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「母親には苦労をかけていた」…小林悠と太田宏介の生い立ちに迫る

オンライン取材に応じる小林(左)と太田(右)

 小学校低学年からの付き合いだという、川崎フロンターレの小林悠と、名古屋グランパスエイトの太田宏介。プロとして10年以上のキャリアを過ごし、ともに日本代表戦でスタメンとしてピッチに立った経験もある2人には、母子家庭で育ったという共通点もある。そんな彼らの生い立ちに迫った。

小学校低学年から切磋琢磨し合う二人

小林より先に、2006年6月にプロデビューを果たした太田 [写真]=©︎N.G.E.

――お二人は高校の同級生ということですが、意識する部分はありますか?

小林 (太田)宏介は高校卒業後、すぐプロになったので、そのときは先を越されたという感情がありました。高校のときも、宏介が10番で、僕が8番だったのは悔しかったですね。その後、大学の4年間を経てからプロになったときは、ようやく同じ土俵で戦えると思えてうれしかったです。

太田 (小林)悠はフロンターレに入ってからずっと活躍し続けていて、年齢を重ねるにつれて得点王になったり、MVPを取ったりしているのはすごく刺激になっています。自分も頑張らなきゃっていう。

――お二人の間で印象に残っている試合などはありますか?

太田 2014年10月に、新潟で行われた日本代表のジャマイカ戦ですね。悠が先に交代で試合に出ていて、僕が残り5、6分のタイミングで出た試合です。僕がいいクロスを上げて悠がヘディングで合わせたんですけど、それを決めてくれていたらもっと明るい将来が待っていたと思います(笑)。

――代表という話題について、お二人の間でよく会話されたりしているんですか?

小林 高校時代からよく話していました。僕がプロになったときは、「代表で一緒にプレーしよう」と言っていましたね。

太田 2012年の終わりにあった悠の結婚式で、自分の席に置いてあったカードの裏に「代表で同じユニフォームを着られるように頑張ろうぜ」って書かれていたのをすごく覚えています。実際に夢がかなって良かったですし、2014年のブラジルとの国際親善試合で一緒に先発で出られたときはうれしかったですね。

小林 そのときはお互い、親を招待しました。小学生の頃から選抜とかで一緒にやっていたので、親同士もずっと顔見知りで。高校が一緒になってからはさらに仲良くなっていましたね。

太田 選抜の練習は茨城県だったり千葉県だったり、いろんなところであったので、どちらかの親の運転で連れていってもらっていました。

――そういう意味でも、お互いなくてはならない存在だったんですね。

太田 こうやって刺激し合える同級生がいなかったら、今の僕たちはなかったですし、プロになれたとしても、こういうキャリアを築けていなかったと思いますね。

裕福とは言えなかった家庭環境

大学卒業後の2010年シーズンより川崎でプレーする小林 [写真]=©KAWASAKI FRONTALE

――お二人とも母子家庭で育ってこられたということなんですが、母子家庭ゆえの困りごとなどはありましたか?

小林 「母子家庭だから」というのはあまりなかったですね。お金がない感じはありましたけど、サッカー用品もいいものを買ってくれました。だから「プロになって母親を楽にさせたい」という思いは小さい頃からありましたね。

――お母さまが今まで支えてくれたことに対して、どう感じていますか?

太田 当時は母子家庭にとって、サッカーをするのにかかるお金がどれくらい負担になるかは全然分からなくて、大人になってから苦労をかけていたことに気づきましたね。今振り返ってみると、スパイクはスポーツショップの“カゴ”に入っているやつでした(笑)。クリスマスに有名ブランドのジャージを頼むと、全然知らないようなブランドのものが届いたこともありました(笑)。

小林 今になって、昔は貧乏だったのかなあとは思いますけど、当時は狭い団地に兄貴と母親と3人で暮らしていて、自分はそれがすごく幸せでした。夏とか、食べるものがなさすぎて麦茶をご飯にかけて食べたりしていたんですけど、それもすごく美味しくて(笑)。チームメイトに話すと、「やべえ、泣きそうになってくる」って言われます(笑)。ただ、それも幸せでしたし、あまり苦しいとは思っていませんでした。

「とにかく今をポジティブに生きていれば将来幸せになる」

――そんななか、スポーツギフティングサービス『Unlim』を活用し、母子家庭を支援する活動をしようと考えたきっかけは?

太田 母子家庭で育つなかでつらいことはありましたけど、それを乗り越えて今があると思っています。でも、実際はつらいことを乗り越えられない子供たちもたくさんいるし、そういう現実に押し潰されそうな子たちにエネルギーを与えたいと思って始めました。「同じような経験をしている子たちに何かできることはないのかな」というのはずっと考えています。そのなかでも、金銭的なサポートは現実的ですし、何より一番喜んでくれると思います。

――小林選手は太田選手の活動をどのように捉えていますか?

小林 宏介がそういった支援活動をしていると知り、すごく興味を持ちました。母子家庭で育つことは、やっぱりお金の面とかで苦しいこともあると思いますし、僕も何か協力したいです。

――母子家庭で育つ子供たちに向けて、メッセージをお願いします。

小林 大変なことはもちろんありますが、大人になれば意外と笑い話になることもある。つらい経験も前向きに捉えることで、全部自分にとってプラスに変えていけると思います。ちょっと頑張れば将来はすごくいいことが待っていると思うので、今を乗り越えて頑張ってほしいです。

太田 僕は今でもそうなんですけど、どれだけ嫌なことがあっても、常にポジティブでいることを心がけています。母子家庭では、周りと比べて恵まれない部分もあるかもしれない。でも、そういう人たちは大人になったとき本当に強いと思うので、とにかく今をポジティブに生きていれば、将来幸せになるぞっていうことを僕たちが証明していきたいし、サポートできるように何かしらの形で寄り添っていけたらと思います。



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