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今年のF.C.TOKYO NIGHTは特別な夜に…クラブ一筋14年の“青赤の鉄人”徳永悠平を、吉本一謙とファン、サポーターが送り出す

12月18日(月)、FC東京のDF徳永悠平とDF吉本一謙によるトークライブ「F.C.TOKYO NIGHT presented by SOCCER KING」がルネこだいら・レセプションホールで行われた。選手の貴重なトークが聞ける人気企画として恒例となったこのイベントは、今年もFC東京のオフィシャルショップなどを手掛けるユーロスポーツが協賛し、会場にはグッズブースなどが設けられた。

また、FC東京の応援番組「FC東京ビバパラダイス」でリポーターを務める橘ゆりかに加え、「F.C. TOKYO魂!」にレギュラー出演するジョナサン・シガーもMCを担当。一夜限りの限定イベントに詰め掛けたファン・サポーターは、年の瀬の豪華で貴重なひと時を楽しんでいた。

今回は、徳永とファン・サポーターをつなぐ、最後のイベントだった。国見高校、早稲田大学を経て、2003年にJFA・Jリーグ特別指定選手としてFC東京に加入して以来、14年間にわたってFC東京一筋を貫いてきた徳永は、来シーズンから、V・ファーレン長崎でプレーする。34歳のベテランにとって“地元凱旋”という決断は、彼自身のその後の人生を踏まえたものかもしれない。ファンとしては、“鉄人”と呼ばれるまでクラブに貢献してきた男を、最後に気持ちよく送り出してあげたい。だからこの日、その場所に居合わせた人たちは「悠平のラストメッセージ」を聞きに来ていた。例年とは違い、会場の背景にサポーターによる横断幕が張り出された今回のトークライブは、そんな特別な空気感の中で幕を開けた。

「まずは、今シーズンの振り返りを……」

MC陣がそう切り出すが、徳永と吉本の口が重い。「それ、やりますか?」と吉本。「本当に厳しいシーズンだった。自分の力のなさを感じた」。その言葉が、まさにクラブの1年を表していた。クラブも選手も、ファン・サポーターも、クラブの現状をきちんと捉えている。今日はもう、シーズンを振り返る日ではない。明るくいこう。話題は徳永の14年間の物語へと移っていった。

「14年は長かった」。2回のリーグカップ制覇、J2降格、J2を制して1年でのJ1復帰、天皇杯優勝、ACL出場……クラブとともに喜びも悲しみも味わってきた徳永は、気が付けば今年、J1リーグ350試合出場という、現役選手の中でもトップクラスの偉大な記録を達成していた。

そんな徳永の姿をいつも“隣”で見てきたのが吉本だった。ジュニアユースからクラブの育成組織で育った吉本は、第2種トップ登録可選手時代の2005年にトップデビュー。二度の期限付き移籍を経験したが、徳永と同じようにFC東京の魂を背負ってきた。徳永がサイドバックなら、吉本はセンターバックとして、2人はDFラインを統率するコンビであり、クラブを後方から支え続けてきた。

「実は、ロッカーも隣だった」と徳永が明かす。2人して、ロッカールームの“上座”の一角をキープしてきた。「でもこの前、自主練で行ったら、もう自分のロッカーじゃなくなってた。端っこを使っていた(髙萩)洋次郎が陣取っていた」。髙萩が満を辞して、ロッカーを確保したのだという。

どちらかといえば、口数が多くはないタイプの徳永だが、むしろ、そういうキャラクターが、ファン・サポーターに受け入れられてきた。トークライブと聞いて、「え、できるの?」と不安に思った人たちもいるかもしれない。徳永自身、「吉本と一緒じゃなければ、できなかった」と、イベント後に振り返っていた。「徳永のトークライブ」とは、だからこそ大きな意味と価値があるものだった。

そんな“徳永を見守る”イベントは、「今こそ聞きたい10の質問」、「参加者からの質問コーナー」、「チームメイトからの感謝の言葉! 悠平さん、○○ってマジですか?」と続いていく。

10個の質問に、徳永が○×の札を上げて応じると、そこには意外な回答もあった。「FC東京入団時に他のクラブに入るか迷った?」に「○」としたが、「(スペインの)バレンシアと迷っていた」。ただ、FC東京を選んだ理由は「近いから」。「バレンシアは気候が良かったけど、遠くて」。そんな徳永らしい回答を聞くと、会場は大きな笑いに包まれていた。

ビデオメッセージで登場した森重真人は、徳永に「何歳まで現役を続けようと思っている?」と問い掛ける。すると徳永からは「あと3年、37歳まではやりたいと今は思っている」と答えた。

他にも、「話してるとこ全然、見たことないんだけど」と吉本が突っ込んだ意外な人物、若手の鈴木喜丈が登場すると、「髪型に困っているんですけど、悠平さん、どこで切ってますか?」と、さらに意外な質問も飛び出した。「いや、1000円カットも結構いいよ」。徳永のぶっきらぼうな、でもユーモアのある答えに、やはり会場には大きな笑い声が響いていた。

プライベートでも親しい田邉草民からは、「もう聞くこともないから、逆に、僕への愛を語ってください」と逆質問。「全然、しっかりしてないんですよ。だから指導してきた。純粋で、よく泣くし」。先輩・徳永が明かす田邉のエピソードは愛に溢れていた。

およそ1時間半にわたるイベントは最後、プレゼント抽選会へと移る。徳永はスパイクや普段から履いているというスニーカー、吉本からは「めっちゃ着ていた」という移動着などの私物が提供されると、見事ゲットした参加者は、喜びに表情を緩ませていた。

そして最後に、2人はメッセージを残す。

「悠平さんがいなくなるのは寂しいけど、その魂を受け継いでいきます」(吉本)
「これからも、FC東京と、徳永悠平をよろしくお願いします」(徳永)

そういえば徳永は、「10の質問」で「FC東京を愛している?」と問われ、少し迷ってから「○」の札を上げた。「愛している、というか日常。あることが当たり前。だから移籍もまだ実感がない」。口数が決して多くはない徳永の、精一杯のメッセージ。それはやっぱり、FC東京愛に溢れたものだった。来シーズンは長崎の選手としてFC東京と戦う。どんな“恩返し”が見れるのだろうか。

F.C.TOKYO NIGHTはこうして今年も、参加者の心に深く刻まれるイベントとなった。

文・写真=本田好伸


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