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【土屋雅史氏のJ2展望】J2残留を狙う21位金沢と22位岐阜に注目…ベテラン2選手が勝ち点獲得に導くと見る

2014シーズンより金沢でプレーする水永(写真は2015シーズン) [写真]=Getty Images

 リーグ戦残り3試合というタイミングで20位から22位までの3チームが同じ勝ち点で並ぶという、近年稀に見る大接戦を演じているJ2残留争い。昨年の大躍進から一転、開幕から苦しいシーズンを強いられているのが入れ替え戦枠にあたる21位に位置するツエーゲン金沢。ただ、その金沢にはこの苦境を救う活躍を期待したくなる、1人のベテランストライカーがいます。

 その男とは水永翔馬、31歳。宮崎日大高校を卒業後、地元のチームでもあり、当時は九州リーグ所属のホンダロックSCに加入した水永は、チームのJFL初参戦となった加入2年目に定位置を確保し、リーグ戦でも11ゴールを記録。結果的に入れ替え戦でFC岐阜に敗れ、降格を経験することとなる翌シーズンも、10ゴールを挙げて2シーズン連続で二桁ゴールを叩き出し、その存在が注目を集めるようになります。

 以降も2シーズンの九州リーグ時代と、2シーズンのJFLをホンダロックで過ごし、コンスタントにゴールを重ねていた水永が次の主戦場として移籍したのが、こちらも当時JFLに在籍していた同じ九州のV・ファーレン長崎。ここでも2011年シーズンに14ゴール、翌シーズンも11ゴールと、きっちりと結果を出してチームのJ2昇格に貢献。そして2013年、27歳でのデビューとなったJリーグの舞台でも、ホーム開幕戦のガンバ大阪戦でいきなりゴール。絶対的な高さを生かしたチームの基準点として体を張り続け、J1昇格プレーオフ進出まで駆け上がった長崎を牽引する姿が印象的でした。ところが、2014年シーズンは大きく出場機会を減らし、その名前を聞くことも少なくなった水永。その彼にJ2昇格の切り札としてオファーを出したのが金沢でした。7月に長崎からの期限付き移籍が発表されると、水永も期待に応える形で16試合で8ゴールをマーク。J3初代王者とJ2昇格を同時に手に入れた金沢にとって欠かせない存在となることで、改めて自身の価値を証明して見せたのです。

 前述したように、昨シーズンの大躍進を経て迎えた今シーズンは、チームも、そしてここまで3ゴールにとどまっている水永も、満足のいく結果を残しているとは言い難く、J2残留という唯一の目標を達成すべく、苦闘を続けているような状況です。それでも、やはりこういう時だからこそ、地域リーグやJFLを経験し、数々の修羅場をくぐり抜けてきたようなベテランの力が間違いなく必要になってくるはず。前節の愛媛FC戦でも1-3と完敗を喫した中で、唯一の得点は水永の強引なシュートがこぼれ、馬渡和彰が詰めて奪ったものであり、水永のゴールへの意欲が衰えることはありません。

 今節の対戦相手、セレッソ大阪に3-0と衝撃のスコアで完勝を収め、意気上がる11位のジェフユナイテッド千葉。難敵ではありますが、最後の2節をアウェイで戦う金沢はこれがホーム最終戦であり、簡単に引き下がるわけにはいかない重要なゲームです。そんな状況もトータルで加味しつつ、ここは金沢が意地を見せると予想し、「1」で勝負に出ます!

 前節は残留を争う3チームの中で、唯一の白星を手にした22位の岐阜。最下位という順位こそ変わらなかったものの、勝ち点ですぐ上につける2チームと並んだことが、かなりポジティブな状況であることは言うまでもありません。そして、その勝ち点3を手繰り寄せる決勝ゴールを奪ったのが、今年で35歳になったベテランの冨士祐樹でした。

 埼玉出身の冨士は武蔵越生高校から、大学サッカー界屈指の名門である国士舘大学に進学。同期に相馬崇人(ヴィッセル神戸)や山﨑雅人(金沢)など好選手が多く在籍していた中で、彼も貴重なレフティの左サイドバックとして頭角を現し、当時はチームがJFLに所属していたこともあって、高いレベルでの実戦を経験しながら着実に成長。卒業後はJリーグ参入を目指していた大塚製薬で、サッカーを続ける道を選択します。

 その大塚製薬は2004年シーズンをJFL連覇で飾り、念願のJリーグ参入が決定。自身も晴れてJリーガーとなった冨士は、参入1年目となる2005年シーズンの中盤戦あたりから出場機会を伸ばし、リーグ戦でのゴールも記録。その後の活躍が期待されていましたが、以降の2シーズンはほとんど試合に出ることができず、2007年シーズン終了と同時に契約満了に。翌シーズンからは新天地を求め、JFL所属のニューウェーブ北九州でプレーすることになりました。

 加入した2008年シーズンからしっかりと主力の座をつかんだ冨士。2009年には自身2度目の“昇格”が懸かったアルテ高崎戦で、徳島時代からの盟友でもある大島康明へ絶妙のクロス送ってアシストを記録すると、その一戦で勝利を収めたチームはJリーグ昇格を勝ち獲り、冨士も3シーズンぶりにJ2の舞台へと返り咲きます。その北九州には、結果的にJFL時代も含めれば7シーズン在籍。特に2014年シーズンはリーグ戦39試合に出場し、完全な主力選手としてチームの5位躍進を支えるパフォーマンスを発揮し続けましたが、岐阜から届いたオファーに「新たなチャレンジをしたい思いが芽生え、さらに悩み抜いた中で今回の決断をしました」と移籍を決断。自身3つ目のクラブで新たな道を歩み出します。

 その岐阜では、昨シーズンもリーグ戦21試合に出場したものの、レギュラー確保には至らずにチームも20位と低迷。ラモス瑠偉監督の解任もあった今シーズンは負傷もあり、さらに出場機会を大きく減らしていた中で、この終盤戦にきてスタメンでのプレーが一気に増加。そして前節のザスパクサツ群馬戦も左サイドバックで先発出場を果たすと、同点で迎えた最終盤の86分に右から入ったクロスへ後方から飛び込んできたのは冨士。左足で合わせたボールは、右ポストを叩いてゴールへ吸い込まれます。移籍後初ゴールはチームの連敗を「5」でストップする貴重な決勝弾。この重要な一戦で大きな大きな勝ち点3を岐阜にもたらしてみせました。

 今節はここにきて復調傾向にあり、怒涛の3連勝で再び昇格プレーオフ圏内を視野に捉えつつある7位の横浜FCが相手ですが、ホーム連戦となるこの試合も当然岐阜は負けられません。激しい試合が期待される中、ここは岐阜が良い流れを持ち越すことを予想して、「0」にマークしたいと思います。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第40節
2016年11月6日(日)13時キックオフ
FC岐阜vs横浜FC(岐阜メモリアルセンター長良川競技場)

■明治安田生命J2リーグ第40節
2016年11月6日(日)17時キックオフ
ツエーゲン金沢vsジェフユナイテッド千葉(石川県西部緑地公園陸上競技場)

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