名古屋、広島戦の開催延期を受けてJリーグと共同記者会見を実施

　名古屋グランパスとJリーグは26日、同日18時開始予定だった明治安田生命J1リーグ第7節の名古屋VSサンフレッチェ広島の一戦が中止となったことを受け、共同記者会見を実施した。

　名古屋は25日、DF宮原和也に新型コロナウイルスに感染したことを発表。その後、クラブ関係者60名へPCR検査を実施し、26日にMF渡邉柊斗とトップチームスタッフ1名新型コロナウイルスの陽性が確認された。

　会見にはJリーグの村井満チェアマン、名古屋の小西工己代表取締役社長が出席した。村井チェアマンは「陰性の選手16名とスタッフ1名が広島へ向かっていました」と、移動のタイミングで陰性が確認された選手・スタッフが広島へ向かっていたと説明。「広島に向かった17名の中に濃厚接触者がいれば、確実に安全な中で試合はできないとの判断で中止を決めました」と、試合が中止に至った背景について話している。

　加えて、村井チェアマンは「代替日程についてはスタジアムの稼働などの空きを見て、週明け以降調整に入る予定です。今のところ、開催候補日が数日ある認識なので、中止には至らないと考えています」と述べ、「選手もアスリートである前に社会市民。すべての社会活動を断つことは難しい中で、選手にも感染者が出ることは時間の問題と認識していましたが、改めてウイルスの感染力の強さや、これだけ用心している選手が感染する恐ろしさを再認識しました。改めて起こりうることをリーグ・クラブで共有し、関係者のプライバシーが確保されること、スポーツが継続することを考えていきます」とコメントしている。

　小西社長は「保健所などの指示に従い、厳正に対処しています。それぞれのつながりを確認できていないので、まずは2人の濃厚接触者判定に全力で協力し、つながりがあったならばそれを断つ対処を考えていきます」と話し、現在濃厚接触者の特定に急いでいるとコメント。これまでの対策については「日常生活での基本予防対策を徹底し、不要な外出をしない、外食をしないことを促しています。クラブハウスでは毎朝の検温やロッカーの換気をしっかりしています。また、週1回は予防のミーティングを実施しています。強化・徹底を図り、ご迷惑をかけないよう、また試合をやり切るということを目指してやっていきたいです」と語っている。

　これまでの経緯や今後について、大森征之スポーツダイレクターは「宮原が24日に陽性反応が出て、25日は移動日なので、午前に練習をしました。陽性はチームに共有した上でトレーニングをして、準備をして、PCR検査を60名に実施しました。広島戦に向けてしっかり調整し、いつもと変わらない形で練習していましたが、選手は不安を感じているということは監督から報告を受けています。練習は今後、保健所の指導のもとで、どのように進めるか、監督やコーチと検討することになります」と話した。

　今後も過密日程が続くJリーグでは、今回のように試合日までにPCR検査の結果が判別できなかったり、濃厚接触者と判定することが間に合わないケースもある。今後の取り組みについて村井チェアマンは「PCR検査を試合に合わせてコントロールできない部分もあるので、日程によっては今後、今回のように試合実施を回避する可能性もあると考えています。濃厚接触者の定義をした上で判断する可能性もあります。この1週間で3名の感染があった事実があり、さらなる感染も考えられる中で、当該クラブがもう少し短い期間でPCR検査を実施する必要性も感じました。専門家との協議を踏まえて判断していくことになります」と伝えた。

　最後に、小西社長は「明日、再度全員PCR検査を実施します。Jリーグの公式検査以外にも間隔を刻んでPCR検査をした上で、全力で次の試合に準備していければ」と話した。