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【土屋雅史氏のJ2展望】水戸vs大分は両軍のGKに注目…湘南vs長崎はアウェイ長崎の勝利を予期

2017.06.02

市立船橋高校で先輩後輩の間柄だった水戸GK笠原昂史(写真左)と大分GK上福元直人(写真右) [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

■両軍のゴールを守るのは、“イチフナ”出身の2人のGK

 5試合連続ドローを受けた前節で久々に勝利を挙げて、9戦負けなしとなった13位の水戸と、2戦連続ドローを含む3試合未勝利ながら7位に付けている大分が、ケーズデンキスタジアム水戸で対峙する第17節の注目カード。この一戦でご紹介したいのは名門・市立船橋高校出身で1学年違いの先輩後輩という間柄だった両守護神です。


 昨年度のインターハイ王者であり、過去5回の高校選手権優勝を誇っている市立船橋。今までにも数多くのJリーガーが同校から巣立っていますが、中でもゴールキーパーの輩出率は他の追随を許さず、現在は7人もの“イチフナ”出身のゴールキーパーがJクラブに在籍しています!

 最年長の植草裕樹(清水)と最年少の志村滉(磐田)の年齢差は14歳。そして、その間に位置する5人のGKは1985年生まれの代の佐藤優也(千葉)を筆頭に、中林洋次(広島)、村山智彦(松本)、笠原昂史(水戸)、上福元直人(大分)とちょうど1学年違いで切磋琢磨してきた先輩後輩同士。今回ピッチ上で再会することが濃厚な笠原と上福元は、まさに高校時代の2年間で同じ練習を重ねてきた先輩後輩に当たる訳です。

 ただ、笠原の3年時は米倉恒貴(G大阪)と山崎亮平(新潟)を擁した八千代が、上福元の3年時は大前元紀(大宮)や田口泰士(名古屋)などのちのJリーガーを10人近く抱えていた流通経済大柏がそれぞれ冬の全国切符を掴んでおり、残念ながら2人揃って選手権へは出場できず。笠原は明治大を、上福元は順天堂大を経由して、Jリーグの舞台へ辿り着くこととなりました。

 本間幸司という大きな壁に立ちはだかられてきた笠原は、昨シーズンの夏過ぎから定位置を奪取し、今シーズンはここまで全試合にフル出場。一方の上福元は逆に昨シーズンの夏過ぎにレギュラーを明け渡し、迎えた2017年も開幕2試合はサブに甘んじていましたが、スタメン起用となった第3節の山口戦で完封勝利に貢献すると、以降は正守護神の座を奪還。チームの躍進の一端を担ってきたと言っても過言ではありません。

 プロになってからは初めての対戦ということもあって、さすがにお互いがお互いを意識しない訳にはいかないでしょう。そんなゴールキーパー対決も内包した今回のゲームは、やはり市立船橋出身で、前節は途中出場となった水戸の今瀬淳也の登場も期待しつつ(笑)、9戦無敗の水戸が勢いで上回るのではないかと考え、先輩の笠原が意地を見せることになる「1」を予想させていただきます!

■小学校時代からの盟友が、異なるユニフォームを着てピッチで再会か

 前節は後半アディショナルタイムでの失点で敗れてホーム連敗となった3位の湘南が、3試合負けなしで5位まで浮上してきた長崎をShonan BMWスタジアム平塚で迎え撃つ一戦。このゲームでは小学校時代からプロ2年目まで同じチームでプレーし続けてきた2人が、初めて違うユニフォームを着て対峙することが予想されます。

 湘南の秋野央樹と長崎の木村裕は共に柏レイソルの下部組織出身。すでに小学校1年生からスクールに通っていた木村に対し、秋野は小学校4年生からU-12に加わったことで2人はチームメイトに。同期に中村航輔、小林祐介、中川寛斗など多くのタレントを擁したチームは、その徹底したスタイルも相まって各年代で注目を集めてきました。

 そんな彼らが最も脚光を浴びたのは高校3年時のクラブユース選手権。GKの中村は負傷で離脱していたものの、センターバックには1学年下の中谷進之介の姿も。中盤はアンカーに秋野が入り、その前に中川と小林が配置され、10番を背負った木村は左ウイングがベースポジション。準決勝で野津田岳人(清水)や川辺駿(磐田)もプレーしていた広島ユースを下した柏U-18は、初優勝を懸けて横浜FMユースとファイナルを戦います。

 2-2で迎えた後半アディショナルタイム。けがの影響もあって終盤に途中投入されていた木村がGKと1対1のシーンを迎えると、冷静に右スミへ流し込んでこれが決勝ゴール。大会MVPに選出された秋野と木村が大きな存在感を放ち、柏U-18は悲願とも言うべき全国タイトルを初めて獲得することになりました。

 それから5年。木村は2015年に長崎へと期限付き移籍で加わり、今シーズンからは完全移籍を決断。前々節の岐阜戦で2ゴールをマークすると、前節の東京V戦でもエリア内で体の強さを見せ付け、決勝ゴールを記録。2試合連続得点と好調をキープして、アウェイゲームへ挑みます。一方、湘南へ期限付き移籍中の秋野もスタメンから外れていた時期を経て、現在は新システムの“クリスマスツリー”でアンカーを務めており、ポジション的にも2人がマッチアップする機会は十分に訪れるはずです。

 いろいろな意味で注目の集まる上位対決。ここ最近の両者を見ていると、拮抗したゲームになることは間違いなさそうですが、今回は木村も含めた長崎攻撃陣の勢いと、湘南のホーム連敗中という現状を考慮して、アウェイ勝利の「2」で勝負したいと思います。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第17節
2017年6月3日(土)13時キックオフ
水戸ホーリーホックvs大分トリニータ(ケーズデンキスタジアム水戸)

■明治安田生命J2リーグ第17節
2017年6月3日(土)16時キックオフ
湘南ベルマーレvsV・ファーレン長崎(Shonan BMW スタジアム平塚)

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