リーグ戦初ゴールを決めた齋藤 [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
ようやく決まった。待望の今シーズン、明治安田生命J1リーグ戦初ゴール。MF齋藤学はチームメートの歓喜に包まれて、今年一番の笑顔を見せた。
それは開始9分に訪れた。8試合ぶりのスタメン出場となったDFパク・ジョンスのパスを受けたDF山中亮輔のクロスが、相手DFに当たってこぼれてきた。齋藤が少しドリブルで運んで、右足を一閃。ファーサイドのサイドネットに突き刺した。
「点を取れたことは良かった」と全身で喜びを爆発させる齋藤を、祝福するチームメートが取り囲む。その隙間から、齋藤は何度も両手であるポーズを作っていた。数字の1を作った左手に、ピースサインを横にした右手をクロス。そのポーズについて試合後、齋藤は「あれは“F”ね」と明かした。
「実は誰にも言っていなかったんだけど…。“F”がつく男の子と会ったの。病気のね。それでその子と先週約束して。だからカメラを探してやった。その子との約束も、WWEの約束も、全部やれて良かった」
齋藤は今年6月下旬、DAZNの企画でWWEで活躍中の人気レスラー、フィン・ベイラーと対談。その時に伝授されたパフォーマンスも行い、ベイラーとの約束を果たしたことも明かした。
ようやく実現したゴールパフォーマンス。忘れずに約束を果たせたことで表情も緩んだが、それでも「点を取ったことがすべてではない」とした上で、ここまでの苦悩を口にした。
「今日の点よりも簡単なシュートは何本もあった。内心、不安と戦う日々だったし、携帯はあんまり触っていないですけど、ニュースでも“ノーゴール”というのが出てくる。不安とか、そういうものはあるにしろ、『今年ノーゴールだったらどうしよう?』という思いも少なからずあった」
モヤモヤした気持ちを払拭できたことで、あとはゴールを量産し、チームを勝利に導くだけだが、それは本人も認識済みだ。「ここからノッていけるかどうかは僕に掛かっていると思うので、調子に乗ることなく、しっかりと歩み続けたい」。
終了間際の失点で首位との勝点差は10に開いたが、まだまだ優勝を狙える位置にいる。「優勝するために戦って、ファン・サポーターと一緒に喜びたい」。残り8試合、齋藤の強い思いがトリコロールを牽引する。
By サッカーキング編集部
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