[写真]=J.LEAGUE
■サガン鳥栖 団結力で5試合連続無失点を達成。25年前の記録に並べるか
【プラス材料】
開幕節から5試合連続無失点のまま、今節のアビスパ福岡戦に臨む。6試合連続無失点となれば、1996年の横浜フリューゲルス以来のJリーグ記録に並ぶ。25年も前の記録ではあるが、GK朴一圭は「サガン鳥栖がもうひとつランクを上げるためには、並ばないといけない記録」と位置づける。好調な戦いを続ける鳥栖の守護神が、あえて記録を口にするほどチームの状態は良いのだろう。
どの選手に聞いても“チームの一体感”の話になる。それだけ攻守において、目指す方向と同じ方向を向いて戦えていると言ってもいい。だからこそ、5試合連続無失点という結果になっている。金明輝監督は「失点は怖くはない。目の前の試合に勝つことだけ」と、ダービーマッチであることは意に介していない。
どこが相手でも、目指すサッカーが変わらないのが強みである。
【マイナス材料】
今のチーム状態でマイナス材料を探すほうが難しい。連戦でのコンディション調整に関しても、MF樋口雄太は「全く関係ないし、好調を維持できているだけに」と、試合を楽しみにしているようだ。
とはいえ、やはり目に見えないところは気になる。コンディションだけでなく、若いチームなだけに“勝ち続けていることへの慢心”も気になる。朴一圭は「だからこそ、僕を含めて優勝経験のあるDFエドゥアルドやDFファン・ソッコが言い続けないといけない」と、さらにチームを引き締める。
あえて挙げるとすれば、開幕直前に福岡へ移籍したMF金森健志が2試合連続得点中ということかもしれない。今季初の失点で、これまでのバランスが一気に崩れなければいいが……。
文:totoONE編集部
■アビスパ福岡 鹿島撃破で勢いに乗るも、欠場者多発の攻撃陣に不安あり
【プラス材料】
J2時代からダービーでしのぎを削ってきた両者の通算対戦成績は、アビスパ福岡が14勝、サガン鳥栖が10勝で福岡に分がある。しかし、J1での対戦では未勝利。前節、鹿島アントラーズから15年ぶりの勝利を収めて連勝中の福岡が、今季無敗の相手からJ1初勝利を奪えるか。
開幕直前に電撃加入したMF金森健志と昨季リーグ戦14試合に出場したDF宮大樹、鳥栖からの移籍組も闘志を燃やす。「今季無失点の鳥栖から、自分がセットプレーでゴールを奪う」と宮。この2人を含めた新加入選手がチームにフィットし、鹿島戦で完封勝利を収めたことは、チームにとって大きな意味を持つ。
昨季J2最少失点だった堅守を取り戻せれば、福岡らしい戦い方で勝ち点を積み重ねていけるはずだ。
【マイナス材料】
今季無失点の鳥栖からどのようにゴールを奪うのか。鹿島戦は前半のうちに相手が退場して数的有利な状況となったにもかかわらず、球際の戦いやセカンドボールの回収などの面で鹿島を上回るシーンは多く見られなかった。
また、攻撃の展開力や決定力という点でも、有利な状況下では物足りなさを感じた。立ち位置にまでこだわった鳥栖の組織化された守備に対し、前向きにボールを奪うところから連動してゴールに迫りたい。
今季出場ゼロのFW渡大生、開幕節の名古屋グランパス戦での負傷交代から復帰していないMF杉本太郎、2試合続けてベンチ外のFWフアンマ・デルガド、第4節の徳島ヴォルティス戦の試合開始直前に先発を外れたFWブルーノ・メンデスと、攻撃陣のコンディションに心配な面がある。
文:新甫條利子