大宮はエース江坂任(右)の調子が上向き。リーグ戦では鳥栖戦と新潟戦と、2試合連続ゴールを決めている [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
■サンフレッチェ広島 けがで離脱していた森﨑和幸が先発復帰濃厚
【プラス材料】
リーグ前節川崎戦では0-1で敗れたとはいえ、第14節鹿島戦の後半に続いて内容は向上している。前半は相手をシュート0本に抑える堅守を、後半は川崎を釘付けにする迫力に満ちた攻撃を見せた。だが、最終的にゴールネットを揺らせることができず、勝ち点0に終わった。
とはいえ、手応えは消えない。21日の天皇杯2回戦鹿児島戦(3-2)ではミスから2失点してしまったとはいえ、工藤壮人、宮吉拓実、フェリペ・シウバの3人が全3得点に絡む活躍を見せて逆転勝ち。リーグ戦でゴールが取れない前線3人に強烈な刺激を与えた。太もも裏の違和感で戦列を離れていた森﨑和幸も天皇杯で復帰。45分間のプレーで実戦感覚も整え、今節大宮戦では先発復帰を果たす予定だ。
チーム全体が上げ潮の雰囲気を漂わせる中、大宮との決戦にモチベーションも高い。
【マイナス材料】
内容が良くなったことは間違いない。だが、結果としてリーグ戦直近2試合は連敗。勝ち点を積み重ねることができていない。第12節甲府戦から先発に抜擢された皆川佑介は今季未だに無得点。アンデルソンは第14節鹿島戦でゴールを挙げてはいるが、戦術理解に未だ問題を抱えている。共にボールロストが多いこともあり、攻撃の構築に向けて課題は大きい。
また、広島の切り札といっていい柏好文が前節川崎戦で脳震盪。幸い症状は重くはないが、大宮戦での出場ができるかどうかはコンディション次第だ。
昨年のホームゲームでも大宮を相手に内容で圧倒しながら得点できず、セットプレーで敗れた。その時から続く「ネットを揺らす力」「守備の我慢」という課題は未だ、解決されていない。
文:紫熊倶楽部 中野和也
■大宮アルディージャ 好調のエース・江坂任が得点力不足の攻撃陣を牽引する
【プラス材料】
エース・江坂任の調子が上がってきている。2枚看板だった家長昭博と泉澤仁が移籍した今季、序盤は「自分が大宮の攻撃を引っ張る」という責任感が重荷となったのか、持ち前の積極性が空回りしていたが、現在リーグ戦では2試合連続得点中、その2試合で計3得点と絶好調。高打点のヘディングや思い切りの良いフィニッシュが戻ってきた。昨季も広島とのアウェイゲームで決勝点を決めており、相性は悪くない。3試合連続ゴールに期待がかかる。
伊藤彰監督が採用する4-3-3(ときには4-1-4-1)システムに対して、選手たちの多くが「距離感が良い」とポジティブに捉えている。ルヴァン杯と天皇杯2回戦を含め、新監督就任以降は4戦無敗(3勝1分)。失っていた自信を少しずつ回復している。
【マイナス材料】
ACL出場4チームの消化試合が1試合少ない中、15試合で28失点は下から数えて2番目。無失点に抑えたのは浦和とのダービーマッチのみで、チームを支えてきた堅守が影を潜めている。「失点0で勝つことが一番の目的」で臨んだ21日の天皇杯2回戦tonan戦では3-0の勝利を収めたが、危ない場面が何度かあり、相手のシュートミスに助けられた面もある。堅守の鍵を握るのは菊地光将、河本裕之の両CBだが、ここまでは互いにけがによる戦線離脱もあり、2人揃って安定したパフォーマンスは発揮できていない。
得点力不足も深刻だ。1試合平均0.67得点は、甲府と並んでリーグ最下位。家長&泉澤の穴埋めを期待される大前元紀、瀬川祐輔の2人は、ここまで1得点ずつ。決定機はあるが決められていない印象が強い。
文:totoONE編集部
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