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現役Jリーガー屈指のレジェンド・阿部勇樹が考える「理想のリーダー」

[写真提供]=MIZUNO

 新型コロナウイルスによって当たり前の日常が奪われてから、よくこんなことを考えるようになった。「この苦境を乗り越えるにはどんなリーダーが必要だろうか?」、「どんなリーダーだったらついていきたいと思えるだろうか?」と。

 そんなときに、浦和レッズの阿部勇樹選手に話を聞く機会をいただいた。2つのクラブでキャプテンを務め、日本代表や海外でのプレー経験もある現役Jリーガー屈指のレジェンドだ。僕の疑問をぶつけるのに、これ以上の選手はいない。

 ZOOMをつないで待っていると、穏やかな表情の阿部選手が現れた。インタビューのテーマを説明しつつ、アイスブレイクも兼ねて「日本のリーダーは奇しくも同じ“アベさん”ですが…」とくだらない冗談を言ってみる。「あはは」と声を上げながら見せた笑顔と優しい雰囲気に、早くも虜になった。人を惹きつける魅力もまた、リーダーに必要な資質なのかもしれない。

取材・文=本間慎吾(サッカーキング編集部)
写真提供=MIZUNO


――今回のインタビューでは「キャプテン」や「リーダー」をテーマにお話を伺いたいと思います。ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)に在籍していた2003年に、21歳の若さでキャプテンを任されましたが、当時の心境は覚えていますか?

阿部勇樹(以下 阿部) はっきり覚えてますよ。やりたくないなーって思っていました(笑)。

――そうだったんですね(笑)。それはちょっと意外です。

阿部 年齢が上の選手が多かったから、これは大変だ、やりたくないなーって(笑)。

――理想とするキャプテン像や、思い描いていた姿というのはありましたか?

阿部 ユース時代も含めて何人かのキャプテンを見てきましたけど、僕はその選手たちと同じようにはできないなと思っていました。もともと自分から意見を言うタイプではなかったし、キャプテンになった年齢を考えても、言葉で引っ張るのは難しかった。だから、プレーでしっかり見せなきゃいけない、責任を持ってプレーしなきゃいけない、そうしないとほかの選手に認めてもらえない、そんなふうに思っていましたね。その考えは浦和レッズに移籍してからも変わっていません。もちろん言葉で伝えていないわけじゃないし、キャプテンやベテランの選手はチームがうまくいっていないときには前に出なきゃいけない立場なので、そういう場面ではしっかり前に出ていきたいなとは思っています。

――プロの世界で、21歳という若さでキャプテンを務めるのはすごく大変だったと思います。正直、しんどかったですか?

阿部 そうですね(苦笑)。当時の(イビチャ)オシム監督がすごく厳しくて、休みが全然なかったんですよ。それで年齢が上の選手たちはキャプテンの僕に、「休みがほしいって言ってこい」と言ってくるんです(笑)。結局、僕だけが説教されて……。そういったことも含めて、ピッチ外でやることが増えたのは大変でした。でも、すごくいい経験だったと思います。

――大変だったけどプラスにもなったと。

阿部 本当にそう思います。自分だけが説教をされると、最初は「なんだよ、もう」って思っちゃうんです。でも、そのときに監督のところへ行って面と向かって話さなければ聞けなかったことがたくさんあった。今では笑い話にもできますしね。

――ジェフでは中心選手としてチームをけん引し、タイトルも取りました。生え抜きでキャプテンという立場を考えると、レッズへの移籍はすごく難しい決断だったと思います。

阿部 今もジェフでプレーしていたら、すごく居心地がいいだろうなと思います。でも将来的なことを考えたときに、環境を変えたいという思いがあったんです。そんなときにレッズから声をかけていただきました。前年度の優勝チームで、日本代表の選手が数多くいる。そこでゼロから自分をアピールしなきゃいけない、競争を勝ち抜かなきゃいけない。そんな厳しい状況に身を置くという刺激が自分には必要だと感じたんです。それと、みなさんもご存知のとおり、レッズには本当に大勢のファン・サポーターがいます。対戦相手としてはこの人たちをどうにか黙らせたい、静かにさせたいと思って戦うんですよ。つまりレッズの選手はそうやって闘志を剥き出しにしてくる相手と毎試合、戦うわけです。そんなプレッシャーや責任のなかでチャレンジしたい。そう思って移籍を決断しました。

――そのチャレンジ精神がレスターへの移籍にもつながるわけですね。海外での経験を経てレッズに復帰してからは、キャプテンに任命されました。「やりたくないなー」という気持ちがあったジェフ時代とは心境も違ったかと思いますが、いかがですか?

阿部 そうですね。本当に光栄なことだから、ぜひやりたいなという気持ちで引き受けました。

――プレッシャーは大きかったかと思います。

阿部 もちろんプレッシャーはかなり増えました。でも、それをいい方向に、プレーにつなげられたらいいなと思って。プレッシャーは自分のモチベーションを上げてくれるものの一つで、それは今も変わりません。

――2018年から2シーズンは柏木陽介選手、そして今シーズンは西川周作選手がキャプテンを引き継ぎました。お二人から何か相談されたり、アドバイスしたりということはありますか?

阿部 二人には、「誰かみたいにやろう」とか、「誰かがこうやっていたからこうする」ではなくて、自分の色を出すことが重要だと伝えた覚えがあります。あとは、チームとしていい時期があれば必ず悪い時期もあるので、「悪いときにはオレが前に出るから、やりたいようにやればいいよ」と言いましたね。

――日本代表も含め、これまでのキャリアでいろいろな選手とプレーしてきました。その中で「この人のリーダーシップはすごい」と感じた選手はいましたか?

阿部 まずはヒデさん(中田英寿)ですね。一緒にやらせてもらった時間は短かったですけど、プレーはもちろん、発言にもすごく責任感がありました。いろいろなレベルでプレーして多くの経験を積んだからこそ言える言葉があるんだなと感じました。
それから中澤佑二さん。どんなときも手を抜かないし、準備を怠らない。その姿勢は本当にすごかったです。サッカー選手を長く続けるためには、これくらいやらなきゃいけないんだ、というのを行動で示してくれた選手です。
あとは、(田中マルクス)闘莉王はまさにリーダーシップを全面に出す選手だったので、すごくリスペクトしていましたね。僕とはタイプが違うので、自分もあんなふうに言葉で伝えられたらもっとうまくいくのかな、と思ったこともあります。もちろんプレーにも責任感がありました。いろんなリーダーの形がありますけど、一緒にやっていて惹かれるものがあるという意味では、闘莉王のリーダーシップも素晴らしかったと思います。

――確かに3選手とも異なるタイプのリーダーという感じがします。では、今のレッズの若手の中でリーダーとしての活躍を期待している選手はいますか?

阿部 今年は若い選手が数多く試合に出ていますが、その中でもっと自信を持ってプレーしてほしいなという選手が2人ほど……(笑)。橋岡大樹と柴戸海です。この2人には、もっともっと自信を持ってほしい。例えば、周りに何かを言われようが常に自分の良さを出す。自信を持って発言する。以前よりもできるようになってはいるんですけど、まだまだ少ないかな。それができるようになったらプレーも変わってくるはずなので、2人には期待しています。

――リーダーにはいろいろな形があるというのは承知のうえで、あえて伺います。阿部選手が思う「理想のリーダー」とはどんなものでしょうか?

阿部 リーダーとして組織やチームを引っ張っていくには、みんなを納得させなきゃいけないですよね。そう考えると、まずは自分がちゃんとやること。自分ができていないのに発言だけするというのはおかしいですから。発言する=自分もしっかりできている、というのが大前提だと思います。

――“口だけ”ではダメ、ということですね。

阿部 そうです。あとは細かい部分ですけど、方向性の示し方もすごく大事になると思います。サッカーやスポーツに限らず、リーダーが「こういうふうにやっていこう」と伝えるような場面で、1から10まですべてを教えてしまったらそれは相手のためにならないんじゃないかなと。正解が一つしかないことってすごく少ないじゃないですか。だからきっかけをあげて、その先は一人ひとりが行動する中で答えを見つけていく。そういう導き方ができるリーダーがいいなと、僕は思っています。

――とても勉強になりました。シーズンについても少し聞かせてください。長い中断期間を経てサッカーが戻ってきましたが、どんなことに気をつけて再開を迎えましたか?

阿部 これだけ長い期間の中断というのは経験したことがないので、いろいろと難しい部分はありました。でも今は、再びサッカーができる状況にしていただいたことにすごく感謝しています。ニュースを見てもわかるように、医療従事者の負担はすごく大きいので、手洗いやうがい、マスクの着用など、自分にできる感染予防をきちんとやって、医療従事者の仕事を増やさないというのが第一です。そのなかでまたサッカーができる喜び、幸せを感じながらプレーしたいですね。自粛期間中はいろんな方にパワーをもらったので、今度は逆に僕らがパワーを与えていきたいです。

――再開後のチーム状況はいかがですか?

阿部 難しくなると覚悟していましたが、勝ち点を取れているのはいいことだと思うし、これを継続していきたいです。徐々にお客さんが入れるようになりましたが、まだまだ画面越しに試合を見ている方も数多くいらっしゃるので、画面で見ている方にも伝わるような熱いプレーをもっと出していきたいです。

――最後に今シーズンの目標をお願いします。

阿部 一つでも上の順位を目指すということに変わりはありませんが、今シーズンは特に、一戦一戦が大事だと思います。リーグ戦があって、ルヴァンカップがあって、先を見れば試合が詰まっているということはわかっている。でもだからこそ、目の前の試合を全力で戦うことが大事になる。だから一戦一戦、勝利を目指してやっていくのがチームの目標ですね。個人としては、まだまだ頑張らなきゃいけないなと。少し前に、メジャーリーグに行った秋山(翔吾)くんと話す機会があって、すごくいい刺激をもらいました。このままじゃまずいな、もっとしっかりやらなきゃいけないなと考えを改めさせられた部分があったので、それをしっかりピッチで表現できるようにやっていきたいです。

ポリバレントを体現する阿部勇樹が『REBULA CUP』を選ぶ理由。

7月22日に発売される新スパイク『REBULA CUP』 [写真提供]=MIZUNO

“一流”と“超一流”の違いを、君は知っているだろうか。一瞬の迷い、ミス、遅れが、試合を左右する。速さ、激しさを増す現代サッカーではなおさらのこと。そう、“超一流”は常に、完璧なファーストタッチから試合を支配するプレーを見せる。

 プレイヤーを“超一流”に引き上げるべく、繊細なボールスキルと勝負を一瞬で決めるクイックネスを可能とする革新的なスパイクとして生み出されたのがミズノ『REBULA』シリーズだ。2017年の誕生以来、高い向上心を持ち“超一流”を目指すプレイヤーたちに愛用されてきた。

 その『REBULA』が、第4世代へと進化する。7月22日に発売される新スパイク『REBULA CUP』は、中足部のマイクロファイバー人工皮革にミズノの独自技術『FT GRIP』を搭載。驚異的なグリップ力でファーストタッチをサポートする。さらに、アウトソールには前モデル『REBULA 3』から引き続き『Rotation Rib』を搭載。これにより、方向転換時にスムーズな足運びが可能となった。

プレイヤーのクイックネスを支える『Rotation Rib』 [写真提供]=MIZUNO



 阿部勇樹は、豊富な運動量と正確なキック、そして複数のポジションを高いレベルでこなすポリバレントな能力を武器に、長いキャリアを歩んできた。23年目を迎えたプロ生活のほとんどでミズノスパイクを着用してきた彼に、スパイクへのこだわりや『REBULA』シリーズを選ぶ理由を聞いた。

――まずはじめに、ミズノのスパイクを履き始めたきっかけを教えてください。
阿部 本格的に履くことになったのは2005年からです。当時はケガが多くて、何かを変えなきゃいけないと思っていました。そんなタイミングで声をかけていただき、ミズノさんのスパイクを履くようになったんです。そのスパイクでたくさんゴールを決めて、初めてベストイレブンにも選ばれました。これだけ長く履かせてもらっているので、あのときの決断は正解だったなと思っています。

――阿部選手と同じく中盤を本職とする選手の中には『MORELIA』シリーズを履いている選手も多いイメージです。『REBULA』シリーズを選んだ理由を教えてください。
阿部 履いたときの安心感ですね。あとは軽さとグリップもすごくいい。運動量が多いポジションなので、やっぱり軽さはすごく大事です。足を入れたときの感触というかフィーリングも自分に合ったので、『REBULA』シリーズを履いています。

[写真提供]=MIZUNO



――スパイクに求める要素としてはフィット感、皮の質感、ボールタッチの感触、クッション性など様々だと思いますが、特にどの部分を重要視していますか?
阿部 足を入れたときの安心感が一番大事ですね。仕事としてピッチに出てプレーするときに、自分のシューズに安心感がなければパフォーマンスは落ちてしまうので。あとはボールを蹴るときの感触、止めるときの感触が直に伝わるものがいいので、それも重視しています。

――僕は学生時代、完全に見た目だけでスパイクを選んでいました(苦笑)。
阿部 それはありますよ(笑)。うん、正直それはあると思います(笑)

――でも自分の足に合ったスパイクを選ぶのはすごく重要なことですよね。サッカー少年・サッカー少女のために、スパイク選びで意識すべきポイントを教えてください。
阿部 見た目がかっこいいのは大事だと思いますし、好きな選手が履いているからという理由で選ぶことあると思います。でも「履きやすい」という感覚は大人でも子どもでも感じ取れるはずだし、もしかしたら子どものほうがそこは敏感なんじゃないかなと思うんです。その履きやすさとかフィット感はケガの防止にもつながります。なので見た目だけじゃなく、しっかり自分の足の形、足の大きさに合ったスパイクを選んでほしいですね。わからないことがあれば、スポーツショップの店員さんがアドバイスしてくれるので、しっかり聞いて、自分に合ったスパイクを選んでもらいたいです。

――最後に、最新作の『REBULA CUP』を履いて臨む今シーズンの意気込みをお願いします。
阿部 ミズノさんからは数多くの素晴らしいスパイクが発売されていますけど、『MORELIA』や『MORELIA NEO』を履いているほかの選手に負けないように、この『REBULA CUP』を履いて活躍したいです。個人の活躍と同時にチームの成績も大事になってくるので、チームの成績を上げつつ、僕自身もいいパフォーマンスを発揮できるように。そして「あいつはなんのスパイクを履いてるんだ」と注目を浴びるようなプレーができるように頑張りたいと思います。

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