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【土屋雅史氏のJ3展望】今季も本当にお世話になりました!…土屋雅史がJ3ベストイレブンを選出!

2018.11.30

土屋雅史が、今季の個人的J3ベストイレブンを選出。

■今季のJ3もいよいよ最終節! 個人的J3ベストイレブンを発表!

 既に琉球と鹿児島が来季からのJ2昇格内定を勝ち獲っている状況で、いよいよ最終節を迎える今季のJ3リーグ。去年のような痺れるドラマはないかもしれませんが、各クラブにとってはそれぞれの立ち位置で迎える2019年へ向けて、勝利という良い形でシーズンを締め括りたいのは間違いありません。

 先々週にご紹介した『今週のJ2』の最終回でも、勝手に毎年恒例のような感じで、一年の総括的にJ2ベストイレブンを選出させていただきましたが、『今週のJ3』の最終回でも今季のベストイレブンを発表できればと思っています。なお、昨年同様に今回の選出も、あらゆるJリーグ関係者やサポーターから圧倒的なリスペクトを集めている、“平ちゃん”こと平畠啓史さんにアドバイスをいただきました! 是非J3をつぶさに追い掛けてきた皆さんも、MYベストイレブンを考えてみてください!

【GK】
松原修平(群馬) 31試合出場

 リーグで二番目に失点の少ない守備陣を、最後尾から盛り立てたビッグセーバー。昨年までのプロ7年間でリーグ戦の出場はわずかに1試合だったが、今季は全試合でゴールマウスを任され、抜群の反射神経で『DAZN週間ベスト5セーブ』の常連に。同ランキングトップに輝いた第13節・C大阪U-23戦の連続セーブは、守護神としての執念を強く感じさせる一連だった。

【DF】
増谷幸祐(琉球) 31試合出場1得点

 二年連続のリーグ戦全試合出場にリーチをかけているセンターバックは、172センチのサイズを感じさせない“気持ち”も込みの対人能力は言うに及ばず、常にハイラインを保ち続けながら、正確なキック精度でビルドアップの起点としても機能。相方の瀧澤修平、ゴールキーパーの朴一圭と構成するトライアングルが攻守にチームの根幹を成していることは、琉球の中でも見逃せない大事な部分。

【DF】
平出涼(鹿児島) 31試合出場0得点1アシスト

 7シーズンを過ごした富山を離れ、その富山でも師事した三浦泰年監督の厚い信頼の下、ディフェンスリーダーとしてここまで全試合フル出場。決して高さはないものの、スピードを生かした確実なカバーリングと対人の強さで最終ラインに君臨し、鹿児島のJ2昇格に大きく貢献してみせた。27歳には見えない落ち着いた風貌を誇るが、それはFC東京U-18時代から変わらない印象も。

【DF】
砂森和也(沼津) 30試合出場2得点11アシスト

 まさに “スペシャリスト”と呼びたくなる職人系レフティ。讃岐から今季加入すると、左サイドバックのレギュラーを掴み取り、リーグトップの11アシストを記録。とりわけ7アシストをセットプレーから供給するなど、分かっていても止められないプレースキッカーとしても能力を発揮。そのポテンシャルを大きく解き放つ一年に。

【MF】
小松駿太(琉球) 30試合出場0得点1アシスト

 Y.S.C.C.横浜からの移籍初年度できっちり定位置を確保すると、シーズン途中からは4-1-4-1の中盤アンカーで攻守に安定感の高い“効いた”プレーを連発。攻撃の起点になったかと思えば、すぐさまセカンドボールを回収したりと、チャンピオンチームの中盤を取り仕切ってみせた。個人的には中学年代から見てきた選手なので、今年の活躍はホント嬉しいです!

【MF】
吉井孝輔(鹿児島) 29試合出場5得点

 2015年に一度は引退したものの、地元クラブのJ3参入に伴って現役復帰した仕事人は、加入三年目にして初めてシーズンを通じてフル稼働を果たし、キャリア最多タイの5ゴールを挙げるなど、攻撃面でもチームに貢献。J2ライセンスを取得したチームの悲願を、中心選手として引き寄せた。「こういうキャリアの辿り方もある」ということは、是非多くのサッカーファンに知って欲しい所。

【MF】
後藤京介(Y.S.C.C.横浜) 31試合出場4得点6アシスト

 チーム自体はやや後半戦に失速してしまったものの、彼のプレーはどの試合も安定して高レベル。得意の左足を振るってのチャンスメイクはリーグ屈指と表現しても過言ではなく、1試合での平均パス数もリーグ上位に数えられるほど。三ツ沢でのゲームでは、常にこのレフティが観客の視線を強烈に惹き付けているのは間違いない。

【MF】
風間宏希(群馬) 31試合出場7得点7アシスト

 一年でのJ2復帰を義務付けられたプレッシャーの中で、中盤からあらゆる攻撃の起点として躍動。実にチームの総得点の4割に絡んでおり、群馬の司令塔として期待通りの活躍を披露している。第20節のFC東京U-23戦では冷静に流し込んだ1点目と、豪快にミドルを打ち込んだ2点目と、フィニッシャーとしてのセンスを証明したドッピエッタが印象深い。

【MF】
堂安憂(長野) 24試合出場5得点3アシスト

 浅野哲也監督時代はボランチ起用が多かったものの、阪倉裕二監督がサイドハーフに配したことで、そのアグレッシブさを押し出せるようになった感も。Jリーグ初ゴールを含む2得点1アシストをマークした第17節の富山戦でも大きなインパクトを残したが、第22節の藤枝戦で沈めたミドルもまさにゴラッソ。得意のドリブルが有する切れ味も鋭く、来季以降の飛躍にも大いに期待したい大卒ルーキー。

【FW】
中川風希(琉球) 31試合出場16得点10アシスト

 スペイン帰りのテクニシャンは、プロ契約を勝ち獲った今季で一気にブレイク。主に最前線や2列目で起用されながら、チームトップタイの16得点に加えて10アシストを叩き出すなど、圧倒的な攻撃力を誇ったチームを同い年の富樫佑太とともに文字通り数字で牽引した。実際に話してみると良い意味で「普通のお兄ちゃん」感がある所も個人的には高ポイント(笑)。

【FW】
レオナルド(鳥取) 30試合出場23得点8アシスト

 開幕から5戦連発で一気に注目を集めたブラジリアンストライカーは、その後も得点ランキングトップを独走。9割近いゴールをペナルティエリア内から決めている通り、独特の得点感覚で勝負するタイプだけに、J3のディフェンス陣はどのチームもその掴みづらい動きに惑わされてきた。パートナーを選ばないスタイルは、さらなるステップアップの可能性を十分に秘めている。

 2月からいろいろと好き勝手に書かせていただいてきた今季の担当コラムも、今回で終了となります。特定のクラブの番記者という立場ではないため、人間関係やキャリアに寄った文章が大半でしたが、J2とJ3を観戦する上で少しでも皆さんの興味の幅が広がるお手伝いができればと思って、毎回ネタを絞り出してまいりました(笑)。ですので、このコラムたちがほんの少しでも、皆さんのサッカーライフに彩りを加えられていたなら、これ以上に嬉しいことはありません。1シーズンお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました!

文=土屋雅史
写真=©J.LEAGUE

J3は当せんの行方を左右する重要な要素。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ3攻略のカギを語る! サッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/top/)』にて、『今週のJ3(http://www.totoone.jp/j3/)』が好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。

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