鳥栖は“2点目欠乏症”に陥っている。トップ下でプレーする鎌田大地に寄せられる期待は大きい [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
■サガン鳥栖 14試合中10試合で先制点をマーク
【プラス材料】
中断期間に3日間のオフをとってリフレッシュした。そのオフ明けに彼らを待ち受けていたのは、夏場に向けてフィジカルを強化するための走り込み。鳥栖の武器である走力に磨きをかけた。
それだけでなく、先週からリーグ今節の相手となる仙台の対策を進めていた。鳥栖は3バックのチームを苦手にする傾向にあったが、今季は広島、札幌と3バックのチームに勝っている。MF原川力は「(札幌戦は)うまくやれたと思いますので、そのイメージを持ってやれば守備は大丈夫かなと思います」と、システム的なミスマッチが起こる今節にも自信を見せる。
ホームのベストアメニティスタジアムでは5連勝中だが、この試合でホームの連勝記録更新を目指す。
【マイナス材料】
14試合中10試合で先制点を挙げるという驚異の先制率を誇る。しかし、勝利したのはホームゲームの5勝のみと先制点を結果に結び付けられていない。その要因の一つが、2点目を取れないこと。現在、リーグ戦は8試合連続複数得点なしと“2点目欠乏症”に陥っている。
選手たちはこの課題克服のために、「自分たちの時間でしっかり取り切ること」と口を揃えた。MF谷口博之やFW小野裕二が別メニュー調整中だが、前節の大宮戦で先制点を挙げた超東建もそれに加わってしまい、今節の出場は微妙な状況。また、W杯アジア最終予選で韓国代表に招集されたキム・ミンヒョクのコンディションも不安材料だ。
文:荒木英喜
■ベガルタ仙台 中断期間中に負傷者が続々と実戦復帰
【プラス材料】
この中断期間のうちに、負傷者が戻ってきたことが大きい。三田啓貴は右足を痛めてリーグ前節の甲府戦を欠場したが、10日の練習試合で実戦復帰。右でん部を痛めていた菅井直樹も、同じく10日の練習試合で戻ってきた。彼らを加えて、ハイレベルなチーム内競争がチームの強さを生み出していく。
一方、クリスランが出場停止という不安材料はあるが、攻撃陣には調子を上げている選手が多いことが強みだ。特に西村拓真は10日の練習試合でいわきFCを相手に2ゴールを決めており、FWとして調子を上げている。ベテランも負けてはおらず、前節の甲府戦で途中出場からゴールした梁勇基も先発復帰を目指す。前節はボランチで出場した奥埜博亮も、今節は攻撃的ポジションに戻るだろう。
【マイナス材料】
リーグ戦連勝といういい流れで中断期間を迎えたため、まずはその勢いを切らないことが大事だ。この流れを断ち切らないために、試合前からムードを引き締める必要がある。
今節で最も大きなマイナス材料が、ここまでのリーグ戦で7ゴールを決めてきたクリスランが警告の累積により出場停止であること。チームのトップスコアラーであるクリスランは、高さや左足の強烈なシュートなど、他の選手にはない個性を持つ。同じことをできる選手はいないが、違う選手の組み合わせでも得点力を発揮できるようにならなければいけない。
また、今回は九州でのアウェイ戦ということで、最高気温が20度前後の日が続く仙台にとっては、暑い敵地への適応も課題となる。
文:totoONE編集部