今季から横浜FCに加入したMF渡邊一仁は、早くもチームにフィットしている [写真]=J.LEAGUE
■横浜FCの“中盤の仕事人”に要注目
リーグ前節は敵地で岐阜に1-0の勝利を収め、勝ち点3を奪った9位の横浜FCと、開幕2連敗スタートで19位の愛媛が、ニッパツ三ツ沢球技場で激突する第3節。この90分間で注目したいのは、ジュニアユース時代を過ごし、トップチームでのプレーも経験した古巣と再会する横浜FCの“新アンカー”です。
今季から横浜FCへ新天地を求め、開幕からアンカーのポジションを任されているMF渡邊一仁は愛媛県出身。中学時代は愛媛のジュニアユースに籍を置いていました。ちなみにこの時、ジュニアユースのセレクションに落ちたのが渡邊と同い年のDF長友佑都。のちに2度のワールドカップを経験する日本代表選手も、プレーすることが叶わなかったチームで3年間を過ごし、高校はユースではなく済美高校へ進学すると、2度の全国総体に出場し、3年時には結果的に大会連覇を達成する国見に1-2と惜敗したものの、ベスト16まで進出。続く高校選手権でも同校初の全国出場を手繰り寄せ、雪の中で行われた初戦で東京代表の実践学園に3-1で競り勝ち、初勝利も手にしてみせます。
高校卒業後は東京学芸大学での4年間を経て、2009年にアマチュアチームだった愛媛FCしまなみ(現・FC今治)へ加入しましたが、その実力を評価されて同じ年の8月にはトップチーム昇格が決定。そのトップでもすぐさまレギュラーを奪取し、J2第37節の甲府戦でリーグデビュー。ジュニアユースを卒団して8年。再び帰ってきた愛媛の地でプロキャリアをスタートさせることになったのです。
以降は確実に仕事のできる中盤の仕事人として、2014年までの6シーズンを愛媛で過ごすと、2015年には岡山へ完全移籍。そして今季からは、Jリーグで3つ目のクラブとなる横浜FCへ加わり、早々に定位置を確保。前述の岐阜戦でも、67分には果敢なボール奪取からFWイバに素早く縦パスをつけて決定機を演出するなど、攻守に高いパフォーマンスを披露しています。ちなみに渡邊は今季でプロ10シーズン目となりますが、前節を含めてリーグ戦の出場223試合で記録したゴールはゼロ。現在はDF阿部翔平(甲府)が保持している246試合ノーゴールが、そろそろ視野に入ってきてしまっているでしょうか(笑)。
両チームのここまでに目を移すと、横浜FCは松本とスコアレスドローに終わったホームでの開幕節を経て、前節は岐阜に1-0で勝利。特にディフェンス陣は2戦連続完封と、堅い守備組織を構築しています。一方の愛媛は続けての黒星を強いられていますが、前節の山口戦もMF神谷優太を頭から途中投入した後半は中盤も活性化しており、好調の山口を押し込む場面も。内容が良化しているのは間瀬秀一監督も認めている所。面白いゲームが予想されるなか、渡邊のJリーグ初ゴールにも注目しつつ、ここはお互いが持ち味を出し合ってのドローを予想し、「0」にマークしてみます。
■アツい歴史を持つ両チームによる熱戦に期待!
2試合を終えて1勝1分の7位につけている新潟が、1分1敗とここまで未勝利で17位の京都をデンカビッグスワンスタジアムに招き入れるホームでの連戦。このゲームは今節のJ2の中で最も対戦の歴史が古いカードになりますが、過去を振り返ると波乱含みの一戦になってきた経緯があるのです。
リーグ戦で両者が初めて激突したのは、西京極で開催された2001年のJ2第2節。京都は現・ヘッドコーチの佐藤尽やMF松井大輔、パク・チソンらがスタメンに名を連ね、新潟は秋葉忠宏、西ヶ谷隆之、黒崎久志のJリーグ監督経験者に加え、前・強化部長の神田勝夫、現在は京都の強化部に在籍する鈴木慎吾という錚々たる顔ぶれが。ゲームは67分に途中出場の黒部光昭が決勝ゴールをマークし、1-0で京都が勝ったのですが、87分にはセルジオ、88分にはリンドマールと、新潟は終盤に相次いで退場者を出してしまい、少し後味の悪い敗戦となりました。
そして、これはこの一戦につきまとう“レッドカードの呪い”のあくまで序章にすぎませんでした。次の対戦となった第12節でも新潟は新井健二がレッドカードを受けてしまうと、J1での初対戦となった2006年の第11節ではFW中原貴之が退場処分に。そのシーズンを終えた時点で、リーグ戦全対戦の実に半分に当たる3試合で退場者が出た上に、対戦成績も3分3敗の未勝利と、新潟にとっては非常に相性の悪い結果が続いていたのです。
新潟がやっと京都相手にリーグ戦で初勝利を挙げたのは、7度目の対戦となった2008年のJ1第7節@ビッグスワン。ただ、このゲームがまた大きな物議を醸します。4分にアレッサンドロのゴールで新潟が先制するなか、41分にはシジクレイが早くも2枚目のイエローカードで退場に。さらに試合終盤の80分にアタリバが一発レッド、82分にはDF増嶋竜也がやはり2度目の警告でレッドカードを提示され、何と京都は8人での戦いを余儀なくされます。ちなみに増嶋の退場時に抗議した加藤久監督も退席処分に。Jリーグ史に残るような荒れ模様の90分間が繰り広げられました。
2011年に京都がJ2に降格して以来、カテゴリーの違った両チームは対戦がありませんでしたが、今季は新潟の降格を受けて8年ぶりにリーグ戦で再会します。少し前述したように、リーグ戦に限った相性を調べると、新潟から見て2勝3分7敗とやや一方的な数字が。また、現時点で最後の対戦結果が残っている2010年のJ1でも、第17節ではミシェウ、第23節ではDFカク・テヒがきっちりレッドカードをもらっており(笑)、リーグ戦全12回の対戦でも、2試合に1回は退場者が出る計算に。いろいろな意味でアツくなること間違いなしの好カードです。
前節を振り返ると、新潟はホームで松本に追い付かれてのドロー決着。後半はかなり攻め込まれる時間を作られ、苦しい展開の中で勝ち点1を確保した格好に。また、好材料はフォワード起用の続く矢野貴章にゴールが生まれたこと。ちなみに2008年の“3枚のレッドカード”が出されたすべてのシーンに関わっていたのが矢野であり、彼と京都にとってもこの一戦は非常に因縁めいたカードでもあります。
対する京都は前半こそ福岡にペースを明け渡していたなかで、後半開始から投入された大卒ルーキーのMF重廣卓也が中盤でリズムを生み出し、FWレンゾ・ロペスの2発で敵地から勝ち点1を持ち帰ることに成功。今節に向けて光明の見えるゲームとなりました。翻って今回の対戦も“レッドカードの呪い”を念頭に置きながら、それでも過去の相性は見逃せない所。ここは両者痛み分けの「0」で勝負したいと思います!
文=土屋雅史
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※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。
■明治安田生命J2リーグ第3節
2018年3月11日(日)15時キックオフ
横浜FCvs愛媛FC(ニッパツ三ツ沢球技場)
■明治安田生命J2リーグ第3節
2018年3月11日(日)14時キックオフ
アルビレックス新潟vs京都サンガF.C.(デンカビッグスワンスタジアム)
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