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【土屋雅史氏のJ2展望】松本は中銀スタで好調岡山を迎え撃つ…金沢の“愛されキャラ”は古巣大宮と対戦

金沢のDF沼田圭悟は今節、古巣の大宮と対戦する [写真]=J.LEAGUE

■J1昇格プレーオフの名勝負を経て……今季対照的な成績の両チームが激突!

 アルウィンが芝生の全面張り替え中ということもあって、すべて敵地での戦いを強いられた開幕3連戦は2分1敗。迎えた今節のホーム開幕戦も、甲府の山梨中銀スタジアムで開催されることになっている17位の松本。対照的に3連勝と開幕ダッシュに成功した2位の岡山と対峙する一戦は、記憶に新しい2016年J1昇格プレーオフ準決勝のカードでもあります。

対照的な開幕スタートとなった両チームによる一戦。2016年のJ1昇格プレーオフで対戦した際には、劇的な幕切れが待っていた。

 2010年にJFL、2012年にJ2へと昇格した松本に対し、2008年にJFL、2009年にJ2と、一足先にカテゴリーを駆け上がった岡山。2007年の地域決勝大会には共に出場したものの、優勝とJFL昇格を手にした後者と、グループリーグで敗退した前者は相まみえることなく、初対戦は松本がJ2参入を果たした2012年のことになります(ちなみに、そのゲームの決勝ゴールはFW川又堅碁でした!)。

 その後はいわば “後輩”に当たる松本のJ1昇格を受け、1シーズンの空白はありながら、それ以外は毎年のようにリーグ戦で顔を合わせ続けてきた両雄ですが、おそらく双方のサポーターにとって、最も忘れられない対戦は前述した2016年の“準決勝”で異論はないはずです。

 レギュラーシーズンを3位で終え、プレーオフへ回ることになったのはホームの松本。一方、終盤戦に急失速を強いられながら、何とか6位で昇格への望みを繋いだ岡山。決戦の舞台は雨のアルウィン。サポーターの熱気でスタンドから“湯気”が立ち上るほどヒートアップした状態で、運命の一戦はキックオフを迎えました。

 先制したのは岡山。23分、フィード1本にFW押谷祐樹が抜け出して、冷静にフィニッシュ。1点のリードを奪いましたが、後半に入って74分にMFパウリーニョが執念の同点弾を叩き込み、試合は振り出しに。このままなら松本の決勝進出が決まるシチュエーションの中、ゲームはアディショナルタイムに突入します。すると、その時は90+2分。FW豊川雄太の落としに飛び込んだFW赤嶺真吾が、GKを冷静に見極めながらフィニッシュ。ボールはスローモーションのように、ゆっくりと、ゆっくりと、ゴールネットへ到達します。静まり返るスタンドのほんの一角で、狂喜する岡山サポーター。劇的過ぎる展開に、記者席にいながら体が震えたことを今でも強く記憶しています。

 あれから1年半。あの日のアルウィンで最後の最後に失点を許したホームチームの3バックの内、DF喜山康平とDF後藤圭太は古巣でもある岡山へと移籍。今季は揃って定位置を確保し、高卒ルーキーのDF阿部海大を含む3バックのユニットで、ここまでリーグ戦無失点という鉄壁のディフェンス陣を形成しています。また、DF飯田真輝は言うまでもなく、当時と同様に松本の3バック中央という不動のポジションを務め、開幕からフル出場。やや結果の出ないチームを最後方から支え続けているのです。

 前述したように“3戦未勝利”と“3連勝”と、開幕からここまでは明暗の分かれる格好になった両者。ただ、松本の前節はFWアラン・ピニェイロのとんでもないオーバーヘッドで東京Vに沈んだ中でも、FW永井龍に移籍後初ゴールが飛び出した上、3-5-2と3-4-2-1の併用にも明るい兆しが。また、岡山も前節の大分戦でエースの赤嶺に今季初ゴールが生まれており、新加入のMF上田康太、FWイ・ヨンジェ、DF椋原健太らも実力者としての存在感を発揮。5得点無失点と理想的な攻守のバランスを誇っています。

 なお、両者の対戦成績は昇格プレーオフも含めると、松本から見て2勝4分5敗。2013年9月以降の対戦は4分4敗で8戦連続未勝利と、岡山との相性はかなり悪いと言えそうです。ここは現状を照らし合わせ、スタジアムも考慮すると、岡山にデータ面と勢いで分があると考え、アウェイ勝利の「2」で勝負したいと思います。

■これまでの所属クラブで確かな足跡を残してきた、金沢の背番号45番

 昇格候補筆頭との呼び声も高い中で、開幕節こそ甲府に勝利したものの、以降は町田、徳島と連敗を喫し、厳しいスタートとなった11位の大宮が、こちらも開幕戦で愛媛に逆転勝ちを収めながら、ここ2試合は共に1点差で敗れ、12位につけている金沢とNACK5スタジアム大宮で激突する第4節。このゲームからは、古巣対決に臨む“愛されキャラ”をご紹介したいと考えています。

 金沢の45番を背負い、不動の左サイドバックを任されているDF沼田圭悟は、群馬県高崎市出身。小学生時代は群馬に所属するMF松下裕樹やDF坪内秀介も在籍した高崎FCイーグルでプレーし、高崎FCを経て、高校は高崎経済大附属高校に進学。2年時のインターハイ予選では決勝、3年時の選手権予選では準決勝まで進出するも、全国出場は果たせず、卒業後はブラジルへの武者修行を敢行します。

 そんな彼の名前がフィーチャーされたのは2012年初頭。ジョゼ・カルロス・セホーン監督と呂比須ワグナーヘッドコーチがタッグを組んでいたG大阪の練習に参加すると、そのままプロ契約を締結。ブラジルからの『逆輸入選手』として注目を集めながら、いきなり大阪の名門クラブで、Jリーガーとしてのキャリアがスタートしました。

 ただ、同じポジションを争うDF藤春廣輝とDFオ・ジェソクの壁は厚く、1年目は天皇杯とACLに1試合ずつ出ただけで、2年目の公式戦出場はなかった沼田がブレイクを果たしたのはプロ3年目のこと。期限付き移籍で加わった讃岐で、後半戦からレギュラーを確保し、左サイドバックながらチーム2位の5得点を記録。完全移籍となった翌2015年シーズンは1年を通じて試合に出続け、やはりチーム2位の5得点をマーク。大きな飛躍を果たしたのです。

 個人的に覚えているのは、丸亀を取材で訪れた2015年の夏に、ちょうど後半戦のポスターに掲載される7人を決める『カマ7』という選手の人気投票を行っており、沼田が2位に60票近い差を付けて1位になっていたこと。偶然にもその日のゲームに彼は出場していませんでしたが(笑)、「ああ、サポーターに愛されているんだなあ」と何となく思ったことを記憶しています。

 2016年から1年半在籍し、J1でのプレーも経験した大宮時代は、メディアの方々にも大変人気があった印象があります。2017年の夏。金沢への完全移籍が発表された直後。NACK5スタジアム大宮の通路にいた沼田と、少なくない番記者の皆さんが別れを惜しんでいる姿を見て、「ああ、ここでも多くの方に愛されていたんだなあ」と、2年前のことも思い出しながら感じました。

在籍したチームで多くの人に愛されてきた沼田。今節対戦する大宮は、2016年から1年半在籍した思い出深いチームだ [写真]=J.LEAGUE

 金沢では加入直後からリーグ戦の全試合にスタメンフル出場を果たし、終盤戦の7戦無敗にも大きく貢献。そして今季も、開幕から3試合続けて左サイドバックのポジションでスタメン起用を勝ち獲っており、セットプレーのキッカーも担当。前節の福岡戦も47分にはFW松田力の抜け出しを的確なカバーリングで食い止めれば、終盤の89分には高精度のクロスであわや同点というチャンスを演出。チームに欠かせない戦力として、攻守に渡ってアグレッシブなプレーを続けています。

 大宮が降格してきたことにより、実現した沼田の古巣対決。NACKに乗り込むこともあって、気合もモチベーションも十分でしょう。なお、両チームがリーグ戦で対戦したのは2015年の1シーズンのみで、この時は大宮がホーム、アウェイ共に1点差で勝利を収め、シーズンダブルを達成。揃って連敗中で迎える今節ですが、沼田の凱旋に注目しつつ、相性も加味してここはホームの大宮が勝ち点3を手にする「1」にマークします。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第4節
2018年3月17日(土)15時キックオフ
松本山雅FCvsファジアーノ岡山(山梨中銀スタジアム)

■明治安田生命J2リーグ第4節
2018年3月17日(土)16時キックオフ
大宮アルディージャvsツエーゲン金沢(NACK5スタジアム大宮)

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