FC東京はGKの林彰洋が安定したプレーを見せている。リーグ戦は9試合中5試合が無失点だ [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
■ベガルタ仙台 クリスランがゴールを量産できるか
【プラス材料】
J1のリーグ戦、仙台は前節の清水戦で5試合ぶりに勝利を挙げた。5試合ぶりの無失点という点でも、リーグ戦2試合連続の3得点という点でも、大きな自信を得る結果となった。4月のリーグ戦で苦しんだ分も、5月は好成績を出したいところだ。
特に攻撃面では、清水戦で2ゴールを決めたクリスランが好調だ。前線の中央でフィニッシュという仕事を果たす働きはもちろん、ポストプレーや守備でも存在感を見せている。彼に引っ張られるようにチームとしての攻撃力も増しているが、まずはその最前線でクリスランがゴールを量産できるかがカギを握る。
また、ルヴァン杯で、若手選手が躍動して3連勝という結果を出しているのも好材料だ。3日の大宮戦では若い佐々木匠と西村拓真がゴール。選手層に厚みを加えている。
【マイナス材料】
5月のリーグ戦で最初に対戦するFC東京は、仙台にとって厄介な相手だ。過去2シーズン、リーグ戦ではFC東京に4戦全敗。最後にリーグ戦で勝利したのは、2014年のJ1第27節のことだ。過去通算対戦成績は7勝4分16敗と大きく負け越しており、苦手意識は決して低くない。
今季もすでに、苦い結果をFC東京戦で出してしまった。3月15日に行われたルヴァン杯の第1節で対戦。公式戦の経験が少ない若手選手が多いメンバーだったとはいえ、0-6という大敗を喫してしまった。悪夢のような敗戦が選手たちの脳裏に残っていることは間違いない。ただ、その時のメンバーには、悔しさも糧にしてリーグ戦での先発の座をつかんだシュミット・ダニエルのような選手もいる。
最近の仙台は、リーグ戦について言えば、3試合ホームで勝てていない。このプレッシャーにも打ち勝つ必要がある。
文:totoONE編集部
■FC東京 太田宏介のセットプレーがチームの武器に
【プラス材料】
前節の広島戦は堅い試合展開となったが、90分を通して粘り強さを失わず、CKの流れから丸山祐市がJ1初ゴールを決めて1-0で勝利した。
最近は特にGKの林彰洋が好セーブを連発し、その安定感は抜群だ。攻撃面では、太田宏介のキックの精度を生かしたセットプレーが、チームの武器になりつつある。
一方、昨年7月にひざを負傷した米本拓司が、長期離脱から復帰。4月30日のJ3リーグで短い時間ながらも出場を果たした。また5月3日のルヴァン杯、札幌戦では、U-18の久保建英も途中出場し、前線で存在感を発揮した。米本、久保共に今節のJ1リーグへの出場は微妙だが、チームの底上げを図る意味では大きなプラス材料だ。総力を挙げてリーグ3連勝をめざす。
【マイナス材料】
ルヴァン杯の札幌戦では、永井謙佑に移籍後初ゴールが生まれ、リーグ前節に続いて公式戦2連勝を果たした。しかし、いずれも1-0での勝利に終わり、特に攻撃陣の得点力不足は否めない。
また、J3リーグにも参戦するFC東京にとっては、さらにハードな日程が続き、チームコンディションに不安が残る。けがにより橋本拳人が出場を回避する試合が続き、そのため、ボランチの髙萩洋次郎がフル稼働を余儀なくされていることも気掛かりだ。
メンバーをやりくりしながらも、「誰が出場しても、個々の特徴を生かす」ことを狙う篠田トーキョー。ハードワークや球際の勝負、切り替えの速さなど、常にチームとしてのベースを失わず、安定感をもって戦えるかが今節もポイントになるだろう。
文:totoONE編集部