに大きく見える。どんな時でも強気の姿勢と選手たちへの信頼を崩さないイタリア人指揮官も、前節の負けと今節の敗戦にはダメージを受けているようで、試合後のコメントもトーンダウンした感じが否めなかった。それぐらい、今の名古屋は我慢の時期を迎えている。

 2位という順位だけでなく、監督交代を経ても強さとスタイルを維持する横浜FMという相手は強大である。名古屋とて試合前時点ではまだ5位と十分に上位を窺える位置につけていたが、チームとしての充実度においてはトリコロールの方が数段上を行く。試合と試合の間で、そして試合中にも数名を入れ替えながらクオリティを維持する手法はマスカット新監督にも正しく伝授されている模様で、「この短い期間での3試合において、選手たちの入り方、姿勢はファーストクラスだ」と絶賛だった。新加入の杉本健勇が先制点を決め、オリンピック帰りの前田大然のサイドから仕掛けてPKを獲得しての2-0というスコアは、他の決定機をマスカット監督の元チームメイトである名古屋のランゲラックの好守がなければもっと大味なものになっていたかもしれない。

 名古屋は空回りとまでは言えないまでも、狙った試合にできた割合は五分以下といったところ。横浜FMのビルドアップに狙いを定めた守備の形は成功率としては良くて5割。速さを生かした攻めを志向したが、その前の自分たちのビルドアップを遮断されることが前半に特に多く、自陣でのボールロストからピンチを招くことも多々あった。これまでの名古屋であればそういう苦しい展開、“相手のターン”にはペナルティエリアに城壁を築いてやり過ごすことも兵法のひとつとして多用していたが、なぜかこの試合を含めた昨今はそうした割り切りを見せることが減った。0-0をキープして決勝点を狙うサッカーは、もちろん13分で失点してしまったことを思えばシフトチェンジせざるを得ないのだが、その失点をどんな手を使ってでも防ぐのもまた名古屋のはずだった。6月から続く長い過密日程の影響は否めない。だが、それでもやれることはまだあるという気もしてくる低調ぶりだ。

 横浜FMが杉本という新戦力の開花をポジティブなニュースとして受け取る一方、名古屋にもわずかばかりの収穫はあった。7月20日に獲得が発表され、その後入国は確認されて隔離期間を過ごしていた現役ポーランド代表FWヤクブ・シュヴィルツォクが前触れもなくメンバー入り。実はこの日の朝に隔離期間が明け、そのままチームに合流してベンチ入りしたというサプライズ中のサプライズ起用だった。当初の予定では「10~15分」の出番が用意されていたが、スタメンの柿谷曜一朗が体調不良で65分に交代し、10分ほどの割増しかつドタバタの中でのJリーグデビューを果たしている。一度も練習したことのない初対面のチームメイトたちとのプレーはそれでもシュート2本と気を吐き、強靭なポストプレーでも実力の片鱗を見せている。待望の本職ストライカーの到着にフィッカデンティ監督は「試合の流れを変える、良い特徴を持っている、Jリーグの試合で十分に活躍しそうな選手」ともろ手を挙げての歓迎ぶり。巻き返しの起爆剤としての存在感に、周囲の期待は大きい。

 とはいえ3連敗で順位をまた一つ落とした名古屋はなかなかに難しい状況にある。まだ6位と悲観的な数字ではないが、勝てない流れにはとにかく早めの挽回が必要だ。その逆を行く横浜FMはマスカット新体制に自信を深める結果となり、川崎の追撃態勢を整えるリーグの一番手として数えてもいいパフォーマンスを見せた。3日前の三ツ沢では初の連勝に歓喜を爆発させた最下位とのコントラストが、そしてこの日は戦力とチーム力を見せつけた上位とのコントラストを名古屋が際立たせる結果となり、これは彼らにしてみれば屈辱的でもある。その反骨心、反抗心が次節のチームにどんな力を湧き起こすか。このままズルズル衰退していくような弱いグループではないことを、我々は今季序盤戦で極めて強く理解させられている。

文=今井雄一朗



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