同郷の車屋に代わってピッチに立った谷口(左)。体を張って相手の好機を潰した [写真]=Getty Images
DF谷口彰悟(川崎フロンターレ)が、16日の明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ第7節のFC東京戦後に、故郷・熊本への想いを口にした。
熊本では14日夜に最大震度7の地震が発生。依然として大きな地震が頻発している。谷口は、家族の無事は確認できたと言うが、「周りはまだまだ把握し切れていない。全部は把握できていなくて、テレビを通して得る情報しかない」と心配そうに語った。
この試合、谷口は同じ熊本の大津高校出身で筑波大学でも一緒にプレーをした、後輩のDF車屋紳太郎に代わってピッチに立った。「今の自分にできることはサッカーで、結果を出して頑張っている姿を見てもらうことしかないと思った。だから、目の前のゲームにしっかり集中するように心掛けました」。その言葉通り、先制点を許したFWネイサン・バーンズの動きを封じ、チームの逆転勝利に貢献した。
川崎のサポーターたちも、試合前に『故郷に勇気を届けよう!!!』と激励の横断幕を掲げた。「九州でこういう大きな地震はなかなかないので、多分不安でいっぱいだと思う。余震が続いているし、体力的にも精神的にも本当にきついと思う」。故郷に勝利を届けた谷口は、「サッカーで戦っている姿をメディアを通して見てもらうことで、勇気づけられたらいい」と神妙に語った。
By 高尾太恵子
サッカーキング編集部