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【サッカーに生きる人たち】芸能界唯一のおはじきサッカー芸人が語る、おはじきサッカーの魅力|銀河と牛(芸人)

インタビュー・文=佐藤圭一郎(スポーツデジタルメディア編集講座1期生)

 サッカーは世界で最も愛されているスポーツだ。テレビゲームやテーブルサッカーなど、サッカーを題材にした競技やゲームが数多く存在する。その中の一つである「サブティオ」という競技をご存じだろうか? 日本語にすると、「おはじきサッカー」。その名のとおり、おはじきの駒を選手に見立てたサッカーだ。日本での知名度は高くないが、ヨーロッパを中心に海外では愛好者も多く存在する。

 おはじきサッカーでは、1チーム11体の駒を使って試合を行う。攻撃側は指で弾いた駒をボールに当ててパスやシュートを放ち、守備側は攻撃側の動きを阻止するように自分の駒を弾く。一人で11体の駒を動かしながら戦術も考える必要があるため、「おはじき」というのんびりとした響きからは想像もできないくらい展開が早く、見応えがある競技だ。

 昨今は多種多様な物事に精通する「〇〇芸人」たちを目にすることが多いが、「芸能界唯一のおはじきサッカー芸人」を名乗るコンビがいる。「銀河と牛」のジョニーさんと牛越秀人さんだ。そんなお2人に、おはじきサッカーの魅力について語ってもらった。

“変なもの”を見つけるのが好き

―おはじきサッカーとの出会いについて教えてください。
牛越 2年前、とある週刊誌の『足立区でおはじきサッカーのアジアカップが開催』という記事を読んだのがきっかけです。「おはじき」と「サッカー」という、全くつながりのない単語が並んでいて、響きに切れ味があっていい言葉だなと。会場が近かったので見にいったのですが、実際に見て感じたのは「何が何だかよく分からない」ということでした。
ジョニー その話を聞いておもしろそうだなと思い、後日2人で体験しに行きました。僕らはもともと、変なものを見つけるのが好きなんです。

―これまでにサッカーのご経験はあったんですか?
ジョニー 小中高とサッカー部で、ポジションはFWでした。だからおはじきサッカーはすんなり始められましたね。
牛越 私は野球しかやったことがありませんでした。チームで一番球拾いがうまくて、「どれだけ林の奥深くに入っても、あいつは必ず玉を拾ってくる」と言われていました。
ジョニー 牛越は、おはじきサッカーをきっかけにサッカーを知っていくことになったんです。
牛越 普通は逆ですよね。Jリーグカレーは小さい頃に食べてましたけど。

―実際におはじきサッカーをプレーした感想は?
ジョニー 現実のサッカーと同じように、ゴールを挙げたときは興奮しますね。おはじきサッカーでも一点の価値が大きいんです。海外の映像を見てもらうと分かるんですが、元ブラジル代表のロナウドくらい勢いのあるシュートが飛んだりすることもあります。
牛越 海外では、ゴールが決まった時の盛り上がり方も本当にすごい。
ジョニー おはじきサッカーでは、自分が攻撃している時に弾いた駒がボールに当たらなかったら攻守を交代しなければいけません。世界ランキングに入るようなうまい人は駒をボールに正確に当てるだけではなく、当たったボールがどこに転がっていくかまで予測しています。駒をボールに当てることはおはじきサッカーの基本ですが、結局それが一番難しいんですよね。
牛越 私は最後の一押しに難しさを感じます。攻め込むところまではできるんですけど、「ここでシュートしてもゴールを決めるのは無理だろう」と考えて他の駒にパスを出したら失敗して攻守交代になってしまう。テレビでサッカーの試合を見ているときに「なんでシュートにいかないんだよ!」と思っていた場面と全く同じことをしていて、恋愛映画を見ているときみたいにもどかしくなります。あとは、ついていけないくらい試合展開が早いですね。

―ご自身のプレースタイルは?
ジョニー 僕は完全にサイド攻撃がメインです。最初のポジショニングでオフサイドラインに沿ってDFを7人置き、日本代表で言うサイドの酒井宏樹選手と長友佑都選手を上げていきます。
牛越 私は独自のプレースタイルというものがなく、とにかくボールに当てられれば良しとしています。すべての駒を働かせるように試行錯誤しながら、とにかくボールをゴール前に進めていきます。

オリンピック競技にしたいくらいおもしろい

―サッカーとおはじきサッカーの違いは何だと思いますか?
ジョニー オフサイドもあるし、ルールはほとんど一緒です。おはじきサッカーでは同じ駒を3回しか弾けないんですが、最近ではリアルサッカーでも3回以上ボールをタッチしてる選手なんてほとんどいませんよね。

―おはじきサッカーが現代サッカーのトレンドを先取りしているかのようですね。牛越さんはサッカーとおはじきサッカーに違いを感じる部分はありますか?
牛越 サッカー漫画やアニメには、スーパープレーヤーが必ず登場するじゃないですか? 実際にディエゴ・マラドーナのような、ボールを集めれば得点を取ってくれるという選手がいます。けれど、おはじきサッカーはすべて同じ形の駒なので差がありません。すべて平等で、基本的にはみんな同じ能力を持っています。

―条件が一緒だと、プレーヤーの実力がそのまま出てしまいますね。
牛越 もう一つサッカーと違うのは、一日に何試合もしなければいけないことです。ある日は全日本おはじきサッカー選手権で10時から18時までの間に20試合くらいプレーしたあと、18時半からは新人戦に出場して、すべて終わったのは22時半ぐらいでした。最後はふらふらで、修行部屋から出してもらえない人みたいな状態になっていました。
ジョニー 本当に集中力が持ちません。3試合くらいで切れてきますから。

―試合では常に頭をフル回転させなければいけないのに、何試合も続くと大変です。
ジョニー 自分が試合に出なくても、別の役目があります。僕らはおはじきサッカーの審判のライセンスを取得しているので、人手が足りないときは審判もやらなければいけないんです。だから、大会では座っている時間がほとんどありません。

―おはじきサッカーは、大人も子供も一緒にプレーできるところが魅力の一つです。
ジョニー 僕が初めて出会ったのは小学3年生のタロウくん。最初は師匠って呼んでいました。
牛越 タロウくんは僕らより1年くらい早くおはじきサッカーを始めていたんですが、最近はリアルサッカーに夢中みたいで……。
ジョニー 小学5年生から始めたという高校1年生は、この前日本代表としておはじきサッカーのワールドカップに出場しました。他にもアジアカップに出た高校生がいて、学校で表彰されていました。
牛越 朝礼で校長先生が「あなたはおはじきサッカーで優秀な成績を収め……」
ジョニー そう言った瞬間に、校内が笑いの渦に包まれたって。
牛越 バカにされてんじゃねえかよ(笑)。
ジョニー おはじきサッカーはテレビで取り上げられるときも、「サッカー協会にやってきました」と紹介されたあと、「でも実は、おはじきサッカー協会なんです」みたいなオチに使われます(笑)。

―おはじきサッカーの駒はレアル・マドリードやバルセロナなど有名なクラブのものが発売されていますが、自分でデザインできるとしたらどのようなものを作りたいですか?
牛越 学ランを着た駒がいいですね、私たちの事務所である大川興業らしく。「よく見たら、これは銀河と牛だな、これは(同じ大川興業所属の)鉄板■魔太郎、これは倉元幸二だな」というように。江頭2:50さんだけは上半身裸で。
ジョニー 僕は『キャプテン翼』のキャラクターがいいです。
牛越 それはお金の匂いがしますね(笑)。

―おはじきサッカーの選手としての目標は何ですか?
ジョニー 日本代表としてW杯に行きたいです。あとは、おはじきサッカーをオリンピック競技にしたい。そのぐらいのおもしろさはあると思います。
牛越 おはじきサッカーのW杯が日本で開催されるくらい盛り上がればいいですね。

―では、おはじきサッカー芸人としての目標は?
ジョニー おはじきサッカーをやっている芸人が僕らだけなので、イベントになると司会をやらせてもらったりと、少しずつ仕事になっています。周りの芸人も興味を持ってくれますが、このポジションは絶対に譲れません。
牛越 ここに他の芸人が座ることになりますから。それだけはご遠慮いただきます。

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