2015.07.26

松本がJ1初の連勝…プロ9年目のJ1初弾が決勝点の岩沼「正直うれしい」

甲府戦で先発出場した喜山康平(右)と岩沼俊介(左)
学生時代から全国のスタジアムへ通い続けてきた経験と人脈を生かして、Jリーグを取り巻くピッチ内外のネタを探り続ける。

文=青山知雄

 プロ9年目のJ1初ゴールが、松本山雅FCにJ1初の連勝をもたらした。

 25日に行われた2015明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第4節でヴァンフォーレ甲府とのアウェーゲームに臨んだ松本は、42分に左MF岩沼俊介が左足で強烈なハーフボレーを叩き込んで先制。この1点を守り切り、1-0でJ1では初となる連勝を飾った。

 無心の一撃だった。右サイドで自らのスローインの戻しを受けた岩上祐三が右足クロス。中央で競り合ったこぼれ球をファーサイドで狙っていた岩沼が左足を振り抜くと、強烈な弾道が逆サイドのバーを叩いてゴールに収まった。殊勲のヒーローは「たまたまですよ。思いっ切り打ったのが良かったですね」と振り返ったが、自身のJ1初ゴールには「9年目でやっとなんで。J2時代には決めていましたけど、正直うれしい」と笑顔を見せた。

 試合前に反町康治監督から受けた「できるだけシュートで終わるようにしよう」という指示も功を奏した。指揮官の言葉が頭に残っていたという岩沼は「積極的に狙っていこうと思っていた」と話し、13分には右からのサイドチェンジを受けて右足でシュートを狙うなどフィニッシュに意欲を見せる。そして件のゴールシーンでは「相手が中の枚数を増やしているから、セカンドボールを拾える」と考え、後方で待ちながら狙いを定めていた。

 J2時代から不動の左MFとしてプレーしてきた岩沼だが、ファーストステージ終盤に攻撃力を課題に挙げられてスタメン落ちを経験。前節の鹿島アントラーズ戦で先発復帰を果たすと、チームは7連敗をストップする白星をマークし、続く甲府戦では自らのゴールで勝ち点3を獲得した。これには岩沼自身も「結果が欲しかったので、自分がスタメンに戻ってから連勝できて良かった」と安堵の表情を浮かべていた。

 ただし、反町監督は反省点をチクリと刺すことを忘れない。ゴールの直前、チーム全体で軽快にボールをつないで攻め上がる中で岩沼が軽率なトラップミスを冒し、攻撃の流れを止めてしまっていた。これには指揮官も頭を抱えたようで、「驚くようなコントロールミスをした」と話しつつ、「あのゴールでチャラにしてあげようと思う」と、おなじみのシニカルな表情でゴールを称えていた。

 鹿島戦に続く完封勝利で年間勝ち点を21に伸ばした松本だが、アルビレックス新潟が勝ったことで降格圏内との勝ち点差はわずか1。岩沼が「勝てたことは良かったけど、7連敗していたので連勝していかなければいけない。ここからが重要になる」と語れば、キャプテンの飯田真輝は「鹿島に勝ったあと、次で甲府に勝たなければ意味がないと思っていた。まだ勝ち点で降格圏内と離れたわけではないし、上のチームに追いついたわけでもない。目の前の試合を一つひとつ大事にしていきたい。もちろん2試合連続完封はうれしいけれど、今日はチームの勝ち点3がすごく大きかった。7連敗という悪い流れを断ち切って、このままいい流れに乗っていけるようにしたい」とコメント。口をそろえて気持ちを引き締めていたが、負のサイクルから抜け出したいチームにとっても、ポジションを完全に奪い返したい岩沼にとっても、非常に大きな結果となったのは間違いない。

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