2018.06.01

【土屋雅史氏のJ2展望】千葉vs山口は今節注目の好カード…岡山vs山形では浦和ユースの同級生対決も

好カードとなった千葉vs山口では、岸田和人(左)と清武功暉(右)の”同級生対決”が実現する可能性がある [写真]=J.LEAGUE
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■大分県に生を受けた同級生フォワードが、フクアリで相まみえる

 リーグ前節は熊本に競り勝って13位へ浮上した千葉と、開幕からの好調を維持し、自動昇格圏内の2位と躍進の続く山口がフクアリで激突する注目の好カード。このゲームでは切り札としての投入が濃厚な、同級生フォワードの再会に目を向けたいと思います。

 山口の岸田和人と千葉の清武功暉は大分県出身。双子の弟でもある翔平とともに、U-12から大分トリニータでプレーしていた岸田に対し、清武はカティオーラFCを経てU-15からトリニータへ加入。中学年代で初めて彼らはチームメイトになります。

 以前もご紹介したことがありますが、彼らが所属していた時代のトリニータの下部組織は、まさに人材の宝庫。1つ上の学年はユース在籍中にJリーグデビューを果たした小手川宏基を筆頭に、清武弘嗣、石田良輔、井上裕大と4人のトップ昇格者が揃い、同級生にはこの学年で唯一のトップ昇格を勝ち獲った東慶悟、愛媛でプロになった越智亮介とのちのJリーガーが5人も在籍。1つ下には刀根良輔とU-15から静岡学園に進んだ戸高弘貴、2つ下には松原健に角野翔汰と、とにかく実力者が居並ぶ陣容でした。

 清武は比較的早い段階でゲームに出始めましたが、U-18昇格当時の岸田はディフェンダー登録。むしろ翔平がフォワードとして実践経験を積み上げていく一方で、なかなか出場機会を得られません。ただ、前述したようにこの学年でトップに昇格したのは東のみでした。岸田と清武は九州の名門として知られる福岡大学へ進学。4年間での研鑽を誓い、福岡の地で新たなステップを踏み出します。

 当時の福岡大もトリニータに負けず劣らずのタレント集団で、彼らが1年の時には4年に藤田直之、末吉隼也、福井諒司、3年に永井謙佑、2年に石津大介、黒木恭平と今でもJクラブで主力を張っている選手が多数在籍していたなかで、清武は1年時のインカレ決勝を翔平とともにスタメンで経験したものの、岸田は全国レベルで目立った活躍を見せるまでには至りません。

 印象的だったのは彼らにとって、大学最後の大会となった4年のインカレ。福岡大は準々決勝で明治大、準決勝で阪南大と強豪を相次いで破り、3年ぶりのファイナルへと駒を進めます。相手は早稲田大。岸田はPKで1点を奪い、清武はロングスロー、コーナーキック、フリーキックとほぼすべてのセットプレーを担当するなど奮闘しますが、結果は1-3でまたも準優勝。ただ、鳥栖入団が内定していた清武とは対照的に、進路の決まっていなかった岸田は、この大会でのプレーが認められ、町田への加入が決定。10年間を同じチームで過ごした両者は、どちらもプロサッカー選手として別々の道を歩むことになったのです。

 特別指定選手時代にJ1デビューを果たし、小さくない期待を集めていた清武でしたが、鳥栖ではなかなか出番に恵まれず、2015年シーズン途中に育成型期限付き移籍で加わった熊本でブレイク。途中加入ながら19試合7得点と結果を残し、翌シーズンも期限を延長して熊本のエースの重責を担うと、37試合12得点と見事な結果を出します。千葉へと移籍した2017年シーズンも11得点を奪い、2年連続で二桁ゴールをマークしてみせました。

 また、岸田はJFL時代の町田でレギュラーを掴み切れず、プロ2年目の夏に同じJFL所属の山口へ期限付きで移籍すると、これが大正解。途中加入にもかかわらず、21試合17得点の大爆発でチームをJ3昇格へ導き、翌シーズンも34試合32得点という驚異的な数字を叩き出し、2年連続となる昇格に貢献。彼本来の力をもってすれば、J2での2シーズンではなかなか真価を発揮しきれていませんが、第14節の東京V戦で貴重なゴールをマーク。とりわけ今は結果を出し続けたい所です。

山口で才能を開花させた岸田(左)。対する清武(右)は、千葉にとって欠かせない存在となっている [写真]=J.LEAGUE

 過去の2人の対戦成績を振り返ると、清武から見て2戦2勝。とりわけ昨季のJ2第27節では、89分に岸田が同点ゴールを挙げるも、90+3分に清武が勝ち越しゴールを奪うという劇的な展開で、明暗の分かれた両者。岸田はリベンジを誓っていることでしょう。そんな因縁も含まれるこの一戦ですが、今の勢いとチームのバイオリズムを考えても、やはり山口がやや上回ると予想。ここは「2」にマークしたいと思います。

■黄金の浦和ユースで切磋琢磨したふたりが再会か

 リーグ前節の町田戦で4試合ぶりの白星を手にし、1つ順位を上げた4位の岡山と、4戦無敗で14位の山形がCスタで対峙する今節。このゲームからも同級生が再会する可能性にスポットを当てたいと考えています。

 岡山の濱田水輝と山形の阪野豊史は浦和ユースの同級生。同じく同期の山田直輝、高橋峻希、永田拓也らがジュニアユースからの昇格組だったのに対し、濱田は中学3年時にアメリカから帰国し、いくつかの選択肢の中から浦和ユースを選んだため、前所属はアメリカのサンタクララ・ラッカスに。また、阪野も三郷ジュニアユースFCから浦和ユースに加入しており、2人は当初ユースからの加入組という扱い。とりわけメンバー表の前所属に記載されていた“サンタクララ・ラッカス”というのは、なかなかのインパクトだったことを覚えています(笑)。

 昨年の第938回で山田と永田の関係性をフィーチャーした際にもご紹介しましたが、彼らが高校3年時の高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権は、とにかく浦和ユースの圧倒的な強さが際立った大会。柴田大知、岡本拓也、原口元気に濱田、阪野、山田、高橋、永田と8人に及ぶ後のJリーガーを擁し、センターバックは早稲田大でもコンビを組み、岸田と清武の福岡大を倒してインカレ優勝を成し遂げた菅井順平と山地翔のコンビが構える布陣で、1次ラウンドを首位で抜け出すと、ベスト16では山口蛍、丸橋祐介、扇原貴宏らのC大阪U-18を、ベスト8では大迫勇也率いる鹿児島城西を続けて撃破。準決勝でも作陽を延長の末に退け、ファイナルは名古屋U-18を9-1で粉砕して頂点まで。濱田と阪野も全7試合でスタメン出場を果たし、浦和ユースの歴史にその名を刻みます。

 トップ昇格を果たした濱田は、ルーキーイヤーからJリーグデビューを果たしたものの、加入から4シーズンでの出番は限られ、2013年には新潟へ期限付き移籍。1年で帰還した浦和でも定位置は勝ち獲れず、2015年に福岡へ完全移籍すると、負傷離脱した時期を除けば主力として試合に出続けつつ、昇格プレーオフの2試合にもフル出場して、最後方からチームのJ1復帰を支える活躍を。ここ2年は出場時間を減らしていたなかで、今季からは岡山に新天地を求め、第5節以降は3バックの一角として存在感を高めています。

 阪野は進学した明治大で、2年時から久保裕一や、現在は日本テレビのアナウンサーとして活躍中の山本紘之、山村佑樹らとポジションを争いながら公式戦に登場し始め、3年時は不動の地位を確立した上に、リーグ戦では16得点を記録して得点王に輝く活躍。卒業後は浦和へと帰還し、2年目の2014年シーズンは濱田と再びチームメイトになりましたが、リーグ戦の出場機会は与えられず、2015年シーズンは栃木へと期限付き移籍。ここで41試合6得点と実戦経験を積み重ね、翌シーズンも期限付きで加わった愛媛で41試合12得点とようやくブレイク。その愛媛で薫陶を受けた木山隆之監督とともに、完全移籍となった2017年の山形でも42試合13得点でチームのトップスコアラーに。今季はここまで2得点と結果は残し切れていないものの、中盤戦以降の爆発に期待が掛かるのは言うまでもありません。

浦和ユースが生み出した濱田(左)と阪野(右)。今節ピッチ上で対決が実現する可能性は十分だ [写真]=J.LEAGUE

 過去に2度あった濱田と阪野の直接対決は、いずれもスコアレスドローで決着はつかず。2人のポジションで考えると、無失点に抑えた濱田の方が良いイメージを持っているでしょうか。なお、岡山と山形のリーグ戦における対戦成績は、岡山から見て7勝1分2敗と一方的な数字が。予想の難しい90分間ではあるものの、いくつかのデータを見比べながら、ここは濱田の阪野に対する意地も考慮して、岡山の勝利を予想。「1」で勝負しましょう!

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第17節
2018年6月2日(土)17時キックオフ
ジェフユナイテッド千葉vsレノファ山口FC(フクダ電子アリーナ)

■明治安田生命J2リーグ第17節
2018年6月2日(土)19時キックオフ
ファジアーノ岡山vsモンテディオ山形(シティライトスタジアム)

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