”母の日”にも抜群の決定力を見せ、リオ五輪のOA選出が期待される大久保 [写真]=池田みのり
J1歴代最多得点男の2年連続“母の日ゴール”だ。
川崎フロンターレFW大久保嘉人が8日に行われた明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ第11節の柏レイソル戦でJ1通算163ゴール目をマーク。“母の日”に行われたゲームで、福岡県で暮らす母親にカーネーション代わりの一発を贈った。
実は大久保と“母の日”には不思議な縁がある。昨年も“母の日”に行われたファーストステージ第11節名古屋グランパス戦で得点を決めており、2013年と2014年には母の日前日の土曜日に2ゴールずつを記録。偶然とは思えない決定力だ。ちなみに母親へのプレゼントは「妻が買ってくれている」ため、「自分からは特に何もしていなかった」という。そういった経緯もあり、この日の試合後には「テレビを通じてゴールを見せることができて良かった。こういう頑丈な体に生んでくれたのは、本当に母と父のおかげなので、今から思うと本当にありがたい。今も活躍できるような体に育ててくれたということもあるので、それは感謝したいですね」とテレビカメラに向かって思いの丈を伝えていた。
この日の相手は、ここまでリーグ戦5試合連続完封勝利を挙げて4位に浮上していた柏。首位の浦和レッズを追撃する2位川崎としては是が非でも勝ち点3が必要となる重要な一戦で、エースが抜群の勝負強さを見せつけた。
まずは1-1で迎えた52分、右サイド深くまでえぐったエウシーニョがGKの頭を越えるふわりとしたクロスを上げると、「絶対にあそこへ来ると思って走った」という大久保が頭でねじ込んで勝ち越しに成功。続く10分にカウンターから中村憲剛のパスを受けて左から中央へとカットインすると、右サイドへ柔らかいボールを供給して小林悠の豪快なボレーシュートを演出。「リラックスすることだけを意識した」という小林は、「すごく打ちやすいボールだった」とアシスト役を称賛した。大久保の絡んだ2発が柏の勢いを止め、チームは3-1で勝利。大久保はシーズン7ゴール目で暫定ながら得点ランクトップに立った。
試合当日の朝、リオデジャネイロ・オリンピックのオーバーエイジ枠における大久保招集に関して、日本サッカー協会から川崎への打診が一部報道で伝えられていた。これを受けて報道陣からリオ行きの可能性を問われた大久保は、「実際にどうかは分からないけど、そういう話が来れば。自分としては『日本のために』というところはあります」とリオへの思いを口にしつつ、「まだ分からないです。それしか言えないっす。言ったらダメです。庄子(春男)さんに怒られます」とGMの顔が思い浮かんでいた様子だった。
もしリオ五輪に出場した場合はリーグ戦数試合を欠場することになり、4年連続の得点王獲得にはマイナスとなる。だが、それも「全然問題ないです。もう3回取ってますから。それよりも日本のために大きな大会に出られるのはいいことなんで」と意に介さない。オーバーエイジ枠に関して彼自身の本音は十分に伝わってくるが、やはりそれ以上のコメントは控えているようで、「でも、分かんないです。庄子さんに聞いてください」と周囲を笑わせてミックスゾーンを後にした。
2004年のアテネ五輪に出場していた大久保は、続く2008年の北京五輪でもオーバーエイジ枠での本大会出場が報じられた。だが、当時は所属していたヴィッセル神戸との調整がつかずに参加を断念した経緯がある。彼自身は2014年のブラジル・ワールドカップで未勝利のまま敗退するという悔しさを味わっているだけに、同じ“サッカー王国”で開催されるリオ五輪でリベンジしたいという気持ちは強いはず。“母の日”ゴールで改めて母親への感謝の意を伝えた大久保。果たして彼の「日本サッカー界のために力になりたい」という思いは実るのか。
文=青山知雄
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By サッカーキング編集部
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