■川崎フロンターレ 新加入の家長昭博はゴールという結果を出したい
開幕戦では大宮に2-0で勝利。決して満足の出来る試合内容ではなかったが、中村憲剛は「したたかにやれたと思う。セットプレーで一点取って、しっかり守って時間を使って、最後に隙をついていく」と語っている。ACLを含めて苦しい展開が続いているが、それでも最低限の結果を持ち帰るだけの粘り強さは備えつつある。
現在、チームが直面している課題は新加入選手との融合だ。開幕戦ではワントップに起用された家長昭博が機能せず、中央からの攻略が停滞。試合後の家長本人も「まだまだ求められていることはできていないし、チームとまだ合っていない」と渋い表情だったが、補強の目玉とも言える彼を前線にどう組み込んでいくのか。我慢を要する期間も織り込み済みだろうが、3年連続得点王に輝いた大久保嘉人は、リーグ2試合目で移籍後初ゴールを挙げ、そこから得点を量産するコツをつかみ始めたと明かしていた。フォワードにとっては得点が特効薬になることも珍しくないだけに、ここでゴールという結果を出して自信としてほしいところだ。
懸念材料は、チームにおけるコンディションのバラつきになる。ミッドウィークのACLでは大幅にメンバーを入れ替えて臨んだとはいえ、車屋紳太郎は公式戦3試合連続でフル出場し、田坂祐介、E・ネット、小林悠もACLイースタンSC戦で途中出場。鳥栖戦では彼らの疲労を考慮した起用となるだろうが、一方で、香港遠征に帯同しなかった中村憲剛や大島僚太といった主力は奮起が求められるところ。鳥栖は前節3失点を喫したものの、守備組織には定評があるチームだ。粘り強く攻め続け、連勝といきたい。(いしかわごう)
■サガン鳥栖 開幕戦を欠場した福田晃斗が復帰予定、豊富な運動量がチームに好影響を与えるか
ホームで迎えた開幕戦では、新加入のMF原川力が直接FKを決めて幸先良く先制した鳥栖。しかし、後半にPK2本を含む3失点を喫して柏に敗れた。鳥栖がJ1の開幕戦で敗れたのはこの試合が初めて。しかし、前述の原川や5年ぶりにJリーグ復帰を果たしたFW小野裕二が負傷明けながら12km以上走るなどしっかりとチームに貢献した。「開幕戦ではウチとしてやろうとしていたことはできていました」とMF鎌田大地が話したように、マッシモ・フィッカデンティ監督の戦術はチームに浸透している。
今節の川崎戦では開幕戦をインフルエンザのために出場できなかった福田晃斗が復帰予定。マッシモ・フィッカデンティ監督のサッカーを知り、運動量も豊富な彼が戻ることはチームにとって良い影響がある。これによって、中盤から前線にかけてのメンバー構成が若干変わりそうだ。FW富山貴光に代わって2トップの一角に入りそうなのが小野、開幕戦で小野の入っていたインサイドハーフの位置に古巣戦となる原川の起用が予想される。この試合に向けて原川は「(川崎の)一人ひとりのクセは分かっているが、僕のことも知られている。古巣戦は意識し過ぎず、ただの1試合として臨みます」と冷静に話した。
攻撃の中心となる鎌田は「相手がポゼッションしてきてしんどい時間が続くのは間違いないと思いますけど、しっかりと0で試合を運んでいければ」と話し、「個人的にはチャンスが来たらしっかりと決めたいです」と続けた。
昨季のアウェイ川崎戦は終了間際に失点して敗れた。それを繰り返さないためにも、しっかりと守って、少ないチャンスを得点に結びつけることが今季初勝利への第一歩となる。(荒木英喜)