2017.05.11

【ライターコラムfrom水戸】進化しているのは若手だけじゃない。チームを支えるベテランたちの飽くなき向上心

今季、水戸に復帰した橋本(左)は西ヶ谷監督(右)の下で変化を遂げようとしている [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
ホーリーホックを追いかけて14年目。横浜から茨城に移住して7年半。有料WEBサイト『デイリーホーリーホック』を運営しながら、地域スポーツ誌『yell sports 茨城』の編集長も務める。

 J2リーグ第10節FC町田ゼルビア戦、23分にFW林陵平はPKを冷静に左隅に流し込み、早くも昨季に並ぶ6点目を記録した。開幕から全試合で先発を果たしており、まさにエースと呼ぶにふさわしい活躍を見せている。

 林はプロ9年目で、今年9月に31歳を迎える。「ベテラン」と呼ばれる域に達しているストライカーだ。しかし、林には信じている言葉がある。それは敬愛するイブラヒモビッチ(マンチェスター・ユナイテッド)が口にする「年齢はただの数字」という言葉だ。「僕もまた成長して、もっと上を目指したい。歳は意識していないですし、またここからだなという意識はあります」。その意欲が早いペースで重ねるゴール数に表れている。新天地として選んだ水戸の地でストライカーとして進化を見せている。

開幕から全試合で先発出場する林はチームトップの6ゴールを記録 [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 今年30歳を迎えるDF福井諒司も絶大な存在感を示している。最終ラインで体を張って相手の攻撃を食い止め、攻撃では正確な左足のフィードを駆使してリズムを作り出し、チームにとって不可欠な存在となっている。かつて北九州や柏、東京ヴェルディなどで活躍してきた福井だが、2014年に大けがを負ってから出場機会を減らし、昨季加入したレノファ山口FCでは1度も出場機会を得ることができなかった。しかし、昨季6月末に水戸ホーリーホックに移籍すると、すぐにレギュラーの座を確保。守備の要として活躍を見せた。林同様、今季開幕から全試合先発出場を果たし、30歳を前にしてなお進化を遂げている。

 昨季は34歳の兵働昭弘が活躍をし、6年ぶりのJ1へ羽ばたいていったことが示すように、西ヶ谷隆之監督のもと、水戸は若手だけでなく、ベテランも成長を見せるチームとなっている。その要因の一つとして挙げられるのはベテランだからといって、特別扱いされないことだろう。もちろん、西ヶ谷隆之監督は豊富な経験を持つベテランの存在を大切にしている。しかし、ピッチ内で求めるものはベテランだろうが、若手だろうが変わらない。それゆえ、日々のトレーニングから若手もベテランも同じメニューを課し、「現状維持」ではなく、「成長」を求めているのだ。それがベテランたちの進化をうながしている。

昨季途中に水戸に加入した福井(右)は今季開幕から全試合先発出場するなど守備の要として活躍する [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 そして、現在変わろうとしているのが、4月に31歳となった橋本晃司だ。今季、2013年以来4年ぶりに水戸に復帰。以前プレーしていた時は絶対的なエースとして起用され、2年間で18ゴールを決める活躍を見せ、J1へと舞台を移していった。しかし、今季復帰したかつてのエースに対し、西ヶ谷監督は特別扱いをすることなく、あくまでプレッシングサッカーを標ぼうするチームのカラーに合わせることを要求している。それこそが、橋本の進化につながると信じて。

「J2は足元だけでは厳しい。推進力も含めてフィジカルのスピードが必要。彼は高い技術を持っていますけど、そこにフォーカスしていければ、もっともっといい選手になれるし、選手寿命も延びると思う。技術のある選手がそこに取り組むのは難しい作業なのですが、しっかりアプローチしていきたいですし、彼も逃げずにやっていかないとピッチには立てないので、一緒にやっていきたい」

 そんな指揮官からの要求を橋本はしっかり受け止めて取り組んでいる。

「ハードワークや戦うこと、守備の部分は自分の課題。でも、そこに自分の可能性や伸びしろがあると思っています。そういうことは自分から積極的にトライしないと自分のものにならないと思っているので、試合の中でしっかり意識してプレーしているつもりです」

 第10節町田戦では相手の徹底したロングボール攻撃に対して、ボランチで起用された橋本はプレスバックを怠らず、セカンドボールの争いでは体を張って主導権を手繰り寄せた。4年前とは比べ物にならないぐらい、ハードでタフな橋本晃司の姿がそこにはあった。しかも、最後にしっかりアシストを決めたところに橋本晃司の凄みを感じずにはいられなかった。

「新しい橋本晃司を見た」。試合後、そう声をかけると、橋本は軽い笑みを見せ、「ハードワークすることやタフにプレーすることは今までやってこなかったわけではないのですが、そこまで特化してこなかったので、自分の可能性として残っているところだと感じています。これからもしっかりやっていきたい」と言葉を残した。

 成長しているのは、前田大然白井永地といった若手だけではない。30歳を越した選手たちも自らの新たな可能性を信じて進化を続けている。彼らの飽くなき向上心が、水戸を上昇気流へと導いていく。

文=佐藤拓也

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