2016.10.24

【コラム】ゴールへの強い欲望を秘め、好調2トップの影で光る清水MF白崎凌兵の泥臭さ

白崎は今季リーグ戦の連続フル出場記録を24試合に更新した [写真]=Jリーグフォト
サッカーキング編集部

 勝利への執念をたぎらせ、90分間走り抜いた。24日に行われた2016明治安田生命J2リーグ第37節で、清水エスパルスのMF白崎凌兵は第14節から続くリーグ戦連続フル出場記録を24試合に更新した。

 3試合連続となる“アベックゴール”を記録した2トップの鄭大世と大前元紀にスポットライトが当たる中、小林伸二監督は試合後の記者会見で2得点に絡んだ白崎の名を挙げた。32分に生まれた先制点の場面で、白崎は右サイドの石毛秀樹からのクロスを頭で中央に折り返し、大前のゴールをアシストした。

「あそこに白崎が入っていることが大事。苦しい時に二人(鄭大世と大前)が点を取ってくれているのは確かだけど、もう一つ前の段階での頑張りが2トップの得点につながっている」(小林監督)
 
 今シーズンの清水は、左サイドハーフの白崎と左サイドバックの松原后のコンビを起点に、左ボランチの竹内涼や2トップを交えた“左サイド攻撃”が強みの一つ。白崎自身も「二人(白崎と松原)のプレーが試合を左右するくらいの気持ちでやらなければいけない」と強い責任感を抱いて臨んでいる。北九州戦は守備を固める相手を前に左サイドから崩す場面は少なかったが、一方で白崎は「中に入ったり、右サイドに移ったりと自由に動くことができた」と、運動量を惜しみなく発揮して前線を活性化。29分には、左サイドでパスを受けた白崎が中央に切れ込んで右足シュート。DFに当たったこぼれ球をペナルティーエリア内左から竹内が折り返し、中央で鄭大世が押し込んでネットを揺らす場面があった。結果的にオフサイドでゴールは取り消しになったが、その前から相手DF陣を混乱させるべく中盤を動き回っていた白崎のプレーが奏功し、見事な連係を披露することができた。

 ドリブルやシュートの技術、スピードなどの身体能力の高さに加え、抜群の攻撃センスでリズムを生み出す白崎だが、もともとはストライカーであり、ゴールへの強い欲望は隠さない。

「点を取れば気持ちいいし、クローズアップされるので、積極的に狙っていきたいと思っている。自分のやりたいプレーもある」

 だが、今シーズンの白崎が小林監督からの信頼を勝ち得ている要因には、守備面での奮闘が大きい。竹内は白崎の守備での貢献について明かす。

「(白崎は)体を張ってくれるし、守備で2回、3回と動き出しができる。ボランチの立場からすれば、ああいうサイドハーフがいることによってすごく楽になる」

 後半アディショナルタイムには、相手のカウンターを止めるべく全速力で守備に戻り、ボールを奪ってすぐさま鄭大世に縦パスを展開。ここから村田和哉のシュートが相手選手の手に当たってPK獲得につながる起点となった。

 その直後、白崎はタッチライン際でドリブルを仕掛けた際に足がつってしまい、ピッチに倒れ込んだ。颯爽と駆け上がる姿が似合う彼らしくない様ではあったが、「でも、それだけ目一杯やろうと常に思っているので」と胸を張った。

「攻撃はもともと得意な部分なので、守備とか見えないところでもチームに貢献することにこだわっている。そこを評価してもらえることはうれしいし、選手としての幅が広がるので、やりがいがある。今日は積極的なプレーをして最低限のアシストという仕事ができたし、その時々で大事なプレーがしっかりできる選手になりたい」

 チームのことを最優先に考え、できることは何でもする。シーズン序盤からケガ人が続出しているチームにおいて、白崎も離脱期間はあったが、復帰以降、連続出場を続けている陰で日頃から入念な体のケアに取り組んでいる。また、松原ら若手選手に対してはピッチ内で声を掛けるだけでなく、ピッチ外でも相談に乗るなどチームを牽引する立場としての自覚も芽生えている。貪欲に勝利を追い求め、努力を重ねる彼の姿は、チームメイトに大きな刺激をもたらしているはずだ。

 北九州を2-0で下して今シーズン初のリーグ戦4連勝を果たした清水は、2位松本山雅FCと勝ち点3差の3位に浮上。今節で清水を除いた上位5チームすべてが白星を逃しており、逆転での自動昇格へ追い風ムードが漂ってきた。それでも白崎は浮足立つことなく、前を見据える。「自分たちにできることは全部勝つこと。それしかない」。J2屈指の攻撃力を備える清水の中で、泥臭いプレーをいとわない白崎の存在は、一際まばゆい輝きを放っている。

文=平柳麻衣

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