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【土屋雅史氏のJ2展望】高校時代のチームメイトがピッチで再会…12位山形vs18位水戸は「0」決着が濃厚か

2016.06.24

 5勝6分7敗で12位につけているモンテディオ山形と、4勝7分7敗で18位となっている水戸ホーリーホック。一見すると、少し順位も離れているように感じますが、勝ち点差はわずかに「2」。両者が激突する今節の結果次第では順位が入れ替わる可能性もあるという、大事なゲームを今週末に控えています。そんな一戦の注目ポイントは、古巣対決も含んだ高校時代のチームメイトの再会。山形の伊東俊と川西翔太、昨シーズンまで山形に在籍していた水戸のロメロ・フランクの3人は、青森山田高校時代のチームメイトなんです!

 伊東が3年生、川西とロメロ・フランクが2年生だった代の青森山田は、とにかくタレント集団。最終ラインに川邊裕紀、中盤に松本怜、前線に小澤竜己と、結果的に6人のJリーガーを輩出したチームの中で、伊東とロメロは完全なレギュラーとして活躍しました。川西もスーパーサブ的な役割を担っており、夏のインターハイでは強豪を相次いで撃破して日本一を獲得。高校選手権では3回戦で多々良学園に屈したものの、名門・青森山田へ初の全国制覇をもたらしたチームとして、当時も大きな注目を集めていました。高校卒業後は3人揃って大学へと進学し、1学年上の伊東は2010年に山形へ加入。翌年に川西とロメロはそれぞれガンバ大阪と水戸でプロの道を歩み始めましたが、ロメロが2013年に、川西が2014年に山形へと新天地を求めたことで、すでにチームの10番を背負っていた伊東との“青森山田トライアングル”が再結成。そのシーズンの昇格プレーオフでは、3人ともに出場機会を獲得し、クラブとして2度目のJ1昇格に貢献することになりました。


 ロメロの移籍に伴って解散することとなった“青森山田トライアングル”ですが、そのロメロは4年ぶりに復帰した水戸でレギュラーポジションを確保。伊東と川西もスタメンでの出場が続いており、ピッチ上での再会が実現する可能性はかなり高いと思います。これから差し掛かる厳しい夏の連戦を前に、お互いに少しでも勝ち点を積み重ねておきたいところではありますが、今回はなかなか勝ち切れない両者の現状も考慮して、「0」が濃厚か、という予想を立てています。

 J2昇格初年度ながら、9勝4分6敗と堂々の白星先行。順位も昇格プレーオフ圏内と勝ち点1差の7位と健闘が続いているレノファ山口FC。メンバーリストを眺めてみても、いわゆる“苦労人”と呼ばれる選手が多いチームの中で、特にこのJリーグの舞台へ辿り着くまでに様々な経験を重ねてきた選手が、J2の舞台で躍動しています。その選手の名は鳥養祐矢。今年で28歳となった彼は、ジェフユナイテッド千葉ユース在籍時にセカンドチームとしてJFLに所属していたジェフ・クラブで、2種登録選手としてリーグ戦にも出場していましたが、トップチーム昇格は果たせず、そのまま名前の変わったジェフリザーブズで4シーズンに渡ってプレー。2011年にはJFL屈指の強豪だったSAGAWA SHIGA FCへ加入し、リーグ優勝にも貢献した後、チームの解散に伴って2013年にはFC琉球へと移籍しました。しかし、そのシーズンに大けがを負ってしまい、1シーズンで退団。負傷の影響もあって、引退も視野に入れていた時期に、現在もチームを率いている上野展裕監督に誘われ、山口での現役続行を決断。以降はJ3昇格とJ2昇格に主力選手として大きく貢献しました。今シーズンも第13節のセレッソ大阪戦で2ゴールを叩き込み、昇格候補の強豪をアウェイで撃破する原動力になるなど、初挑戦となるJ2のステージでその実力を遺憾なく発揮しています。

 思い出すのは昨シーズンのJ3第9節のこと。スタメン出場していた鳥養が前半で負傷交替したこともあって、試合後の会見で何人かの記者から鳥養に関する質問が出た際に、上野監督が「鳥養が好きなんですか? 皆さん、鳥養、鳥養っておっしゃいますけど(笑)」と笑いながら話していたのが凄く印象的でした。でも、ここ3年間の起用法を見ていると、鳥養のことを誰よりも好きなのは間違いなく上野監督でしょう(笑)。そんな鳥養も含めた山口が誇る“ファンタスティック4”も、岸田和人が戦線復帰したことでここにきて勢揃い。チームも水戸戦で3試合ぶりの勝利を挙げており、再び上昇気流に乗る一歩手前のところまできているのは間違いありません。今節はクラブ創設以来初対戦となる清水エスパルスとの“新・オレンジダービー”。前節の千葉戦はドロー決着で連勝が「2」でストップした清水も、一定の調子はキープしているだけに激戦必至。ここは撃ち合う展開も視野に入れながら、好ゲームでの「0」を予想したいと思います。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! サッカーくじtoto予想サイト『totoONE』にて、『今週のJ2』が好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

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