R・シルバのスルーパスから興梠の決勝点が生まれた [写真]=清原茂樹
相性はバツグンだ。
「ラファが持った時には、どうにかして動き出そうと。スペースを見付けて走り出そうとした。いいボールが出てくるので、あとは自分の技術で決めるだけ」と興梠慎三がラファエル シルバを褒め称えれば、「クレバーな選手なので動き出しも能力も高いです。ポテンシャルを持っている選手なので、一緒にプレーしやすい。僕の味を引き出してくれる」と相棒も興梠を評した。
それを証明したのが、14分の先制点の場面。こぼれ球を遠藤航がクリアし、柏木陽介がつなぐと、ラファエル・シルバがドリブルで駆け上がる。ゴール前に向かって走り出す興梠。ラファエル・シルバが相手DF2人の間を縫うピンポイントパスを送ると、興梠がダイレクトで流し込み、これが決勝点となった。
浦和レッズにとっては火曜日にAFCチャンピオンズリーグの上海上港戦を終え、中4日で迎えた試合。その上、25度を超える夏日となった。「ほとんどの選手が連戦しているので疲れていたとは思いますけど、それでも身体を張ってやってくれていた。出ていない自分らが結果でどうにしかしようかなと思っていた」。出場停止のため、ACLを欠場していた興梠は意気込んでいた。
しかし、浦和らしいサッカーはなかなか展開できなかった。特に後半は、「相手のサイドバックに俺と武藤(雄樹)が付くという、ちょっとシステム変更があった」ことで守勢にまわる時間帯が増え、相手に試合をコントロールされてしまった。
「守備に回ることが多いゲームだったけど、自分としては1-0で終えるのは理想だと思うし、守備陣が身体を張ってゼロで押さえてくれたので、こういうゲームもすごく大事だと思います」。
難しい試合をしっかりと勝ちにつなげた浦和。興梠慎三とラファエル・シルバのコンビネーション確立という、新たな武器を手に入れた。