今季、熊本から加入した清武はチームトップの6ゴールを記録している [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
「気の知れた仲間と対戦するのは、僕にとって初めての経験で、やりにくい部分もなく楽しい真剣勝負が出来ました」と清武功暉は柔和な笑顔を見せた。
5月21日、フクダ電子アリーナで行われた第15節ロアッソ熊本戦で清武は、赤から黄にユニフォームを変え、古巣との特別な試合に臨んだ。
試合は、ジェフユナイテッド千葉が先制されるも83分に指宿洋史の一発で追いつき1-1のドローで幕を降ろした。
恩返し弾とは行かなかったが、清武は「ホームで負けなかったことをプラスに捉え(次戦には)サポーターの皆さんに勝点3を届けたい」と、前を向くと、対戦相手のFW巻誠一郎は「このスタジアムの持つ雰囲気、選手のプラスアルファが出る雰囲気に失点してしまった」と、悔やんでいた。
それもそのはず、今シーズン、ホームでの成績は3勝4分と負け知らず。要因の一つにサポーターの声援が選手の背中を後押し、奮い立たせることで“聖地フクアリ”での不敗神話が続いているのだ。

清武にとって古巣対決となった第15節ロアッソ熊本戦はドローで勝ち点1を分け合った [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
その中、今シーズン、新たな攻撃のピースとして熊本から加入した清武は、すぐさまチーム戦術を忠実に実行し、ゴールゲッターとしての仕事を遂行。ここまで14試合に出場するとチームトップとなる6ゴールを積み上げている。
昨シーズンはキャリアハイとなる12得点を記録したが、目標設定のハードルを上げ、今シーズンは“15得点”を目標に定める。それも彼の能力を見れば手が届く数字であることは間違いない。
清武のプレーにサッカー選手としての凄みを感じさせたのが第13節V・ファーレン長崎戦(5-0)でのハットトリックだ。ロングパスをヒールに当て、折り返しを右足ダイレクトで仕留めると、2点目は縦回転のかかったFK。3点目はゴール前にこぼれてきたボールをきっちりと右足で射抜いたものだった。
「全体の距離感が良く、いいバランスの中で、決めるべき所で決めることが出来た」と培ってきた技術で、スピードと連動性を生み出し存在感を示した。
清武には忘れられない試合がある。
昨年春の九州熊本地方を中心に甚大な被害をもたらした「熊本地震」の影響により、1カ月以上も活動休止を余儀なくされていた熊本の復帰試合となった5月15日の第13節千葉戦である。
結果は2-0で千葉の勝利で終えたが、クラブ関係者や両チームのファン・サポーターが共にサッカーを、そして真剣勝負を楽しめる喜びを分かち合った特別な90分となった試合でもあった。スタンドには「心は一つ。がまだせ熊本!がんばろう九州!」の横断幕が掲げられ、ピッチには勝者も敗者も関係なく力を出し尽くした両者に万雷の拍手と温かい声援が降り注いでいたことはまだ記憶に新しい。
当時、熊本の10番を背負い最後まで諦めることなく走り続けた清武は「(フクアリでの)あの時の皆さんの声援は、僕の中で凄く大きなものだったし、本当に感動するものでした」と、振り返った。

昨年、熊本の選手としてプレーしたフクアリの温かい声援が千葉移籍への後押しとなった [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
特別な場所で、あの声援を受けてプレーをした幸福感。それが何事にも代えがたいものとなっていたからこそ「熊本を離れることは一番難しい決断でしたが、あの時の声援には特別な想いがあり、あの雰囲気がなければここに(千葉)来たかは分かりません」と心に深い轍を刻んでいた。
清武は千葉に移籍をしても「自分が出来ることは継続してやりたい」と精力的にボランティア活動も行う。短いオフを利用して熊本でのサッカー教室に参加もした。熊本を離れたが、少しでも何かの役に立ちたいという強い思いからだった。
「子どもたちが元気にサッカーをやってくれていて良かったと思います。逆に僕自身が元気をもらいましたし、普通にサッカーをすることが出来ることを忘れてはいけないと再確認できました」
“活躍する姿を見せることで元気を与えたい”と肝に命じる清武にとってここからが正念場だ。
混戦を極めるリーグ戦で千葉は現在13位と中位に沈む。未だ連勝もなく上昇気流に乗れてはいない。勝負の世界に身を置く以上、すべてが順風満帆に進むとは限らないが、上位に食い込んで行くためにも背番号8の力が必要になる。
清武は言う。
「自分はFWの選手なので、より多く仕掛けて、より多く得点をとらなければいけません。普通の選手が仕掛けない所でも仕掛けて行き、ガムシャラに縦に突破をしたり切り崩すことをどんどん狙って行きたいです。今は千葉の人間なので千葉のために活躍したい。そのためにもゴールをしなければいけないと思っています」
あくまで、チームの一員として、チームをJ1昇格に導くためにここで戦って行く。そんな決意を感じさせた。
その先を見つめる厳しい視線にも、そして上昇志向がさらに彼を押し上げて行く。
「自分のどこが成長したかは、なかなか自分自身では分かりません(笑)。そこは周りが評価をしてくれるモノだと思っています。今年27歳になりましたが、サッカー選手である以上は日本代表にも入りたいですし、このクラブで絶対に必要され、愛される選手になりたいと思っています。そうなれるように結果を求めて行きます」
最後にひとつ訊いてみた。日本代表にも選出される兄・清武弘嗣(セレッソ大阪)選手に刺激を受けているのか、と――。
「もちろん。日本で一番上手い選手だと思っていますし、相手にするのは嫌ですね(笑)。チームとしては巻き返せる位置にいるので、ここから勝ち進んで行きたい。このチームでJ1に上がりたい。(代表選出は)親孝行にもなりますしね(笑)。頑張ります」
技巧派でありながらハードワークを惜しまない。清武は大きな未来図を描きながら、しっかりと前を見据え戦って行く!
文=石田達也
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