アシストした車屋(左)とゴールを喜ぶ小林(右)[写真]=瀬藤尚美
「違うよ! それはネコだよ!」。会心の決勝ヘッドを決めて勢いよく「ゴジラポーズ」を披露したFW小林悠が、そう言ってMF中村憲剛に突っ込まれる一幕があった。
川崎フロンターレは23日、明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第5節でFC東京と対戦。今回の「多摩川クラシコ」は、日本で12年ぶりに製作されたゴジラシリーズ最新作「シン・ゴジラ」とのタイアップ企画として「多摩川クラジゴ」と銘打ち、試合前には主演を務める俳優・長谷川博己さんの始球式も行われた。
均衡を破ったのは、「いいボールを上げてくれたので、飛び込むだけだった」という小林のヘディングシュートだった。FKのこぼれ球を拾った中村が左サイドに展開。DF車屋紳太郎の「相手が大きいので高さで勝つのはすごく難しいと思った。走り込んできたら勝てるようなボールを置く感じで蹴った」というクロスをヘディングで叩き込んだ。
ところが、その後のゴールパフォーマンスが“失敗”に終わってしまう。中村がメインスタンドに向かい「ゴジラポーズ」で喜びを爆発させている横で、小林は手のひらを顔の横に構えた、いわゆる「ジャガーポーズ」を披露。本人は「ゴジラポーズ」をとったつもりだったが、「なぜか『ニャー』ってやるから。それは違うよ。何やってんだよって(笑)」と中村が腰の横で手のひらを天に向けた正しい「ゴジラポーズ」をその場でレクチャー。会場を沸かせた。
試合後、小林は「練習しておけば良かったですね。あんまり知らなくて……」と苦笑いを浮かべたが、これで5試合連続ゴールを記録。2005年にFWジュニーニョが記録したクラブ記録に並んだ。これには「シンプルにうれしいですね。一緒にプレーした時期もあったし、師匠というか。すごく参考にさせてもらっていました」と頬を緩めた。
チームも好調をキープしている。14試合連続負けなしで年間勝ち点1位の座を守り、次節はアウェーで湘南ベルマーレと戦う。「ケガなくやることができれば、ゴールを取れる自信はある。しっかりこのまま続けていきたい」。チームの勝利とともに、クラブ新記録となる6試合連続ゴールに期待がかかる。
By 高尾太恵子
サッカーキング編集部