2015.12.06

日本人最多3度目の優勝…森保監督「ハードワークで勝ち獲ったみんなの勲章」

森保一
J1制覇を喜ぶ広島の森保一監督 [写真]=AMA/Getty Images
サッカー総合情報サイト

 サンフレッチェ広島は、5日に行われた明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ決勝 第2戦でガンバ大阪と対戦し、1-1の引き分けで試合を終えた。この結果、2試合合計4-3とした広島が、2年ぶり3度目のJ1制覇を果たした。

 表彰式を終えて会見を行った森保一監督は、「今日できればホームで勝って、優勝を決めたいと思っていました。本当にたくさんのサポーターに勝利はお届けできなかったですけれど、引き分けまで持ち込んで優勝を決められて、年間優勝を勝ち取れて本当に良かったと思います。応援してくれる皆さんに感謝の気持ちを結果として表せて、お届けできて良かったです」と引き分けという結果に悔しさも見せながら、サポーターへの感謝を口にした。

 試合を通しては、「今年のうちを象徴しているような試合内容だったと思います。ガンバさんは勝たなければいけないという状況で圧力をかけてきて、うちの選手も緊張がみられた。そんな中で押し込まれて1失点してしまい、2点3点と取られる流れだったかもしれないけれど、耐えるところは耐えて流れを引き寄せてくる。それが浅野(拓磨)のゴールにつながったのかと思います。ハーフタイムのロッカーでもっとやれるだろう、自分達の力を出し切ってやろうということで、それをやってくれたことが1-1で終えられたこと、優勝に結び付いたと思っています」と振り返り、プレッシャーの中で耐えたことが優勝につながったと述べた。

「試合前のミーティングで伝えたことはメンタル的なところが多かったです」と言うように、リードしている状況で、守りに入ってしまうと相手の圧力を受けて試合を持って行かれるということを懸念していた森保監督。「自分達の思いどおりにいかないときにしっかり耐えていくところ、そうすることで流れを持ってこられるという話をしました。あとは自信の部分。今日の決勝の舞台にいられるのもレギュラーシーズンの中、トレーニングの中から積み上げてきたもので、自信にして今日の試合に臨もうと伝えていました」と、試合前にはとにかく気持ちの面をケアしていたことを明かした。

 そして、指揮官自身の気持ちとして、「年間優勝を獲れたのは良かったですけれど、実はホッとしたのが大きいです」と胸の内を明かすと、「レギュラーシーズンで我々は1位だったわけで、これで落としたら1年間の選手の頑張りというものが自信として次につながっていくことが難しくなると。選手には過去最高の勝ち点で1位を獲って、セカンドステージを獲ったこと、最多得点・最少失点という自信を持ってこのチャンピオンシップを勝ち獲ろうということは思っていたが、今日優勝を逃したらそれも揺らいでしまうということも思っていました」と、1年間積み重ねてきたことが報われたと喜んでいる。

 選手交代については「ゲームプランの中に(佐藤)寿人から拓磨に代えるというプランは持っていました。交代のタイミングですが、ガンバさんが2点目を取りに圧力をかけてくるときに我々も受けるのではなく攻撃に出るんだというところに、フレッシュな拓磨を入れて攻撃のメッセージをつたえられるようにしました。柏(好文)投入についても、逃げ切ろうということで試合を進めてしまうと、圧力に屈して2点目を奪われることにつながるかもしれないと思っていました。そこで攻撃的姿勢を出しながら失点をしないようにという考えでいました」と説明。

 すると、この采配が見事に的中し、柏のアシストから浅野が値千金の同点ゴールを奪った。「今年、ファーストステージのFC東京戦で得点を奪って、いいプレーをしてきながら点を取れずに自信につながらないという日々を送ってきましたが、そのゴールによって彼(浅野)がやってきたことが彼自身の自信になった。彼の持っているポテンシャルについて我々は自信と期待を持って使ってきていましたが、自分のポテンシャルに気付いて自信にしてくれたのがFC東京戦のゴールだったと思います。彼はずっと上手くなりたいという向上心の塊のような姿勢でトレーニングしてきて、今も変わらずトレーニングしている。ここのところゴールから遠ざかっていましたが、チームに推進力を与えてくれるスイッチとして頑張ってくれた。今日のような大舞台で、優勝に向かうゴールを奪えたことを自信にして、もっと成長してほしいなと思っています」と浅野に賛辞を送り、さらなる成長にも期待している。

 また、超満員となり紫に染まったエディオンスタジアムの光景を見て、「本当に感激しました」と話す森保監督は、「僕自身がプレーするわけではないけれど、この方たちと優勝の喜びを分かち合う結果を出せればいいなと思っていました。広島にはこれだけのサッカー文化、サッカー熱があるんだというポテンシャルを今日のエディオンスタジアムでいろいろな方に感じていただけたと思いますし、我々ができることは今日来ていただいたサポーターにまた足を運んでいただけるように、魅力ある試合、選手がずっと見せてくれている最後まであきらめないで戦い抜くというところを感じて貰えるようにこれからも精進していきたいと思います」と述べた。

 森保監督は今季の優勝により広島就任4年で3度のJ1制覇という偉業とともに、日本人監督として最多優勝を記録することとなった。しかし、「3回目の優勝をできた喜びはもちろんありますけれど、僕一人で為し遂げたものではありません。日本人監督として3度目だからということにも特別な思いはありません。選手・スタッフ一丸となって日々ハードワークすることで勝ち獲ってきたものだと思いますし、クラブの勝利だと思います。サンフレッチェに関わるすべての皆さんとともに為し得てきた結果だと思いますし、みんなの勲章だと考えたいと思います」と個人の記録として特別な感情はないとし、チームの功績を称えている。

 最後に、長いシーズンと短期決戦の双方で勝てた要因、成長具合については、「シーズンを通して成長曲線は日々、そして試合ごとに上向きながら、クオリティを上げながらやってこられたと思っています。今日の試合もファーストレグでは我々が劇的な逆転勝利を収めて戻ってこられて、データ的には有利でしたけれど、そう簡単にいくものではないと思っていました。ただ、今年攻撃の主軸選手二人が移籍して、またチーム作りをしなおしていくなかで、成長しながらクオリティを上げていくということをやってきました。攻撃のところでは阿吽の呼吸を作るのは難しいことだとみんな分かっていましたし、それがダメだったらみんなで耐えて守備していこうというところ、今日の試合も耐えながら自分達の流れに持って行く部分をやれたこと。それはこの1年の成長だと思いますし、まだまだクラブW杯、天皇杯とありますけれど、これまでの成長の集大成というのは今日見せることができたのかなと思います」と振り返り、今後控える試合に向けて意気込んだ。

 広島は10日にFIFAクラブ・ワールドカップ2015の開幕戦でオセアニア王者のオークランド・シティと、26日には天皇杯準々決勝でFC東京と対戦する。

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