[写真]=鈴木颯太朗、Photoraid
■ヴィッセル神戸 エース頼みの攻撃に不安あり。アタッカー陣の覚醒が待たれる
【プラス材料】
前節は横浜F・マリノスに敗れたものの、5位と好位置をキープ。インターバルの約1週間で修正時間があったことを考えると、プラス材料は多い。
特筆すべき点は2つ。まずは守備が安定していること。横浜FM戦では2失点したが、そのうち1点はオウンゴール。リーグ2位の得点力(12試合で25得点)を誇る横浜FMを相手に、実質1失点は好材料と捉えることもできるだろう。
また、攻撃面ではMFアンドレス・イニエスタの復帰が大きい。59分からピッチに立ったA・イニエスタは、相手センターバックと右サイドバックの間を通すFW古橋亨梧への絶妙なスルーパスなど、限られた時間の中でも格の違いを見せつけた。11日には2年間の契約延長も発表。チームにとって、何よりの好材料と言えそうだ。
【マイナス材料】
横浜FM戦の黒星により、現在のトップ3である川崎フロンターレ、名古屋グランパス、横浜FMからは未勝利に。ACL出場を狙ううえで、ひとつの壁ができた印象だ。
それを踏まえて、マイナス材料は2つ。13試合で12失点と堅守を維持する一方、攻撃面では18得点とやや物足りなさを感じる。第12節のサンフレッチェ広島戦は3得点を挙げたが、JリーグYBCルヴァンカップを含めると直近の公式戦2試合で無得点が続いている。相手DFの背後を狙う意図は悪くないが、古橋のカウンターに頼り気味なのは気になるところだ。
上記に関連して、ケニア代表のFWアユブ・マシカと世代別ブラジル代表のFWリンコンにまだ得点がないのもマイナス材料。特にリンコンはコンディションの問題なのか、横浜FM戦ではプレーに精彩を欠いていた印象がある。
文:totoONE編集部
■セレッソ大阪 センターバック&守護神が好守披露。懸念は負傷者続出の攻撃陣
【プラス材料】
前節はアウェイで名古屋グランパスを相手に0-1で惜敗し、順位は8位に下降。最少得点差での敗戦となったが、ポジティブな面も垣間見られた。
先発2試合目となったDFダンクレー&DFチアゴのセンターバックコンビは制空権を握り続け、相手FWのFW山﨑凌吾を完全に封じた。加えて、守護神のGKキム・ジンヒョンは相変わらず好セーブを連発。結果が伴っていないものの、ここ数試合見せている守備の安定は再びギアを上げていくうえで何よりも心強い。
一方の攻撃面では、新外国籍選手のFWアダム・タガートに注目したい。チーム合流から約1カ月。出場したのは2日に行われた“大阪ダービー”の1試合だけだが、徐々にコンディションを上げており、先発に抜擢される可能性も。かつてAリーグとKリーグで得点王に輝いた実績を持つだけに、チームの“起爆剤”として期待がかかる。
【マイナス材料】
“大阪ダービー”でFW大久保嘉人が負傷したことに加えて、名古屋戦ではFW中島元彦が負傷。さらに練習中にFW山田寛人が左足関節靭帯を損傷し、約6~8週間の戦線離脱となった。攻撃の駒を一気に3枚も失ったのは大きな痛手だ。
大久保の離脱によって名古屋戦はこれまでの2トップではなく、MF清武弘嗣をトップ下に置いた「4-2-3-1」を採用したものの無得点に終わった。2列目の3選手が流動的にポジションを変えるスタイルは可能性を感じさせたが、まだまだ発展途上。連係や精度をさらに向上させなければ、攻撃の迫力は求められない。
今節は勝ち点差「2」で戦う“関西ダービー”。ポゼッションサッカーを武器とするヴィッセル神戸を相手に、主導権をつかむには中盤の機能性がカギになるが……。
文:totoONE編集部