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【土屋雅史氏のJ2展望】昇格を争う福岡と大宮の直接対決に注目!…栃木のDFを育んだ『心で勝負』のモットー

6位の福岡と、5位の大宮による直接対決。J1昇格争いを占ううえで重要な一戦だ。

■福岡と大宮の最終ラインに立つ、FC東京U-18時代の“先輩後輩”

 リーグ前節の愛媛戦で4試合ぶりの白星を手にし、6位に踏みとどまっている福岡と、夏以降の猛烈な追い上げで5位まで浮上してきた大宮が、同じ勝ち点57という状況で対峙する、第35節の最注目カード。この2チームではシーズン途中に加入した、似たような境遇の“先輩後輩”が最終ラインを束ねています。

 6月22日。福岡はFC東京から吉本一謙が、期限付き移籍で加わることをリリース。そこまでのシーズンはリーグ戦3試合でベンチに入ったものの、J1での出場試合はゼロ。J3では3試合に出場していましたが、ほとんどゲームに起用されていなかった30歳のディフェンダーを、なかなかセンターバックの軸が定まらなかった福岡は即戦力として獲得。加入後初出場となった第25節の徳島戦で敗れると、しばらく出場機会は訪れませんでしたが、再びスタメンでピッチに立った第30節の新潟戦で完封勝利に貢献し、以降は前節まで6試合続けてフル出場。パートナーを組む篠原弘次郎との連携も、試合を追うごとに確実に高まっていることは間違いありません。

 7月19日。大宮は名古屋から畑尾大翔を期限付き移籍で獲得します。そこまでのシーズンはリーグ戦3試合に出場したものの、いずれも勝利を手にすることはできず。同じポジションに中谷進之介、丸山祐市と2人の実力者が加わったこともあって多くの出場機会が見込めない畑尾を、ややディフェンスラインに不安を抱えていた大宮は即戦力として獲得。スタメンに指名された第28節の愛媛戦で勝利を掴むと、前節まで7試合続けてスタメンフル出場を続けており、その間のチームは勝ち点16を上積み。昇格プレーオフ圏内へ浮上した大宮に、彼のプレーが小さくない影響をもたらしていることは誰もが認める事実でしょう。

 そんな吉本と畑尾が高校時代を過ごしたチームがFC東京U-18。1988年生まれの吉本と、1990年生まれの畑尾は2学年違いの先輩後輩。前者の同期には権田修一、森村昂太らが、後者の同期には三田啓貴、藤原広太朗、岩渕良太らが、その間の学年には大竹洋平、宮阪政樹、椋原健太、岡田翔平らが揃うタレント豊富なチームの中で、センターバックという共通項も相まって、畑尾は吉本のコーチングを参考にしていたとの話も。ともにゲームに出る機会は多くなかったかもしれませんが、既に1年生からAチームには絡んでいた“後輩”にとって、“先輩”から学ぶことが多岐に渡っていたことは想像に難くありません。

 2人がリーグ戦の舞台で初めて顔を合わせたのは、2016年のJ1セカンドステージ第2節。揃って途中出場で10分弱の再会となったゲームの結果は、ホームで1-0とFC東京が勝利。先輩が意地を見せる格好となったものの、ルヴァン杯を含めても公式戦での直接対決はこの1試合のみ。吉本も畑尾も今節にはいろいろな想いを抱えて臨むことになるのではないでしょうか。

 福岡は1試合消化が少ないとはいえ、残されたリーグ戦は9試合に8試合と、もはやシーズンも大詰めに差し掛かったタイミングだけあって、どちらも絶対に負けたくない一戦。激闘必至の90分間は、因縁の浅くない両チームのセンターバックにも注目しつつ、今の流れを考えると、やはり大宮の勢いは無視できない所。ここはアウェイ勝利の「2」で勝負します!

■チャンスをつかんだ栃木の若きディフェンダー…「自信を持ってやっている」

 4連勝から一転して『3』まで伸びていた連敗を前節の勝利でストップしたばかりの14位・栃木と、2試合連続ドローで7位へと一歩後退した東京Vがグリスタで激突する一戦。ここでフィーチャーするのは、夏前から定位置を掴んでいる栃木の若手ディフェンダーです。

 福岡将太。22歳。JACPA東京FCでキャリアをスタートさせた彼が、初めて全国の舞台に登場したのは実践学園高校時代。周囲には3年生の実力者がひしめく中、唯一の2年生レギュラーとしてインターハイ、高校選手権と東京予選を勝ち上がって全国出場権を獲得しており、とりわけ選手権では東京代表の特権でもある開幕戦にもスタメンで登場し、国立競技場でプレー。本人も「5000人の中でプレーしたことは、凄く良い経験にもなっています」と当時を振り返ります。

 実践学園サッカー部のモットーは『心で勝負』。キャプテンはポジションに関わらず、代々10番を背負う伝統があり、福岡も3年時は10番を付けてチームを牽引。「試合に対する気持ちの入れ方というのは、実践も『心で勝負』というのがあったので、それは無意識の中でありますし、チーム全体だけじゃなくて、サポーターの皆さんの分の気持ちも背負って試合に出ている意識は強いです」と、高校時代の環境が今に与える影響も明言しているように、想いを力に変えるメンタリティは人一倍持ち合わせていると言って良さそうです。

 ただ、高卒ルーキーとして加入した湘南では、驚異の勝ち点101を叩き出し、最速でのJ1昇格を達成するなど、圧倒的な強さを誇ったチームの中で出場機会を得ることはできず、プロ2年目の2015年からは福島で2シーズンに渡って期限付きでプレーすると、栃木への完全移籍を決断。昨季は序盤戦こそスタメン出場が多かったものの、J2昇格争いの差し迫った中盤戦以降はベンチ入りもままならず、今季もなかなかレギュラーを掴み切れませんでした。

 そんな流れが変わったのは、栃木が泥沼の6連敗を喫していた6月中旬前後。第19節の金沢戦で後半開始から45分間プレーすると、第20節の東京V戦でスタメンフル出場を果たし、以降は第22節から始まったチームの9戦無敗を最終ラインで支える格好に。「前はビルドアップに全然参加したくない自分もいたんですけど、今は結構自信を持って受けられている部分もあるので、『失敗しても次に行けばいいや』という気持ちにもなれています」と自身の変化も口にしています。

 プロ5年目にして、ようやく手にしつつあるレギュラーの座。それでも福岡は環境に甘んじることなく、足元を見つめる大事さを強調します。「今やっと3バックの一角で落ち着いてきたかなというのはありますけど、どっしり構えておかないといつ足をすくわれるか分からないので、しっかり地に足を着けて、出ている時だからこそ気を抜かずに、『こういうことをやっているから試合に出ているんだな』というのを、周りにどんどん影響させていければいいかなと思うので、天狗にならずにしっかり頑張っていきたいと思います」。前節の京都戦ではシーズン2点目となる先制ゴールをマークし、4試合ぶりの勝ち点3獲得に攻撃面でも貢献してみせた背番号17のディフェンダーは、きっとこれからもさらなる飛躍を遂げていくことでしょう。

 昨季同様に昇格プレーオフ進出圏内を窺う東京Vですが、ここ2試合は順位が下の熊本、岐阜に勝ち切れない試合が続いており、ややバイオリズムは停滞気味。このゲームは福岡の活躍にも注目しつつ、吹っ切れた栃木がホームでの連敗もストップすると予想。ホーム勝利の「1」にマークします!

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第35節
2018年9月29日(土)18時キックオフ
アビスパ福岡vs大宮アルディージャ(レベルファイブスタジアム)

■明治安田生命J2リーグ第35節
2018年9月30日(日)14時キックオフ
栃木SCvs東京ヴェルディ(栃木県グリーンスタジアム)

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