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「エンターテイメントとしての価値を示す時」…鈴木啓太氏が語るJリーグ観戦の魅力

鈴木啓太さんが語るJリーグ観戦の魅力とは? [写真]=野口岳彦

現在「サッカーキング」では、Jリーグ観戦チケットや選手サイン入りユニフォームなどの豪華賞品が当たるユーザー限定のDAZN(ダゾーン)入会キャンペーンを実施している。応募方法は期間中(〜6月24日)にサッカーキング内の専用リンクからDAZNに新規登録するだけ。「A賞」に当選すれば、DAZNアンバサダー・鈴木啓太さんの解説付きJリーグ観戦イベントに参加することができる。本キャンペーンにご協力いただいた鈴木啓太さんに元プロ選手ならではのJリーグの観戦術、そしてJリーグ観戦の魅力を語ってもらった。

■試合内容だけでなく、エンターテイメントとして

——Jリーグをスタンド観戦する時、どんな視点で試合を見ていますか?

意識しているのはゲーム内容そのものですね。監督がどんな意図を持って、選手たちにどんなプレーをさせているのか、実際にトレーニングでやっていることをどれぐらい落とし込めているのか、そういう細かいところを見ています。

——現役時代と引退後でサッカーの見方は変わりましたか?

現役時代は試合内容ばかりに目が向いていたんですが、最近はスタジアムの雰囲気だとか、お客さんの反応だとか、様々な視点で見るようになりました。どうすればサッカーをエンターテイメントとして楽しめるか。試合前の過ごし方とか、スタジアムに入るまでの行動とか、ピッチの外にも目が向くようになりましたね。

——外から見ることでより視野が広がったと?

ファンの皆さんが普段どんな視点で試合を見ているかは分からないですが、皆さんは試合の前後も楽しんでいますよね。お酒を飲んだり、ご飯を食べたり、買い物をしたり。それは現役時代には見えていなかった部分なんですが、スタジアムで半日楽しめるというのはいいですよね。スタジアムの周りでは子どもたちが芝生の上でサッカーしている。試合後はファン同士がその日の試合を「ああでもない、こうでもない」と言いながら帰っていく。サッカー観戦にはそういう楽しみ方もある。内容だけでなく、エンターテイメントとして楽しんでいるんだなと。

——「サッカーはエンターテイメント」という感覚は現役時代からお持ちでしたか?

パフォーマンスをするという意味で選手はエンターテイナーでなければいけないという感覚はもちろんありました。特に僕の場合は無観客試合が大きな転機になりましたね。サッカーにおいては、見てくれる人がいること、その熱がとても大切なんだと。ゴールを奪った後のサポーターの熱気、失点した後の静寂、選手に文句を言ったり、悲しい雰囲気になったり……スタジアムの中にはそういう感情の揺れ動きがある。それを実感してからは、なぜ自分はサッカーをしているのかというのを考えるようになったし、サッカーはエンターテイメントであるべきだというところに意識が向くようになりました。

——元プロ選手ならではの観戦の楽しみ方はありますか?

ゲームがうまくいっているのか、いっていないのか。そういう視点で見ると楽しいと思います。チームによって戦術は違いますが、その戦術が試合の中にちゃんと表れているか。例えば、引いて守るチームがあるとします。これは一つの戦術なので、そこに良い、悪いはない。その戦術を徹底した結果、相手が攻めあぐねて、カウンターからゴールを奪う……トレーニングでやってきたこと、監督が指示したことが試合の中で出て、「これを狙っていたんだな」というのが見えると面白いですね。逆にそれが分からないチームは「何をやろうとしているんだろう?」となるし、面白みに欠けます。もちろん、選手個々のテクニックやスキルを楽しむのもいいんですが、やっぱりサッカーは11人でやるスポーツですし、そこには監督の狙いなども色濃く反映される。それが表現できているかどうかを見るのはサッカーの面白い部分だと思います。

——JリーグをDAZN(ダゾーン)の配信で見るファンも増えました。

まずどこででも見られるのは大きな魅力ですよね。いつでもどこでも見られるから、場所を選ばないし、人も選ばない。これまでは「みんなでサッカーを見よう」と思ったら、特定の時間にどこかに集まらなければいけなかった。ところが今は、端末さえあれば「今から見よう」、「ここで見よう」ということが起こり得る。普段の生活の中にサッカーがスッと入って来た。これまでサッカーを知らなかった人がサッカーに触れるいいツールになるのかなと。何より、「あの試合どうだった?」という時に、すぐに見返すことができるのはいいですね。選手にとってもすごく便利になったと思います。

——DAZNの参入によって視聴方法はもちろん、Jリーグそのものにもいろいろな変化が出てきたと思います。その変化を感じますか?

日本のサッカー界にとって必要なことをDAZNさんがやってくれているのかなと思います。これまでJリーグは時間をかけてファンやサッカーを育ててきましたが、今考えないといけないのはエンターテイメントとしてのJリーグです。エンターテイメントにはたくさんの競合がある。そういう意味でDAZNは、サッカー界、スポーツ界、エンターテイメント界を変えようとしてくれているのかなと思います。

——ビッグネームが日本にやって来る最近の傾向については?

これは大歓迎です。子どもたちが間近で世界的なスーパースターのプレーを見られるのはエンターテイメントの観点でも大きいですよね。Jリーグがなくなることはないと思いますけど、注目されなければどんどん淘汰されていく。だからこそ、ビッグネームがやって来て、Jリーグでプレーしてくれるという最近の状況は、あらゆる面でいい方向に進んでいるなと思います。

——ドゥンガやレオナルド、ストイコビッチがプレーしていた90年代を知るJリーグファンは、そういう時代がまた来ることを期待しています。

「誰を見に行きたいのか」。スポーツ観戦の入り口はそういうところですよね。僕のところにでさえ、友人からSNSで「イニエスタは本当に来るのか?」、「来たら神戸まで見に行こう!」というメッセージが来ました。そういうことがいろいろなところで起きていると思うんです。全国からお客さんを呼べると思うし、それだけでエンターテイメントとしての価値がありますよね。そういう現象が各チームで起こっていけば、子どもたちの夢はより膨らむ。サッカーの内容は年々向上していると思いますが、さらに上へ行くためには注目を浴びることが重要なんです。

■サッカー熱が高まっている状況を生かせるか

——Jリーグは前半戦が終わって中断期間に入りました。W杯イヤーということで開幕から過密日程が続きましたが、やはり選手にとって連戦はキツイものですか?

選手は常に試合に出たいものですし、疲れていてもやりたいと言います。ただ、25年リーグをやってきたことで各クラブにはいろいろな知見があるし、選手をうまく休ませるノウハウも整いつつある。もちろん、チームによって戦力面の差はあるでしょうけど、どのチームもうまく選手を入れ替えて、いろいろな組み合わせを考えながらやっていたと思います。こういう日程もリーグ全体にとっていい経験なのかなと思います。

——ファンにとっては週に2試合見られるというのはうれしい状況だったと思います。

それがリアルな声ですよね。だから選手はサポーターのために走るしかない。とにかく頑張ればいい(笑)。

——古巣の浦和は14位という結果でした。前半戦を総括してください。

ポイントは3つあったと思います。1つは昨季のACLを制してアジアチャンピオンとして新シーズンを迎えたこと。開幕前は「これからまた浦和の時代が来るんじゃないか」という、周囲の期待、自分たちに対する期待があったと思います。ところが、主力のラファエル・シルバがいなくなってしまった。これが2つ目のポイントですね。クラブもある程度は計算していたと思いますが、タイミングとしては「まさか」というのがあったと思います。そして3つ目は監督。この短期間で2度も監督交代がありました。この半年でいろいろなイレギュラーが起きて、難しかったと思います。それでも、浦和ぐらい総合力のあるチームであれば、15連戦の中でもう少し勝ち点を積み重ねなければいけなかったと思います。

——後半戦に向けてチームがやるべきことは何でしょう?

オズワルド オリヴェイラ監督になって選手の見極めは進んでいると思います。今まで試合に出ていなかった選手が出場機会を得たり、そういう変化は出てきている。あとは中断期間にどこまでチームを仕上げられるか。そこが監督の仕事だと思いますし、それができるだけの実績がある監督ですから。浦和のサポーターは期待しているでしょうね。

——啓太さんの恩師でもあるミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、札幌で前半戦5位という好成績を残しています。ミシャはどんな監督ですか?

一言で言えば、とにかく愛情に溢れている監督ですね。本当に選手のことを考えてくれています。

——札幌躍進の要因は何でしょう?

ミシャの就任が決まった時点で、僕は「札幌は強くなるだろうな」と思っていました。5位という成績はさすがに予想しづらいものでしたが、サッカーの質は絶対に向上するだろうと。ミシャと一緒に仕事をすると選手はサッカーがうまくなるんです。それは僕自身、身をもって経験しているので間違いない。ミシャは選手のポテンシャルを引き出すのが本当にうまいので、札幌のような伸び盛りのチームで指揮を執ると聞いた時に、「面白いチームを作るだろうな」と予感していました。

——前半戦は横浜FMの攻撃的なスタイルも話題になりました。横浜FMのサッカーをどう見ていますか?

面白いですよね。世界のトレンドの一つなんでしょうけど、周囲は「本当にそれをやれるのか?」と注目していると思います。今のJリーグは堅守速攻のスタイルが一般的ですし、それが一番結果を出しやすいというのもある。そういう中で新たなスタイルにチャレンジすることには、ものすごく価値がある。破壊するのではなく創造する。結果としてうまくいくかどうかは分からないですが、Jリーグの中にそういうスタイルのチームが出てきたことは非常に面白いと思います。

——後半戦に向けてJリーグに期待することは何ですか?

W杯イヤーということもあって、今年は普段の年よりも明らかにサッカー熱は高まっていると思います。ビッグネームが来るかもしれないという期待も高まっていますし、だからこそ、そういう状況を最大限に生かさないといけない。そのためにも、プレーしている選手、そこで働いている人たちがワクワクした気持ち、生き生きとした表情で仕事をすることが大事だと思います。サッカーに興味を持った人に対して、Jリーグ全体がどうアプローチできるか。そういうところに期待したいです。

——そういうものが見えやすい環境になりつつあります。

そうですよ。スタジアムに行かなくてもDAZNで試合を見られるわけですから。すごい時代になりました。ただ、最初はぜひスタジアムに足を運んでもらいたいですね。そういう世の中になってほしいと思います。アウェーも含め、まずはスタジアムに足を運ぶ……それぐらいじゃないと経済は回りませんから。その道中、行きと帰りにDAZNで予習と復習をするみたいな(笑)。DAZNで予習と復習をして、本番はスタジアムで! これで決まりですね(笑)。

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