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「いいアスリートといいサッカー選手は別物」…ヴィッセル神戸が目指す“動ける身体づくり”

[写真]=大木雄介

身体の動きや機能性を重視


 アンドレス・イニエスタの加入で世界中から注目されているヴィッセル神戸には、日本、スペイン、ドイツ、ブラジル、韓国、タイ、カタールの7カ国の選手が所属している。骨格や筋肉、心肺機能などに違いがある多国籍軍のコンディション調整は、かなり複雑だと思われる。この難問と向き合ってきた一人が、田中章博コンディショニングコーチだ。3年前まで国立スポーツ科学センターという日本を代表する研究施設でキャリアを積んできた人物である。

「ヴィッセルにおけるコンディショニングコーチは、フィジカルコーチとメディカルスタッフとの中間的な立場です。咲花(正弥)フィジカルコーチと協力して、選手たちが最高のパフォーマンスを出せるようにするのが自分の仕事。中間的な立場と言ったのは、ケガから復帰した選手がスムーズにチームへ合流できるようにするパイプ役でもあるからです。ヴィッセルは3年目ですが、確かに今シーズンは外国籍選手が多く気を使う部分もあります。でも、特に筋力や骨格が違うことによる苦労はないです。というのも、ヴィッセルではアシックスのスポーツ工学研究所(兵庫県神戸市)での測定、FMS(ファンクショナル・ムーブメント・スクリーニング)のデータを収集するなど、国籍に関係なく選手に合わせたプログラムを組むからです」

 FMSでは身体の動きや機能性を評価し、選手個々の弱い部分や硬い部分といった悪い傾向を把握する。それに基づいて大きくチーム用のプログラムを組み、また個々のメニューも提案しながらパフォーマンスの向上につなげるという。

 シーズン途中に加入した古橋亨梧は、田中コーチのプログラムで身体の変化を感じている一人だ。

「昨年、ケガをした肩は弱いと感じていて、肩周りの補強を相談しました。左右のバランスなどを調べてメニューを組んでもらい、コンタクトプレーとか、一歩目のスピードとか、徐々に効果を感じています。でも、あまり筋肉を付け過ぎてもサッカー選手としての動きが悪くなる場合もあるので、徐々に強くしていっている感じです」

サッカー選手の身体づくり


 古橋の話す“サッカー選手としての動き”は、今シーズンのヴィッセル神戸が最もこだわってきた部分である。サッカーのドイツ代表やアメリカ代表に限らず、バスケットボール、アメリカンフットボール、陸上競技など多くのアスリートを指導してきた咲花フィジカルコーチは、ヴィッセル神戸におけるテーマをこう説明する。

「田中コーチと一緒にヴィッセルで取り組んでいるのは、サッカー選手としてちゃんとした動きができるようにすることです。サッカーはボールを蹴ってゴールに入れるのが最終目的ですけど、そこへいく過程では走ったり、止まったり、方向を変えたりといろいろな動作が求められます。人間がそういう動きをする上では、間接が柔らかいとか、パワーや筋力があるとか、様々な条件がかかわってきます。つまり“ムーブメント”をとても大事にしてきました」

 例えば、イニエスタの身体。アスリートとしては筋肉が少ないといった指摘もある。だが、サッカー選手の身体としてはどうか。その観点でいえば、イニエスタは“自分のスタイルに適した身体”をしていると咲花コーチは話す。

「いいアスリートといいサッカー選手は別物だって言い方をよくします。それは“完璧なサッカー選手の身体”というプロファイルがないからです。個々でプレースタイルも違いますし、持っている技術も、選手としてのキャリアも違いますからね。イニエスタの場合は、筋肉量が少ないといった見方をされることもありますが、股関節もよく動きますし、体の中心もバランスが取れている。いいムーブメントができる体になっています。プレーを見ても、無駄がなく、すごく軽やかに動きます。彼のサッカーを体現するために作られた“しなやかな身体”だと言えます」

試合前にスイッチを入れる


 他にも、選手たちが常に持っているパフォーマンスを出すために、水分補給やリカバリーのタイミング、オフ日の確保など、様々な試みが行われている。その中で、試合直前の“スイッチ”的な意味合いで行っているのがルーティンだと咲花コーチは話す。

「約40分のアップの中の8分くらいですが、毎回同じ体の動かし方を実施しています。内容はシーズンを通して、あえて変えていません。練習はマンネリを避けて、いろいろなバリエーションを持たせたほうがいいと思います。でも、試合は決まったルーティンを続けていくほうが、うまく試合に入っていけると思います。同じ動作の繰り返しで、心の準備ができるようになるからです。同じくルーティンによって身体も自然と反応するようになってきます。最後の仕上げのようなイメージですね」

 サッカー選手として、いかに動ける身体を作るかというテーマでトレーニングを続けてきたヴィッセル神戸の選手たち。トレーニングジャケットの内側にその成果を忍ばせ、集大成となる残り2節のキックオフを待つ。

文=白井邦彦

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試合前の戦闘服


ゲーム前の移動、スタジアムへの入場。ヴィッセル神戸の選手たちはアンセムジャケット『LIMO』をまとい、勝負のときを迎える。

 

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