2017.12.01

得点王を手にするのは杉本か興梠か…熱いストライカー対決を見逃すな

興梠慎三
自身初の得点王獲得に向けて、ランキングトップの杉本を追いかける興梠 [写真]=兼子愼一郎
サッカー総合情報サイト

 杉本健勇(セレッソ大阪)と興梠慎三(浦和レッズ)。ともに1シーズンにおけるゴール数でキャリアハイを更新している2人のストライカーによる得点王争いが、12月2日のリーグ最終節で決着がつく。

◆闘争心溢れる杉本健勇

 22ゴールでトップに立つ25歳の杉本は、川崎フロンターレ在籍時の2015シーズンにマークした6ゴールを大きく更新した。覚醒したと言ってもいい量産ぶりの背景には、今シーズンから指揮を執る尹晶煥監督の存在が大きい。

 187センチ、79キロの恵まれたボディに、スピードや足元のテクニックをも搭載した杉本は、器用さを買われて中盤のサイドやトップ下でプレーした経験もあった。しかし、C大阪のOBでもある尹監督は「後ろに下がりすぎるな」と厳命。ストライカーとしての潜在能力を最大限に引き出させた。

「相手ゴールに一番近いポジションでやらせてもらっているので、やっぱり自分が点を取らないといけないと思っている」

 自覚と責任感が増したと自負していた杉本は、相手ゴール前において冷静さと熱さを自分の中に同居させられるようになったと笑う。

「感覚というか、『ボールが来るな』というところに自然と入れているからチャンスがあると思う。僕にボールを集めてくれる仲間に感謝しながら、ハードワークを含めて献身的なプレーを継続していきたい。そうすれば必ずチャンスが来るので、それらをしっかりと決め切る選手になっていきたい」

 1年間だけ川崎でプレーしたことで、U-15から育てられたC大阪への愛を再確認できた。J2で戦うことを承知の上で2016シーズンから復帰した杉本の変化に、大熊清チーム統括本部長は目を細める。

「言動や振る舞いを介して、周囲に対して影響力が出てきましたよね」

 11月4日のカップ戦決勝では、開始47秒で電光石火の先制ゴールをゲット。C大阪に悲願の初タイトルをもたらすとともに、決勝戦のMVPを獲得した。試合終了の瞬間、杉本はピッチに突っ伏し、人目をはばかることなく号泣している。

「いろいろなものが込みあげてきて……」

◆興梠慎三の赤く燃えたぎる情熱

 6シーズン連続で2桁ゴールをマークし、20ゴールで杉本を追走する興梠は、31歳にして自己最多だった昨シーズンの14ゴールを更新した。

 例えるならば「剛」となる今シーズンの杉本とは対照的に、相手ゴール前における多彩で柔軟性に富んだプレーで周囲を生かし、同時に周囲から生かされてきた。175センチ、72キロと決して上背はないが、猫科の獣をほうふつとさせる野性味が最大の武器だ。

 昨夏にリオデジャネイロで開催されたスポーツの祭典。興梠をオーバーエイジで招集したU-23日本代表の手倉森誠監督(現日本代表コーチ)は、30歳を迎えてさらに進化するプレースタイルをこう評価した。

「野性味を繰り返し発揮し続けられるタフさがあるし、ポストプレーも、相手の最終ラインの裏へ抜け出すプレーもできる。引いた相手に対する攻撃と、カウンター攻撃の両方にも対応できる」

 自らの体に搭載されたさまざまな武器を、状況を見極めながら、的確に選択できるからこそ万能ぶりを発揮できる。もっとも、今シーズンの途中から熱き思いも体を駆け巡るようになった。

 成績不振の責任を取る形で、7月末にミハイロ・ペトロヴィッチ前監督が解任された。鹿島アントラーズから移籍した2013シーズンから、4年半の時間を共有してきた指揮官との別離に興梠は涙した。結果を出せなかった選手が悪いと、自らを責めた。

 リーグ優勝の可能性が萎み始めた夏場以降は、ホットラインを築くMF柏木陽介をはじめとする仲間たちが、意識してボールを集めてくれるようになった。チームの合言葉は決まっていた。「慎三君に得点王を取らせよう」と。

 大会の開催期間中もリーグ戦が行われる状況を考慮して、オーバーエイジでの出場をためらっていた興梠の背中を押したのも、一つ年下の柏木だった。盟友の思いが、いつもは飄々とした感のある興梠を内側から高ぶらせる。

「サポーターよりも陽介の方が、俺に得点王を取らせたい気持ちは強いかも。あいつからプレッシャーがかかっているくらいだけど、だからこそ何とか食らいついていきたい」

 全試合が14時にキックオフされる最終節で、C大阪は敵地でアルビレックス新潟と、浦和はホームに横浜F・マリノスを迎える。杉本が獲得すれば1999シーズンの黄善洪以来、興梠が逆転すれば2006シーズンのワシントン以来となる、ともにそれぞれのチーム史上で2人目の得点王が生まれる。

文=藤江直人

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