今季2度目の決勝弾をマークした金井 [写真]=清原茂樹
連敗をストップする決勝ゴールだった。前半アディショナルタイム、右からのFKをダビド・バブンスキーが蹴る。中央でミロシュ・デゲネクが頭で合わせるも、GKがブロック。しかし、そのこぼれ球に詰めていたのが、金井貢史だった。
「シュートを打ってこぼれると思った。(詰めているのは)基本中の基本だと思うので。それがゴールにつながって良かった」。ドタバタしていたようには見えなかった。冷静に押し込んだように見えたが、「考える時間はないです」と左ひざでのゴールに笑顔を見せた。「こぼれてきたからラッキーと思って。膝で押し込みました。ありがとうって感じ(笑)」
今季初の4連敗の危機。「どうしても勝ち点3が必要な試合で、全員がその勝ち点3のために戦った結果だと思う」と総評した金井。88分には、伊藤翔が持ち込んだボールのこぼれを拾って、逆サイドの天野純にパスを出した。惜しくも、利き足ではない右足でのシュートを天野が左へ外してしまったが、紛れもなく追加点のビッグチャンスだった。
「翔くんも(齋藤)学に出すかなと思ったんですけど、うまく出さなくて溜めていたので、後ろを付いて行って引っ掛かった時に狙っておこうと考えていた。もし学に出したら、スピードを上げてゴール前に出ていこうというイメージだった。うまくいい形でボールが拾えた場面だったかな」
リスクを犯して攻めなければ、ゴールは奪えない。当り前のことだが、金井が補足する。「チャンスだと思えば上がっていかないといけない。あの場面は『いけるな』という雰囲気があったので、行けた。ただ、僕が行った分、後ろは後ろでリスク管理をしていたと思う。そういう信頼関係があって、チーム全員で行けたシーンだったかな」
こういうチャンスがゴールにつながる時こそ、チームがノッている時。そういう意味では、まだまだ開幕の頃のチームには遠いのかもしれない。それでも連敗を食い止め、勝利の手応えを感じられたことは次につながるはず。
「連敗中は選手の距離感があまり良くなかったけど、今週はシンプルにボールを動かしていこうと話していたし、チームとしての戦い方がはっきりしていた。みんなが動いて、パスコースを作ろうという意識があって、距離感も良かったことが今日の勝ちの要因かなと思う」
金井自身、今季2度目の決勝ゴールに「今日は泥臭く取れたので、個人的には好きなゴールかな。ゼロで抑えられたし、危ない場面もあったけど、ゼロで勝てたことがうれしいです」。まさに金井らしいゴールだった。
By サッカーキング編集部
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