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【土屋雅史氏のJ2展望】J1復帰を狙う松本が上り調子の長崎と激突…古巣戦に臨む岩間のパフォーマンスも必見

2016.07.22

2011年から2013年まで長崎に在籍していた松本MF岩間雄大が古巣戦に臨む [写真]=Getty Images

 ここ4試合は引き分けと負けが交互に続き、結果の出ない時期を迎えている5位のファジアーノ岡山。そんなチームに、キャプテンの岩政大樹や加地亮に続いて、ワールドカップ経験者が加わりました。

 その選手とは、タイのパタヤ・ユナイテッドFCから移籍してきた金珍圭。2006年のドイツ・ワールドカップに挑む韓国代表に選出され、本大会でも2試合でスタメン出場を果たすなど、十分な経験値を有している31歳のベテランディフェンダーです。ジュビロ磐田、ヴァンフォーレ甲府に続き、Jリーグでは3クラブ目のプレーということもあって、GK中林洋次曰く「日本語もすごく上手な選手で経験もありますし、非常にスムーズにディフェンスラインに入ってきてくれています。コミュニケーションもしっかり取れているので、その面でも特に問題ないです」とのこと。第22節の東京ヴェルディ戦で岡山デビューを飾ると、20日の横浜FC戦では3バックの一角としてスタメン起用されます。ただ、49分に味方のバックパスに対して、少し芝に足を取られる格好でスリップしてしまい、それが結果的に唯一の失点につながる形でチームも敗戦。本人も試合後は「ミスの衝撃がキツくて、どういう言葉を掛けられても整理がつかない状況です」と落胆の色を隠せませんでしたが、そのプレー以外では得意のフィードも含めて及第点以上のパフォーマンスを披露。長澤徹監督も「フィードとかはすごく自信を持ってやってくれていて、あとは対敵の部分も問題はなかったと思いますし、まだまだ彼の持っている力からしたらやれると思います」と、一定の手応えと今後への期待を口にしていました。


 今節で対戦する11位のモンテディオ山形は現在3試合勝ちがありませんが、NDソフトスタジアム山形での結果だけを見ると、第8節の北海道コンサドーレ札幌戦以降は4勝5分と9戦無敗を継続中。今のJ2において、“ホームで最も負けにくいチーム”であることは間違いありません。連戦中ということもあり、金珍圭がスタメン起用されるかどうかは何とも言えませんが、この一戦は両者の現状にデータを加味して、「0」が濃厚かなと予想します。

 第14節以降怒涛の4連勝、一つの負けを挟んで今度は5連勝を達成。20日の首位攻防戦では札幌に敗れたものの、虎視眈々と1年でのJ1復帰を狙う2位松本山雅FC。今節の相手は序盤戦の苦闘から一転、ここ6戦無敗の3連勝中と調子を上げつつある10位のV・ファーレン長崎ですが、この一戦が古巣対決にあたる松本の岩間雄大はいつも以上に気合いが入っていることでしょう。

 高校を卒業後、憧れだったブラジルへの留学やFC KOREAでのプレーを経て、JFLに所属していたアルテ高崎へ辿り着いた岩間でしたが、当時はアマチュア契約。工場のラインで働きつつ、居酒屋の厨房で料理を作りながら、グラウンドに立つ日々が4シーズンに渡って続きました。1年近い長期離脱を強いられる負傷を負ったこともあって、その時期のことを『苦しい時間』と表現した彼に転機が訪れたのは2011年。念願のプロ選手として長崎への移籍が決まり、在籍2シーズン目にはJ2昇格に大きく貢献しました。27歳でJリーグデビューを果たすと、チームもJリーグ参入1年目から大躍進。いきなり昇格プレーオフ進出を果たします。すると、今度はその長崎で41試合に出場していた岩間に目をつけたのが松本。その松本でも移籍初年度から反町康治監督の信頼を勝ち取り、不動のレギュラーとして獅子奮迅の大活躍。チームも自動昇格圏内の2位に滑り込み、とうとう岩間は昔から抱え続けてきた「J1でプレーしたい」という目標を自ら現実のものにしてみせたのです。

 再昇格を期し、新たな戦力を補強して迎えた今シーズンは、開幕戦からの4試合こそスタメンを外れましたが、なかなか結果の出ないチームの中で反町監督が求めたのは、やはり岩間の安定感。第5節以降は完全に定位置を確保し、ここまですでに4ゴールと攻撃面でも覚醒した感があります。以前、長崎時代のチームメイトでもある舞行龍ジェームズ(アルビレックス新潟)が「岩間さんはあまりそう思われてないかもしれないですけど、本当に上手い選手なんですよ」と話していたことも強く印象に残っており、選手からの信頼もかなり厚い様子。また、長崎には岩間が在籍していた頃の選手も残っていることもあって、彼らもこの対戦を楽しみにしているはずです。そんな関係性も考慮しつつ、ここは岩間のパフォーマンスに下支えされた松本がホームできっちり勝利を収めることを予想して、「1」にマークしたいと思います!

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! サッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/top/)』にて、『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』が好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第25節
2016年7月24日(日)18時キックオフ
モンテディオ山形vsファジアーノ岡山(NDソフトスタジアム山形)

■明治安田生命J2リーグ第25節
2016年7月24日(日)19時キックオフ
松本山雅FCvsV・ファーレン長崎(松本平広域公園総合球技場)

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